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自分でもできる難易度別バイクのメンテナンス

  • バイクのメンテ記事
  • 2022.09.07

今回は、自分でもできる難易度別バイクのメンテナンスをご紹介します!

バイクは定期的なメンテナンスが必要な乗り物です。特に中古車を良好なコンディションに保ちつつ、長く乗り続けるためには、ある程度のメンテナンス知識が必要です。

しかし「バイクのメンテナンス」と聞くと、難しく専門的な知識が必要なのでは?と感じる人も少なくありません。特にこれからバイクに乗ろうと考えている人にとっては、免許の取得以上に難しく感じることかもしれません。

結論から言うと、確かに高度な技術や知識が必要となるメンテナンスもありますが、一方で初心者でも簡単にできるメンテナンスもあります。

ということで、今回はバイクのメンテナンスを難易度別に分けていくつかご紹介します。

 

 

 

■バイクの洗車(難易度:低)
洗車は立派なバイクのメンテナンスの一つで、トラブルを事前に予防できるというメリットがあります。なぜならバイクの汚れを落とすことで、破損したり傷んでいるパーツを発見できたり、砂や埃で動きが渋くなっている部分を改善できたりするからです。

ちなみに洗車を行う際は、いきなりタオルで汚れを拭くことはせず、必ず目立つ汚れを水で落としてから拭きましょう。そうしないと車体に付着している砂や小石で、大切なバイクを傷つけてしまう可能性があるからです。

自宅に外水道があるならホースを繋げばいいですが、賃貸住まいなどで難しい場合は、洗車場の高圧洗浄機を使って汚れを落としましょう。その際はメーターパネルなどの電装品、エンジンのプラグまわり、それからマフラー付近は水に弱い箇所なので、遠くから水をかけるようにしましょう。

洗車は何よりバイクが綺麗になっていく過程が楽しく、やっている本人の満足度も高い一石二鳥のメンテナンスです!

 

■稼働部のグリスアップ(難易度:低)
例えばサイドスタンドやタンデムステップ、それからブレーキレバーやクラッチレバーなどの稼働部は、定期的なグリスアップで常に良好な動作を保つことができます。

グリスが切れると動作が重たくなるので、特に雨天走行をした後、それから洗車後は必ずグリスアップすることを心がけましょう。

なお、グリスは必ず「バイク用」と書かれている万能(汎用)グリスを使い、注油後は走行中に呼び散らないように余分なグリスを拭き取りましょう。特にタイヤにグリスが飛び散ると、スリップの原因となるので大変危険です。

 

■タイヤの空気圧チェック(難易度:低)
タイヤの空気圧は、バイクの乗り心地に直接影響するので、例えば1ヶ月に1回のペースでもいいので、定期的にチェックすることをおすすめします。空気圧を測るエアゲージと空気入れ、または両者一体型のものを用意すれば誰でも簡単にチェックすることができます。

前後タイヤのホイール部分にあるエアバルブのゴムキャップを外して、そこにエアゲージの先端をしっかりと差し込んだ上で、スイングアーム付近に貼ってある「規定空気圧」の数値とズレがないかを確認しましょう。

そして、空気圧が規定値より少ない場合は空気入れで補充をして、多い場合はエアバルブ中央の突起を押して抜きましょう(エアゲージに空気抜き機能がついている場合もあり)タンデム走行やキャンプツーリングで荷物を大量に積む場合は、規定値より気持ち多めに空気を入れておくのがコツです。

ちなみに空気圧チェックはタイヤが冷えている状態で行う必要があるので、走行直後のチェックは避けましょう。

 

■ブレーキパッドの残量チェック(難易度:低)
ブレーキパッドの残量が減っていると、ブレーキの効きが悪くなったり、ブレーキをかけた時に異音を発するようになります。言うまでもなくブレーキはバイクの最重要パーツの一つなので、パッドの残量は定期的に目視でチェックしましょう。

残量をチェックするだけという非常に簡単なメンテナンスですが、怠ると一番危険な重要な項目なのでしっかりと行いましょう。確認方法はブレーキパッドは前後のブレーキキャリパーの間に挟まっているので、できれば懐中電灯などを用意して、明るく照らしながら目視で確認しましょう。

