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【今週のレア車】Vol.96 ウラル サイドカー

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  • 2017.12.27

毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。 2017年最後のレア車は、成り立ちも機構もユニークな、ロシアのウラルサイドカーです。


ウラル社は世界でも珍しいサイドカーを主力としているメーカーで、日本ではサイドカー自体が

マイナーな為あまり知られていませんが、世界で最もメジャーなサイドカーのひとつです。


その起源は第二次世界大戦時に遡り、軍用車両として当時ドイツ軍が使用していたBMWを

コピーして生産したことから始まっています。

従ってその基本的なフレーム・エンジン回りの設定はBMWを基本としており、このウラル650は

BMW-R75を下敷きにしています。

機構的な最大の特徴は「2WD」である事です。車体側の後輪と、側車のタイヤがドライブ

シャフトで繋がっており、しかもこの650はフルタイム駆動となっています。

ちなみにベースとなったR75はパートタイム、650の後継車であり現行機種でもある750は

同じくパートタイムであり、フルタイムは希少な存在となっています。

その他も、BMWを下敷きにしただけあってパッと見見分けのつかない水平対向空冷OHV、

チューブ式のタイヤ、サドル型シート、フレームだけでなく、フェンダー・タンクなども鋼鉄製など、

軍用車としての特徴が色濃い作りです。


戦争映画でよく側車付バイクが砂利道や泥濘地を疾走しているシーンを見ることがありますが、

2WDだからだったんですね。さすが軍用車両ですね。

ちなみに現在でも軍用として利用している国があるそうです。


なお、ウラルは日本では、フルタイム2WDとパートタイム2WDでは車両運送法・道路交通法上、

扱いが異なります。現行も含めたパートタイム2WDは、「側車付自動二輪」で「普通自動車」

扱いなので、税金関係は二輪、免許は普通免許でOKになります。

一方この650はフルタイム2WD。「三輪幌付“軽”自動車」となるので、税金関係は四輪の軽、

免許は普通免許でOKとなります。どちらも免許上は“バイク”ではないんですね。

ちなみにバイク免許で乗れる“1WD”仕様も現在はあるようです。


現車はそんな珍しいウラルの650㏄版。車検時にパートタイム2WDと同様の扱いに変更することが

可能のようなので、おそらくそちらに変更されているものと思われます。

程度はそこそこですが、サイドカーの中では元々リーズナブルなウラル、クラシックテイストのサイドカー

を探している方、フルタイム2WDのサイドカーに乗ってみたい方は購入してみてはいかがでしょうか。

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わかりづらいですが、ドライブシャフトが側車側に伸びていますね。

制作・協力

バイクの窓口編集部

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