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【バイクメンテナンス】違いが分かる駆動系のリフレッシュ(難易度高めの消耗品交換)

  • バイクのメンテ記事
  • 2022.03.04

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】vol.151。今回はバイクの達人KAZUさんのバイクメンテナンス編です!自分でやるのはベテランでないと難しいですね・・

古い物でも、手入れ次第で性能維持。これはバイクやクルマだけでなく、日常的に使う道具にも言えることだと思います。

特に摺動する場所、可動する物については、防錆と潤滑具合が寿命に大きく影響します。バイクの場合、走らせた分だけ消耗していく部分や傷んでいく部分がありますから、清掃や注油等の日常的なメンテナンスが欠かせません。

今回は、ボチボチ使用限度かな?と思える駆動系のリフレッシュ。

 

【目次】

1.まずは準備

2.メンテナンススタート!

3.テストライディング

 

  • まずは準備

先ずは平たんな場所で、メンテナンススタンドをかけます。ここではシフトアップの旧車用メンテナンススタンドを用意しました。次にチェンジペダルやステップバー(ペグ)等を外して、スプロケットカバーを外します。さらにリアアクスルシャフトの締め付けを緩めて、チェーンアジャスターも緩めます。

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シフトアップ

メンテナンススタンド

 

交換するパーツは、駆動系3点。ドライブスプロケット(フロント)、ドリブンスプロケット(リア)、ドライブチェーンです。これまでは、RKジャパンのGC520XUWRを使っていましたが、さらに高性能な520XWR2を用意しました。

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RKジャパン

520XWR2

 

駆動系パーツの交換作業に欠かせないのは、ドライブチェーンを切る・圧入する・ピンをカシメる専用ツールで、チェーンサイズごとに市販されています。

サイズの合ったツールを使わないと、ドライブチェーンや継ぎ手リンクを破壊します。

今回はRKジャパンの90ツールを用意。いわゆるプロ用ツールで価格もそれなりに高価ですが、作業性と信頼性がバツグンに高いのでオススメ。また、ドライブスプロケットのナットが固く締まっていて外せない事を想定し、TONEのインパクトレンチも用意しました。

 

  • メンテナンス開始!

僕は作業のしやすさから、先ずリアホイールを外します。チェーンアジャスターを思いっきり緩めてアクスルシャフトを引き抜き、フリーになったリアホイールのスプロケットからチェーンを外し、ホイールを抜き取ります。次にホイールの作業台座となるクルマ用の古タイヤを用意して、ホイールを乗せてスプロケットを外します。この方法では、ブレーキディスクローターがどこにも接触しないので、余計な心配事が減るというメリットもあります。外したスプロケットと新品を比べてみると、歯底にチェーンのローラーがしっかり当たっていることが分かります。また、歯底はしっかり母材の銀色となっていますので、均一に摩耗していることも分かりますね。

 

次にドライブスプロケットを外します。ドリブンスプロケットと同様に、歯底を見るとローラーが当たって摩耗しているのが分かります。ちなみに、前回の交換から3万km超ですので、日常的なチェーンメンテナンス=清掃と注油を定期的に行なっていたから、この程度で済んでいるとも言えます。別の表現をするならば、全く注油しなかったとしたら、こんなにも延命できなかったでしょう。大きな駆動トルクを伴って金属同士が高荷重で接触する部分ですから、やはり清掃と注油は必須です。

 

新品のドライブスプロケットとドリブンスプロケットを外した時と逆の手順で組み付け、リアホイールを装着してチェーン交換作業に移ります。古いチェーンはカットする必要がありますから、90ツールをカット作業用にセッティングして、リンクピンを抜き取ります。この作業を俗にチェーンカットと言います。工具のセッティングを間違えたり、使い方を間違えてしまうと、ピンが抜けないどころかツールを壊すことになりますので、取説を熟読した後に作業すると良いです。

 

カットした古いチェーンと新しいチェーンを継ぎ手リンクで繋ぎ(ここでは差し込むだけ)、グルっと一周させて新しいチェーンを取り回します。アクスルシャフトの位置を標準にしてチェーンを仮にはめて、余分を見極めカットします。

 

余分をカットして、適正な長さになったチェーンの両端を継ぎ手リンクで接続。この時、シールリングのはめ込みとグリス塗布を忘れずに。次に90ツールをプレート圧入セッティングに変更し、継ぎ手リンクのプレートを圧入。さらにカシメ作業用にセッティング変更して、継ぎ手リンクピンを適正値までカシメます。ここまでさらっと説明してきましたが、作業手順や内容が分からないという人は、自身で作業せずバイクショップ等のプロに依頼しましょう。

 

  • テストライライディング

チェーンの弛み量やアクスルシャフトの締め付けを確認、外したパーツ類を元に戻して作業終了。早速試走に出かけます。先ずは何らかの問題があっても、すぐに対処できる範囲でドライブ。僕は家から10分程度の距離、ほたるの庭まで行ってみました。この日は、晴れ模様だったけれど、風が強くて冷え込みが厳しい。黒糖ラテで暖まりました。

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ほたるの庭

 

ほたるの庭までは問題なし、さらに遠くへ行ってみることにします。とは言え、やはり万が一のトラブルに備えて、峠を一つ越えたところにある土肥金山へ。寒さと空腹感に負けて、金山まんを食べてみました。外の皮は竹炭入りで黒く、中身はソース味しっかりのもんじゃ焼きでした。おやつに丁度いいかも。

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土肥金山

 

さらに海沿いを走り、西浦を経由して帰宅。結果的に100kmほど走りましたので、駆動系の慣らし運転としても丁度いい距離感です。駆動系リフレッシュの体感としては、アクセル操作に対する加速レスポンスの向上が特筆。新品に組み替えたという事情はあるにせよ、ドライブチェーンの進化ぶりを如実に感じます。ちなみに、Z2のノーマルチェーンは630サイズで、僕のZ2は520サイズにコンバートしていますから、以前のGC520XUWRでも大幅な低フリクション化は図れていたのですが、520XWR2はさらに分かりやすい低フリクション化を実現しています。なお、520サイズにすればなんでも良いというわけではなく、コンバートするには正しい知識と、装着するバイクに適正なチェーングレード選びが必須。自分の愛車はどのチェーン?等、詳しい情報を知りたい人は、RKジャパンまでお問い合わせください。

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RKジャパン

 

制作・協力

■ライター:KAZU中西

フリーランスのモータージャーナリスト。通称カズ兄さん。イベントMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)などタレント業でも活躍。

観察分析力に定評があり、開発に携わったバイク用品やカスタムパーツも多数。

一方では、二輪車の事故防止&安全利用の最前線に立つ『Mr.事故ゼロ』とも呼ばれている。愛車はスペシャルメイドのZ2他。趣味はプレジャーボートのクルージング。

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