TOP

中古バイクを探すならバイクの窓口

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】第4回 動力性能をスポイルしないドライブチェーンの話

  • バイクのメンテ記事
  • 2018.08.21

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】第4回。大人気のKAZU中西さんのコーナー。今回のテーマは「ドライブチェーン」です。ドライブチェーンの交換でバイクの走りが改善を遂げることを実証しています。実際の交換やメンテナンスにも触れているのでメカ好きは必読ですね!

先ずドライブチェーンについて、

正しい点検整備ができるという前提でお話を進めます。

点検整備のやり方が分からないとか、

正しい状態の見極めはどうすれば?という人は、

参考までに読んでいただき

実際の作業は認証工場の銘板がある

オートバイの専門店に依頼してください。

  • ドライブチェーンの交換は速くなることを実証

・小排気量は分かりやすい

ドライブチェーンは、

ドライブ(フロント)スプロケットの回転力を

ドリブン(リア)スプロケットに伝達するもので、

それらが三位一体となって機能します。

一般的には、

ドライブチェーンやスプロケットが使用限度に達した時、

セットで新品に交換します。


それ以外では、カスタムパーツとして

高品位なものに交換すると思います。

では、純正装着品と高品位仕様とは

何が違うのか?


僕の実践結果を例に挙げます。

僕はYBR125という

空冷OHC単気筒のオートバイで

月刊オートバイ誌主催の最高速記録会=MAXZONEミニや

富士スピードウェイが主催するFSWミニろくに参戦してきました。


先ずはベースとなるノーマルのデータ取りから。

YBR125のMAXパワーは後軸計測で約9ps。

計測器による最高速(メーター読みではない。実測)は

106.667km/hでした。


次にドライブチェーンをRKジャパンのGP428MRUに交換。


最高速は113.648km/hとなりました。

ドライブチェーンのみを交換しただけで

これだけの差が出ます。


この後、ドクターSUDAでエンジンオーバーホール。

さらにドクターSUDA+デビルのコラボマフラーを装着。

MAXパワーは10psへアップ。

最高速は117.930km/hにアップしました。


ならば!と新品のGP428MRUへ再交換。


最高速は118.046km/hをマークしました。

小排気量こそ高性能品>先ずはノーマルサイズの高性能品でトライ


その一方、FSWミニろくの実戦データでは

どんな違いが出たのか?

最高速118.046km/hの仕様で

レーシングコース戦へ。


私のベストは2分50秒でした。

次に駆動系を428→420サイズへコンバート。

ドライブチェーンは、RKジャパンのGV420MRUに交換。


ベストタイムは2分47秒となりました。

レース中のタイムでいきなり3秒も良くなるなんて

経験者からすれば驚きの数値だと思います。

百聞は一見に如かず。数字は正直です。

小排気量こそ高性能品>ワンサイズ細いチェーンにコンバート

小排気量こそ高性能品>結果最高速UPと自己ベスト更新

  • ドライブチェーンを交換・メンテナンスする

・ダンパー付きスプロケットを使用する際の注意点

高性能ドライブチェーンへの換装は

同サイズでも効果的です。


以前、サンダンスの柴崎代表に

超高性能なドライブチェーンをご提供いただきました。

その名はサンダンスRKのWL530UW-ZS、

商品名はT-SPECです。

交換作業はYBR125の時と同様、

ドクターSUDAに依頼しました。


XJR1300のドライブチェーンサイズは530なので

作業内容としては換装になります。

追加部品として、純正のドライブ&ドリブンスプロケットも用意しました。


交換作業時のポイントは

純正のドライブスプロケットがダンパー付きである事。

装着する際に適正トルクで締め付けることは当然として、

ドライブチェーンの弛み量調整では

スプロケットの歯底にドライブチェーンのローラーが

しっかりと当たった(落ち込んだ)状態を保つようテンションをかけること。



正しくテンションが掛かっていると

ドライブスプロケットのダンパーに

ドライブチェーンのアウタープレート痕が付きます。

換装後の性能変化は

後軸計測のMAXパワーで3psアップ。

燃費はリッターあたり3kmアップ

耐久性は、2万5000km走っても伸びが無し。


この数値を実現できたのは

清掃や注油など日常的なメンテナンスもありますが、

超高性能なドライブチェーンを正しく装着、

正しく弛み量調整ができていたからです。


なお、この換装術はデータ収集のために行ったことで、

RKジャパンが指定するXJR1300用の高性能品で

一般的に入手しやすいのはGV530X-XWになります。

ダンパー付きスプロケットに注意



・ドライブチェーンの交換作業手順

冒頭でドライブチェーンの交換は

プロに依頼する旨をお話しましたが、

具体的にはどのように作業するのか?

