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【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】第12回 意外に知られていないメンテとカスタムの小ネタ

  • バイクのメンテ記事
  • 2018.10.11

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】第12回 今回はカスタム・メンテナンスに関する小ネタ特集です。皆さんは愛車のカスタム・メンテナンス何処までやりますか?ますますバイクって奥が深いですよね。

  • 手始めにステッカーチューン!これも立派なカスタム

モチベーションを高める

念願の愛車をゲット。さて、どーやって仲良くなっていくか・・・となるでしょう。僕は手始めにステッカーチューンから着手します。これは僕がオートバイに乗り始めた頃にはすでにあったカスタム術で、実質的な効果はないですがステッカーを貼ったことで思い入れが深まります。愛車を大切に乗って行こう!というモチベーションが高まると言う意味で、ステッカー貼りはチューンナップになるのでは?と思っています。

ステッカーチューン

ステッカーチューンは貼る角度と面積のバランスが大切。入手方法は色々とありますが、やはり使っている部品やオイル類、車輛メーカー関連のものを貼ると、違和感がないと思います。レース用のバイクが参考になりますね。


かつては左右対称に貼っていくと良いと言われましたが、最近は片側1枚貼りのアンシンメトリーでもカッコいいと評価されるようです。XJR1300の燃料タンクに貼っている55mphは、アメリカの古い時代の速度規制値が元となっているもので、時速に換算すると約88km/hになります。高速道路もそのくらいのペースでのんびり走りたいな~という意志を表しています。


サイレンサーの裏側に貼っているのは、耐熱アルミ地のクラブステッカー。さりげない自己主張です。燃料タンク上のブジカエルステッカーは友人が作ってくれたもの。ブジカエルを常に意識したいから、視野に入りやすい場所に貼っています。タイヤのダンロップステッカーは、タイヤ専用に開発されたもので、ステッカーというよりは塗料の転写という感じです。



往年の名車をリスペクト

空冷エンジンならではの乗り味が好印象、CB1100です。スタンダードは1本出しまたは2本出しですが、往年の名車CB750fourをリスペクトした4本出しマフラールックスは、重厚感が出て愛車感も増すと思います。

CB1100に4本出しは似合う

 赤いCBはモリワキの4本出し、青いCBはアールズギアの4本出しです。どちらも4本出しですが、ルックスや音色が全然違う。この辺りも面白いなと思うところです。




スプリングは発熱でタレるのです

リアサスペンションにツインショック式を採用していることの多いネイキッドバイクでは、リアショックの交換が定番的なカスタム手法です。


よって、巷にはさまざまなメーカーまたはブランドのリアショックが出回っています。誰もが認める最高峰はオーリンズだと思いますが、他人と同じは嫌だというのがカスタムを始める原点だと思いますので、純正装着がオーリンズでもあえて別ブランドに換装する人もいますね。その際のポイントは、ルックスで選ぶのか、要望に応えてくれのか?となります。ルックス重視の人は、リアショックとしての機能は二の次になるでしょう。


走行性能重視の人は、自分好みのサスペンションフィーリングにメーカーがどこまで応えてくれるのか?でブランド選びをすると良いでしょう。僕は長距離を安定的に走りたいので、性能低下の少ないリアショックを選びます。リアショックの性能低下は、スプリングの屈伸運動による発熱やダンパー室の作動油の受熱変化が原因。なので、そこまで対策を考えているメーカー品やブランドを選ぶことにしています。

スラストワッシャーがいい

日本国内の道路事情に合わせたスプリングレート設定と減衰力設定が好評のハイパープロリアショック。不快なピッチングを抑える傾向にあるので、わりとスポーティな味付けだと言えます。僕はスプリング端部に挟み込まれているスラストワッシャーの存在が気に入っています。これがあるおかげで、スプリングの熱ダレが随分と抑えられている。よって、長距離でも安定的に走れるというわけです。




キチンと作っているか否かは見えない部分に表れる

キジマのコンプリートカスタム車を見せていただいた時、さすが!と感心したのが、ステップ(ペグ)のブラケットです。ありがちなのはアルミ削り出しですが、安心安全な強度を重視すれば、おのずと鉄製になります。

ペグのブラケット材がいいね

 第44回の東京モーターサイクルショーに展示されていたキジマのカフェレーサーカスタム車。ベースはXL1200Xで、カウルやマフラーに目を奪われがちですが、僕はペグのブラケットに注目しました。鍛造鉄製のブラケットはステップ立ちできるほど十分な強度となっており、ステップコントロールが旋回性のポイントとなるハーレーだからこそ、こだわりたい部品です。




マッドガードタイプは振れの強度対策が重要

近年流行のスタイルとして、テールカウルはショートに、ナンバープレートは別体のマッドガード(マッドフラップ)に装着されるパターンがあります。マッドガードをカスタムパーツとして使う手法は決して新しいアイデアではなく、ドイツでは古くから定番的となっています。テール部をショートデザイン化した時の弊害として泥ハネのひどさがあるけれど、マッドガードを追加することでかなりの対策になります。


