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【今週のレア車】Vol.183 ホンダ モトラ
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- 2019.10.24
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は、ホンダ モトラです。
1982年6月発売のこの変わった名前のバイクは、ホンダが製造販売していた原動機付自転車です。
スーパーカブ系のエンジン(最高出力4.5PS)を搭載し、幅広のブロックパターンのタイヤ(10インチ)を装着したその車体は、見るからに頑丈そうな造りとなっていました。(車体色によっては工事現場が似合うような気もしますが・・・)
前後に装備されたパイプフレームの大型キャリア(特にフロントはフレーム固定でガッチリ!)やレベライザー付の後ろのサスは、たっぷりの荷物を積んでも安定した走りができるよう工夫されていました。
あと、面白い機構としてサブミッションという機能があって、通常の3速とは別に低速の3速ミッションを備えており、このサブミッションを使うと普通は上っていけないような勾配(最大23°)でも、荷物を積んだまま上っていけたのです。
もともとキャンプやバーベキューのようなアウトドアレジャーのシーンで活躍できるように考慮されており、解除レバーを握らないとロックが解除できないメインスタンドなども、不安定な場所での使用を想定しての装備といえるでしょう。
昨今のアウトドアブームを考えると、さぞかし人気のあったモデルだと思われそうですが、ところがどっこい、さして話題にも人気にもならずひっそりとその姿を消してしまいました。
当時としては、あまりにも特異なコンセプトと165,000円という原付にしては高かった価格設定もヒットに至らなかった一因と思われます。
しかし、その後発売された同社のPS250やズーマーにも通じる無骨なアウトドアギアとしての佇まいは、今なら受け入れられるような気がします。
現在店頭に並ぶ数少ないモトラには、驚くようなプレミアム価格が付けられ販売されているのも人気の証と思われます。
今回の個体はそれなりのダメージはあるものの、カスタムベースとしてぴったりな1台です。
こんなバイクをポンとワンボックスに乗せて、山奥のキャンプに出掛けるのも楽しいのではないでしょうか?要チェックです!(^^)!