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【今週のレア車】Vol.179 ホンダ トランザルプ400V
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- 2019.09.26
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は、現代のアドベンチャーバイクの礎を築いた隠れた名車、ホンダのトランザルプ400Vです。
ちょっと変わった名前のこのバイクは、市街地だけでなくハイウェイ、山道、荒地までどこでも気持ち良く走る事のできるオールラウンドのツーリングモデルとして開発されました。
「トランザルプ」という名前は、アルプス超えという意味のTRANS ALPSを意味する商標で、まさにどこまでも走って行けるイメージから来ているようです。
トランザルプには海外向け仕様を含めると数種類の排気量設定がありますが、国内では1987年に限定300台で先行発売された兄貴分の600Vと今回の400Vの2種類だけとなります。
400Vは当時の中型限定自動二輪免許(現普通自動二輪)で運転できるように排気量を398ccに縮小したモデルで1991年に発表、発売されて1996年まで販売されていました。
フレームは、600Vと同じくダブルクレードルを採用しており、搭載するエンジンは水冷4ストロークのOHC、V型2気筒で37馬力を発揮します。
そしてデザイン上の最大の特徴がフロントライトからタンクまわり、エキパイまで覆ったフルカウルが装着されていることでした。その面影はトランザルプの技術開発にフィードバックされたNXR750(パリダカのワークスマシン)を彷彿させます。
さて、このトランザルプ400Vのセールスですが日本国内では、4,000台ほどの販売台数と非常に少なく販売期間も5年弱ほどと短いためタマ数も多くありません。
今ならもっと売れそうなモデルだと思うのですが、当時の日本にはまだ、デュアルパーパスの高速巡航マシンというコンセプトが確立されていなかったこともあり、なかなか受け入れられにくかったのでしょう。
一方、欧州ではなんと約25年間に渡ってモデルチェンジを繰り返し販売が続けられたロングセラーとなりました。
このあたりは、アドベンチャーモデルに対する国によっての考えの違いなのでしょうか。
今回の個体は、走行5万kmオーバーの少々手のかかりそうな車両ですが、致命的な瑕疵(かし)などはありません。めったにお目にかかれない隠れた名車、ぜひ注目ください♪