ブレーキパッドに残量の印が付いているものは、それが消える前に、印がないものは残量が2〜3mmになっていたら交換が必要です。なお、ブレーキパッドの交換は必ずバイクショップに任せましょう。

 

■灯火類の作動チェック(難易度:低)
ブレーキパッドと同じく、こちらも目視でチェックするだけの簡単なメンテナンスですが、安全運転をする上でとても大切な項目です。

具体的にはヘッドライトとテールライト、ハイビーム、それからブレーキランプと左右のウインカー、そしてハザードやパッシング機能があるバイクはそれらが正しく動作するかを確認します。

灯火類がLEDの場合は滅多に壊れることはありませんが、バルブの場合は球切れしている場合があります。

 

■チェーンの清掃・注油(難易度:低)
チェーン駆動のバイクの場合は、こまめにチェーンの清掃をするように心がけましょう。チェーンは走っているだけで汚れが付着するので、どうしても定期的な清掃が必要になります。

そもそもチェーンは通常2万km前後での交換が必要なパーツですが、汚れが目立つ前に清掃をして、さらに注油をすることで寿命を伸ばすことができます!

基本的な手順としては、まずはチェーンやスプロケットに付着している汚れを水で洗い流し、チェーンクリーナーをまんべんなく吹きかけます。チェーンクリーナーには頑固な汚れを浮かせる効果があるため、吹きかけたら数分ほど放置します。

その後、チェーン清掃用のブラシを使って、浮き上がった汚れを落とし、次にチェーンに付着した水分を拭き取り、最終的にチェーンオイルを注油します。特に雨天走行中はチェーンに汚れが付着しやすく、オイルも落ちてしまうので、早めの清掃と注油を心がけましょう。

なお、どうしても時間が取れない場合は、乾いた布でチェーンの汚れを拭き取るだけでも違います。

 

■レバーの遊び調整(難易度:低)
ブレーキレバーとクラッチレバーには、実際に効き始めるまでの「遊び」の部分が設定されています。仮に遊びが0の状態だと、レバーを握り始めた瞬間にガツンと効いてしまうので、運転が極めてシビアになってしまいます。

しかし、その遊びがバイクの振動などによって徐々にズレてくるケースがあるので、頃合いを見て遊びを調整する必要があります。

調整方法としてはレバーの根本にあるロックナットを緩めた上で、隣にあるアジャスターをバイクの進行方向に回すと遊びが増え、反対に回すと遊びが少なくなります。自分好みの遊び量に達したら、再びロックナットを締めて固定します。

なお、レバーの遊びの量を確認する際は、必ずグローブをはめた状態で行いましょう。

 

■バッテリーの充電・交換(難易度:低)
バッテリーが弱っているとセルモーターが勢いよく回らず、最悪エンジンを始動できない場合があります。特に冬場はバッテリーが弱っているケースが多く、乗る前にあらかじめ充電しておくと安心です。

バイク用のバッテリー充電器を用意した上で、必ずバッテリーの赤いプラス端子→黒いマイナス端子の順番で接続して充電し、外す際は逆にマイナス端子→プラス端子の順番で外しましょう。

ちなみに充電してもセルモーターが勢いよく回らない場合、もしくはすぐにバッテリーが上がってしまう場合は、バッテリー本体が劣化している可能性があるので、新品に交換することをおすすめします。

バッテリー交換はマイナス端子→プラス端子の順番で古いバッテリーを外して、プラス端子→マイナス端子の順番で新しいバッテリーを取り付けましょう。

 

■エンジンオイルのチェックと交換(難易度:低・中)

エンジンオイルは別名「バイクの血液」とも呼ばれ、エンジン全体のコンディションに影響を及ぼす重要なオイルです。仮にエンジンオイルが少ない状態、または極端に汚れている状態で走ってしまうと、最悪エンジンが焼き付いてしまいます。