順を追って解説します。


先ず外すドライブチェーンのカット作業。

ここではRKジャパンのRK50インパクトカッターで秒断しています。


次にカットされた古いドライブチェーンと新しいドライブチェーンを

ジョイントで仮繋ぎします。

新しいドライブチェーンを一周させるために

古いドライブチェーンを丁寧に引っ張ります。


新しいドライブチェーンの余り分は

インパクトカッターでカットオフ。


シールリングの入れ忘れに注意しつつ

新しいドライブチェーンをジョイントで接続、

反対側にプレートを仮止めします。

なお、RKジャパンのドライブチェーンは、

この仮止め作業ができるように設計されています。


ジョイントのプレートをRK90ツールで圧入、

ピンをかしめます。


最後にドライブチェーンの弛み量を調整して

作業完了になります。

交換の手順



・日常的なお手入れ

ドライブチェーンの性能を維持するためには

小まめなメンテナンスが必要。

僕はツーリングの後や雨天走行後に行なっています。

汚れがひどくなる前に清掃・注油しておけば

作業にかかる時間もさほど長くならないです。


先ずはセンタースタンドや

メンテナンススタンド(レーシングスタンド)をかけて

後輪を浮かせます。


チェーンクリーナーをウエスに取り


ドライブチェーンをしごき、汚れを拭き取ります。


汚れやチェーンクリーナーの余分までしっかりと拭き取れたら

チェーンルブをローラーごとに注油していきます。

注油する場所は、ローラーとプレートの隙間や

シールリングのあるプレートとプレートの隙間です。

この時、ローラーを指で回し

動き具合を確認しながら注油すると良いです。


チェーンルブの余分もしっかりと拭き取り

メンテナンス作業終了です。

作業時にローラーが固着してまったく回らないとか、

リンクが固まっていて動かせないという場合、

ドライブチェーンの使用限度に達しているかもしれません。


自身で判断できない人は

プロに見せて確認してもらいましょう。

メンテナンスの手順

  • 実際の交換例とオススメ!

・高品位だから可能なコンバート

僕はZ2を所有しています。

純正のドライブチェーンは630サイズです。

このサイズは、リンクピンの本数を減らすことで

耐久性を高めるというアイデアから生まれたものだと聞いています。


しかしながら、サイズの大きさは重さにつながり

回転体が重くなればフリクションの増大になります。

駆動系全体への負荷も大きいです。


現代のドライブチェーンは、部材単体はもちろん

その加工技術やシールリングも進化しています。

僕は年式の古いオートバイだからこそ

現代技術を活用して可能な限り負荷を減らしたい。

そんな考えをRKジャパンの市川仁さんに話したところ、

高品位なドライブチェーンならば、3ランク細くできるとのこと。


630から3ランクだと520サイズになります。

Z系のカスタムで、530サイズへのコンバートは

すっかりメジャーな方法となりましたが

520サイズと聞いて驚きました。


用意したドライブチェーンはGV520X-XW。

520サイズは他のバリエーションもありますが、

仁さん曰く、排気量対応や耐久性から

このドライブチェーンでなければ

520サイズへのコンバートは不可能とのことでした。


組み合わせるスプロケットは

ドライブがサンスターのスチール。


ドリブンはRKジャパンのH.C.Sプレミアムです。


チェーンラインを合わせるためのスペーサーや

ロックボルトも用意しました。

ノーマルとRKジャパンのスプロケット比べてみると

その厚みに歴然とした差がありました。


なお、僕のZ2では

スプロケットカバーの内側にある突起類が

ドライブスプロケットのロックボルトに当たってしまうため、

削り取る必要がありました。


その突起は、ドライブチェーンに

エンジンオイルを自動注油する機構の名残りで

シールチェーン車ではそもそも不要でした。


交換後の性能チェックでは

アクセルワークに対するピックアップの良さと

6000回転からのパワーデリバリーが良くなりました。

燃費はリッターあたり3km向上。

耐久性は2万5000km走ってほとんど伸び無し。

サーキット走行では加速性能が大幅に向上しました。


それらのデータが取れたところでさらにドライブチェーン交換。


現在はより高性能なGC520XUWRを装着しています。

チェーンサイズコンバート




人気のクォータースポーツにピッタリ

僕は少し前まで

YZF-R25を所有していました。

もし、オートバイは1台しか所有できないと制限されたら

何を選ぶだろうと考え抜いて購入しました。


日本の公道において、運動性能は必要にして十分。

燃費が良く税金等の経費も安い。

車体が軽いから消耗品の持ちも良い。

取り回しが良いから、狭い道やフラットダートへも

臆することなく入って行ける。

サーキットでは思う存分、全開走行を楽しめる。

そんな万能選手がYZF-R25だと思います。


実は数年前、仁さんより

こんな話を打ち明けられました。

現行4スト250ccスポーツ用の

新型ドライブチェーンを開発している。


そして、そのテストを手伝ってもらえないか?というお誘い。

僕にとっては大変名誉なことで、もちろん快諾。

その後、仁さんと一緒に製品化に向けてのテストをこなしました。

これは俗にいう製品評価という仕事で、

僕にとっては、これまでに数多く経験、実績を重ねてきた事。


その内容を詳しく語ることはできませんが、

おおよそのユーザーはやらないであろう過酷な走行実験が欠かせず、

想定外が想定外でないというあんばいで、

表現が適切ではないかもしれませんが

テスト品をいじめていじめて、いじめ抜きました。


RKジャパンの指定距離(運用時間)まで使い切ったテスト品とレポートを提出、

その数か月後にデビューしたのがGC520MRUです。


製品のパッケージを目にした時、

それまでの過酷なテストが報われたような気がして

一筋の涙がこぼれました。


現行4ストクォータースポーツ車に的を絞ったことで

従来では考えられないほど高品位に仕上がったGC520MRU。


僕がYZF-R25に装着した時のデータでは、

極低速からパワーが盛り上がり始める7000回転までの間にある

緩く吹け上がっていく回転領域でのピックアップがシャープになり

全体的な吹け上がりもリニアかつクイック。


3000回転から6000回転あたりでの

使い勝手が向上した感じで、

燃費はリッターあたり3km向上。


それでありながら、リーズナブルな価格設定を実現できたのは

RKジャパンの企業努力だと思っています。

同カテゴリーバイクのユーザーで

次のドライブチェーンで迷っているとしたら

候補の一つに加えていただきたいと思います。

現行4スト250cccスポーツにピッタリ

制作・協力

KAZU中西

バイクの窓口事務局

関連記事一覧バイクの窓口アイコン

  • バイクを売る
  • レンタルバイク
  • バイクを直す