現在市販されているものを見ると、まさにピンからキリまでという感じですが、購入時はスイングアームに取り付ける部分とアーム部の強度に注意が必要です。スイングアームの後端は振れや振動が大きく、マッドガードには想像以上の強度(粘り強度)が求められます。アルミ製だとかなりの極太アームが必要。鉄製ならばパイプ材よりも無垢材のアームが最適だと思われます。

振動に強い部材と設計

マウント部の厚み、アーム部のトラス構造など、実によく考えられているライセンスホルダー兼マッドガード。最低でもこのくらいの作り込みでないと、簡単に破たんしてしまうのがマッドガードです。

  • カスタム・メンテナンスをここまで「楽しむ」

驚く走りには驚きの装備が役立っている

オートバイのライディング術でも、派手さと絶妙なコントロール術が驚きと感動を生むといっても過言ではないエクストリーム。なぜあんなコントロールができるのか?と疑問に思う人もいるでしょう。ライダーのハイレベルな操縦術やバランス感覚によるところが大きいわけですが、実はそれを支えるカスタムもされています。

エクストリームマシンのハンドル廻り

もはやベース車は何なのか、わからないルックスのエクストリーム車です(ZX-6Rだと推測)。へこまされた燃料タンク上面に驚いてしまいますが、ハンドル廻りやブレーキ周りのカスタムに、なるほど納得!という人もいるでしょう。あれだけのコントロール術には、それなりの準備が必要というわけです。



大丈夫ですか?→大丈夫です

僕のVMAXは、そもそも事故防止活動用にカスタマイズされたものですが、その現場にてよく問われることがあります。「パニアケースはどうやって付けたの?」「このマフラーでパニアケースは溶けないの?」です。


まず、パニアケースの装着ですが、ワイズギアのドラッグスター400用をベースに、長さの足りない分を補うアルミ削り出しのブラケットを用意。GIVIのケースをマウントしています。パニアケースは中身が空っぽでも走行風圧によってブラケットに負荷がかかり、ある程度の速度領域に達するとボックスと連動してブラケットにヨレが生じて、マウント部や溶接個所から3~5cmほど離れたパイプ部分で折れるという現象がおこります。なので、マウントラックは粘り強度のある鉄製が良いですし、ブラケットは硬すぎてはダメ。柔軟性のあるアルミ材が良いです。


次にマフラーの件ですが、SP忠男の政府認証仕様、ピュアスポーツスリップオンを装着しています。サイレンサーエンドは拳が入るほど大口径ですが、パニアケースまでの距離と開放端の大きさによる低圧化が排気温度を下げているようで、もう5年近く使っていますが溶けたことは一度も無いです。

よく問われるVMAXの話

積載性の低いVMAXでは、パニアケースが何かと役立ちます。車輛のモディファイ作業当時は、アルミの丸パイプでラックを作るという案もありましたが、過去の経験からそれでは確実に折れるとわかっていたので、ワイズギアのパーツ群からもっとも装着しやすいサイズのラックを選び出し、どうしても足りない部分をワンオフ製作したといういきさつです。SP忠男のピュアスポーツスリップオンは、見た目からは想像もできないくらいジェントルなサウンドで、ボール紙で作ったのか?と思えるほど軽量だから、運動性の確保にもつながるカスタムパーツです。実質的な効果としては、純正=15~17km/L→ピュアスポーツ=17~19km/hと、燃費の向上も認められました。出足のパワーの立ち上がりが良い分、アクセルをワイドに開けている時間を短縮できるからだと思います。



流行の最先端?

山梨県の富士北麓駐車場にて開催されているウルトラモーターフェスティバル。2輪4輪ともに、度肝を抜かれるカスタム車が多く集うイベントとして認知度も高まっているわけですが、その会場にて発見した最新カスタム事情。バックミラーの死角をカメラ&モニターで補うアイデアです。

バックモニター

スタイル重視のマッドマックス・グースレプリカです。バックミラーがないなーなんて眺めていたところ、ありました!バックモニター。ノスタルジックとサイバーテクノロジーの融合という感じで、まさに近未来感を覚えます。



メンテナンスはカスタムに勝る性能を引き出すこともある

僕は愛機たちに、つねに気持ちの良い操作性を求めます。よって、メンテナンスでは、そこまでやるか?というところまで踏み込みます。XJR1300では、スロットル操作の軽さにこだわっていて、少しでも重くなったと感じたら、亀裂損傷がなくても即座に新品交換しています。


フロントフォークのオーバーホールやスパークプラグの交換、ドライブチェーンの交換も然りで、一般的な整備状況と比較してかなり早めだと思います。もったいない!なんて言われることも多いけれど、何かの不満を持ちながらオートバイを走らせるのは、精神衛生上よくないと思います。


ただし、XJR1300のスロットルケーブル交換は、キャブ車以上に難しいと言えます。整備性が良くない。その点、最新のZ900RSはスロットルケーブルの交換がしやすい構造となっており、時の流れがもたらした良好な進化だと言えます。

XJR1300のスロットルケーブル


スロットルケーブルの交換は、YSPに依頼しています。特にFIモデルはスロットルボディまわりに隙間がなく、スロットルリンクを動かすドラムが4連スロットルボディの中央部にレイアウトされているため、DIYでは難儀します。XJR1300だけに言えることかもしれませんが、キャブ仕様の時代は特に難儀しなかったので、FI化によるネガな部分だと思われます。とはいえ、毎日交換するわけではないから、問題視するほどの事でもないでしょう。

Z900RSのスロットルケーブル

Z900RSのスロットルボディはサイドドラム式となっており、スロットルケーブルの交換がとても簡単です。これなら遠出するたびに交換しても良いかな?(笑)

  • 不具合は即メンテナンスを!

