他カテゴリ記事を絞り込んで探す

【バイクメンテナンス】俗にいう人柱的な実験~オイル交換~

  • バイクのメンテ記事
  • 2022.02.16

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】vol.150。今回はバイクの達人KAZUさんに、エンジンオイル交換についてレポートして頂きました!

バイクやクルマの性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要。中でもメジャー級に知られているのは、エンジンオイル交換。エンジンオイルは、ピストンやシリンダーなど、金属部品の摩耗を遅らせるだけでなく、潤滑作用・冷却作用・密封作用・洗浄作用・防錆作用・衝撃吸収作用など、様々な役割を果たしています。ならば、高性能なエンジンオイルを使いたい!と思うのは至極当然ですが、これぞ誰もが認めるベストなエンジンオイルというものが存在しないのも事実。それは使用する車種や走行シチュエーション、利用頻度によっても適したエンジンオイルが異なるからで、例えば年間3000kmのサンデーツーリングユースと毎日フル稼働で3万km超を乗る人、通勤通学のみで1稼働あたり10kmなど、バイクの利用事情が様々だからです。最新の水冷スーパースポーツと70年代の空冷バイクでも、適したオイルは異なってきますから、メーカーの広告や雑誌記事、ネット上のレビューもアテにして良いのか否か、判断が難しいとも言えます。仮にエンジンオイル選びで失敗したくないという観点で選ぶとしたら、車両メーカー推奨の純正オイルになります。その一方で、より良いエンジンオイルを探し当てるべく、冒険してみたくなるのも人情。俗にいう人柱ですね。今回は僕の使い方ならば!という前提のもとに、純正オイルを試してみることにしました。お断りしておきますが、同じバイクで同じオイルを使ったとしても、同様の結果やフィーリングになるとは限らないのでご注意ください。

 

【目次】

1.被験者(車)は万能選手の愛車、XSR700!

2.今回のオイルは『ヤマルーブ・スタンダードプラス』

3.試走してみます!

 

ヤマハ XSR700を探す

  • 被験者(車)は万能選手の愛車、XSR700!

実験体となるのは、XSR700ローダウン仕様です。これまで何度か登場していますが、日々の街乗りからロングツーリングまでこなせる万能選手として、月間の半分くらいは乗っていると思います。よって、いわゆるドライスタート的なことは無いですが、Z2やVMAXに比べればシビアコンディションだと言えます。ミツバサンコーワのドライブレコーダーや南海部品のナビゲーション、デイトナのスマートフォンホルダーも装着しているので、特に準備しなくても乗り出せる気軽さがありますね。

今回は3000km走行後のオイル交換になります。使用していたオイルは、オメガSP-2です。パラフィン基油のフルミネラルエンジンオイル(鉱物油)で、もう10年以上愛用しています。理由は、僕の乗り方と選ぶバイクに合っていると思うからで、走行10万km超のXJR1300のカムシャフト摩耗チェックでは、全く問題が無いことも実証。信頼性も高いです。この時点でオイル劣化の体感は無かったけれど、実験のために抜いてしまいます。洗浄することで半永久的に使用できるだけでなく、オイルフローの低抵抗化が図れてエンジンレスポンスの向上も実現するK&Pオイルフィルターは、異物チェックと洗浄の後に再使用します。フィルターの座面に残っているゴム系樹脂の痕跡は、オイルストーンを使ってクリーニング&均しておきました。

 

  • 今回のオイルは『ヤマルーブ・スタンダードプラス』

K&Pオイルフィルターを組み付け、ドレンボルトを締めて、エンジンオイルの注油準備ができました。今回使用するエンジンオイルは、ヤマルーブ・スタンダードプラスです。新車時に充填されているエンジンオイルなので、ご存じの人が多いかも。小排気量から中間排気量向けとされていますが、ビジネスバイクにも使えるエンジンオイルとのことで、極低温時の始動性と耐シビアコンディションに期待できます。

 

いったん2Lほど注油してエンジン始動、1分強アイドリングさせてオイルレベルをチェックします。フィルターを脱着した分、レベルが下がっていると思われるので、オイルレベルが適正範囲内に収まるよう、少しずつ注油します。レベルが合えば作業終了。

 

  • 試走してみます!

約1週間、外気温0℃の早朝にエンジン始動&10分ほどの走行を繰り返しました。さらに、高速道路を使って500kmの移動を2回。ご近所ドライブで頻繁にストップ&ゴーも繰り返してみました。体感として、0km~約1000kmまでにオイルの性能低下は、ほとんど無いと思います。いつも同じ始動性、エンジンレスポンス、スムーズなシフトチェンジを実現していました。カバー類の合わせ面から、オイルが滲むこともありません。あえて過酷に使ってみたつもりですが、さすがヤマルーブというか、ベーシックレベルのエンジンオイルでもしっかり作り込まれているなと思いました。

 

走行約1500kmを超えたあたりから、シフトフィールに違和感。始動直後は良いのですが、連続して高速道路を走るシチュエーションにて、僅かですがシフトチェンジに渋さを感じるようになりました。維持費に余裕のある人なら、ここでオイル交換!となるわけですが、朝一発目の低温始動時には不満のない状態ですので、ヤマルーブ・スタンダードプラスにはもう少し活躍してもらうことにします。いわゆる延命のために使用するのは、エンジンオイル添加剤。オメガオイルのエンジンオイル強化剤909です。添加量は、エンジンオイル容量の3%。これ以上入れると、クラッチが滑ってしまうからです。エンジンオイルも然りですが、何事にも適した分量があります。入れ過ぎは厳禁、かえって性能を低下させることになりますね。オメガ909を添加したことにより、シフトチェンジがスムーズになりました。これまでの経験から、あと1000kmは性能を維持できそうです。

 

ヤマハ XSR700を探す

 

制作・協力

■ライター:KAZU中西

フリーランスのモータージャーナリスト。通称カズ兄さん。イベントMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)などタレント業でも活躍。

観察分析力に定評があり、開発に携わったバイク用品やカスタムパーツも多数。

一方では、二輪車の事故防止&安全利用の最前線に立つ『Mr.事故ゼロ』とも呼ばれている。愛車はスペシャルメイドのZ2他。趣味はプレジャーボートのクルージング。

オークネット提供サービス一覧
© 2016- AUCNET INC.