そうなると「1.高額な修理費を払ってエンジンを直す、2.廃車にする」という重い2択を迫られる結果が待っています。そうならないためには、定期的にエンジンオイルの量と汚れをチェックする必要があり、こちらは誰でも簡単にできます(難易度・低)

センタースタンドをかけるか、車体を傾けてバイクを垂直の状態に保った上で、エンジン付近にある「オイル確認窓」をのぞき、オイルが上限と下限の印の間に収まっていれば量は問題ありません。また、その際にオイルの見た目が極端に黒ずんでいたり、透明度が皆無の場合は汚れているので、こちらも併せてチェックしておきましょう。

そして、チェックした結果オイルが減っていたり、汚れている場合は交換(難易度・中)が必要になりますが、こちらは自信がない場合はショップに任せましょう。自分でやる場合はまずは新品のオイルと廃油ボックス、それからドレンパッキンが必要になるので、これらをホームセンターやバイク用品店で揃えましょう。

基本的な作業としては、バイクのエンジンをかけてアイドリングをさせて、エンジンが温まったら古いオイルを抜いて、それから新品のオイルを入れるという流れです。エンジンの下部にはドレンボルトとよばれるパーツがあり、ここを緩めると古いオイルが下に流れ出てきますので、廃油ボックスへ入れて適正に処分しましょう。

なお、メーカーや車種によっても異なりますが、エンジンオイルは大体3,000〜5,000kmで交換するのが一般的です。

 

■プラグ交換(難易度:中)
バイクにおけるプラグとは「スパークプラグ」のことで、エンジンの点火装置の役割を果たす重要なパーツです。格安で販売されている中古バイクには、整備やメンテナンスを行わない現状販売となっている個体もあるので、スパークプラグの状態は必ず確認しておくようにしましょう。

スパークプラグが劣化しているとエンジンのかかりが悪くなったり、アイドリングが不安定で最悪信号待ちでエンジンが止まるケースもあります。ちなみにあくまでスパークプラグは消耗品であり、1万km前後が交換の目安とされています。

交換する際はエンジンの気筒数分のスパークプラグが必要であるため、たとえば単気筒エンジンのバイクであれば1本、4気筒エンジンであれば4本のスパークプラグが必要になります。基本的な作業の流れとしては、エンジンのシリンダーヘッド上部にあるスパークプラグを取り出し、新品のスパークプラグを装着するという流れです。

車種によってはカウルや他のパーツを取り外さないと、シリンダーヘッドにアクセスできない場合もあるので、あらかじめ作業前に調べておく必要があります。なお、スパークプラグの脱着には専用のプラグレンチが必要となりますが、これは車載工具に含まれているケースが多いです。

 

■エアフィルター(エアクリーナー)交換(難易度:中)
エアフィルターとはエンジンに送る空気を浄化するためのパーツで「エアクリーナー」とも呼ばれます。エアコンのフィルターが定期的に清掃が必要なように、バイクも長年走行していると、エアフィルターに汚れが定着するので交換が必要になります。

 

車種によってエアフィルターがある場所は異なりますが、一般的には燃料タンクの下部分、またはシート下に装着されているケースが多いです。エアフィルターが装着されているボックスは、ネジや金属製のバンドで固定されていることが多いため、取り外すこと自体は簡単です。

しかし、燃料タンクやシートの取り外しなどの付随する作業が、メンテナンス初心者にとっては難しく感じるかもしれません。また、誤ってプラグを斜めに入れてしまうと、エンジンの修理が必要となるケースがあるので、作業に自信がない場合はショップに任せましょう。

 

■まとめ
一般的にバイクのメンテナンスと聞くと、いかにも専門知識が必要な難しい作業のように思えますが、実際は初心者でも簡単にできるものもあります。

はじめはそれなりの時間と労力を使うかもしれませんが、数回こなせば手際よく作業を進められるようになってきます。

自分のバイクのコンディションを少しでも良く保つために、まずはできるところから始めてみましょう。

その上で「出来ないことはプロに任せる」ことも立派なメンテナンスであることを頭に入れておきましょう。

 

制作・協力

さすライダー

バイクの窓口編集部

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