よく問われるXJR1300Lは何が違う?

04年型から現在に至るまで、僕は4台のXJR1300を乗り継いできました。そんな事情を知っているからなのか、イベント会場等でXJR1300と1300Lは何が違うのか?とよく問われます。XJR1300Lとは、おもに大型二輪運転免許の教習用に作られた特機モデルで、フレームやエンジンなど基本コンポーネントはXJR1300と同じですが、大型のバンパーや俗に言う教習所仕様のランプ類、電動ファン付きのオイルクーラーなどが追加装備され、シート高やクラッチの中身も仕様変更されています。これをストリート仕様にモディファイしたものが中古車として販売されていることがあるから、そのように問われるのかな?と思っています。

XJR1300Lはココが違う

 一見してXJR1300だと思えるXJR1300Lです。Lである証は180km/hスケールのスピードメーターと教習所仕様のランプ類と接続するシート下のコネクター群です。カスタムして遊ぶという観点からすれば、電源取り出しの多さがメリットになると思われます。



不具合はそのままにしておかない

XJR1300のスロットルケーブル話にもつながることですが、愛機に少しでも不具合が生じていたら、走行上は問題なくてもすぐに対処します。例えばレーシングキャブレターを装着している場合、純正装着のキャブレターよりあきらかに消耗が早く、メンテナンス頻度も高めなくてはなりません。快感の代償なので、そこは妥協せずに実施したいですね。キャブレターの場合、ガソリンのリークは車両火災につながるので、大変危険な状態と言えます。

部品は安い

これはZ2に装着しているCR29レーシングキャブレターのフロートチャンバー部です。下部にドレンキャップがあり、メインジェットの交換をクイックに行なえます。フロートチャンバーはガソリンで満たされているため、ドレンキャップにはガソリン漏れを防ぐガスケット(Oリング)が嵌めあわされていますが、経年劣化によって硬化や亀裂が発生、ガソリン漏れを起こします。滲んでいる程度だから大丈夫と、そのままにして走らせてしまう人もいるようですが、火災の原因になるので早々に交換することをお勧めします。部品代も安いですからね。


ここまで使っちゃダメ

もったいない精神なのか、タイヤやブレーキをギリギリまで使う人が意外に少なくないようです。タイヤは残溝が新品時と比べて3割を切ったらパフォーマンスが大きく低下するし、ブレーキパッドも残5割を切ったらコントロール性が落ちます。この写真は全くNGの状態ですけれど、ここまでいかなくともおかしいな?と感じたらすぐに交換することをお勧めします。



究極のカスタム系

ベース車より外観をガラリと変える。これがカスタムの究極形だと思います。ヤマハコミュニケーションプラザにて見つけたファクトリーマシン。エンジンはなんと空冷です。おそらく水冷エンジンに移行する直前のファクトリー仕様だと思いますが、冷却性能を確保するための苦労が随所に滲み出ています。ボルトオンパーツでDIYカスタムは楽しいけれど、どうせやるならここまで!と思うのは僕だけでしょうか。


空冷のFZR

 その名もXJ750R。TT-F1レースカテゴリーのファクトリーマシンです。フレームはアルミ角パイプのダブルクレードルタイプで、エンジンは空冷DOHC2バルブ並列4気筒です。ベース車からは想像もできないほど、スタイリングが激変しています。1984年の鈴鹿8耐では、5位に入賞しています。現代はネオクラシック、ネオカフェレーサーブームですが、リスペクトするレースマシンがあってこそのカフェレーサーという考え方もあり、その点においてこのXJ750Rは参考になると思います。

関連リンク

ダンロップモーターサイクル

https://dunlop-motorcycletyres.com/

WEB 55mph

https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/life/55mph/index...

モリワキエンジニアリング

http://www.moriwaki.co.jp/

アールズギア

http://www.rsgear.co.jp/

ハイパープロ(アクティブ)

http://www.acv.co.jp/hyperpro/

キジマ

http://www.kijima.info/

GIVI

http://givi-jp.com/

ワイズギア

https://www.ysgear.co.jp/mc/

SP忠男

http://www.sptadao.co.jp/

ヤマハコミュケーションプラザ

https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/cp/ind...

制作・協力

■ライター:KAZU中西

文筆業をメインにステージMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)で活躍。

現在Z2(Z750Four=KZ750D)、VMAX(RP22J)、XJR1300(RP17J)を所有

プライベートではTOMCATSというモーターサイクルクラブに所属しツーリングやキャンプを満喫。

オートバイ以外の趣味はモーターボート。


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