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Z2に乗りながら試した用品ケミカル最新事情
- バイクのメンテ記事
- 2022.07.29
【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】vol.155。2022年上半期に試した用品やメンテナンスケミカル類を紹介します!
車両そのものも然りですが、バイクと関連用品の進化は日進月歩と言えます。例えば、過去40年を振り返っても、エンジンオイルやタイヤは大幅に進化していると思います。ライディングギアやメンテナンスケミカルにも、同様のことが言えますね。よって、情報更新も必須なのですが、僕の同業者であっても昔の知識で語っている記事がまだまだ多いように思います。時代は令和4年です。もう昭和ではない。僕はいわゆるオールドバイクこそ乗っていますが、過去にとらわれない記事を書いていこうと思います。そんな僕とZ2の、2022年上半期に試した用品やメンテナンスケミカル類を紹介。
【目次】
1.点検・メンテナンスの重要さ
2.効率性・使いやすさにこだわった用品
3.現代技術が生んだ高品位バイクコーティング
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点検・メンテナンスの重要さ
2022年春の話になりますが、3年ぶりにモーターサイクルショーが開催されました。僕は大阪・東京・名古屋と足を運びました。大阪MCショーでは、応援くださるファンの皆様はもとより、新旧問わずの友人知人に声掛けいただき感謝。皆、久々の再会を喜んでいたように思います。
そんな大阪への移動手段はZ2でした。悲しいことに、行きも帰りも雨模様。特に滋賀県を通過するあたりは気温も低く、妙にタイヤが滑るなぁと思ったり…。家を出る時に運行前点検、残溝は十分だと確認した上で…の話です。
せっかく大阪まで来たのだから、少し足を延ばしてウエマツ関西(当時は関西明石店)へ。雨天の低温時にタイヤが滑る旨を伝え、岩田メカニックに点検してもらいました。「カズさん、このタイヤでは滑りますよ」「家を出る時は、しっかりと溝あったよ」「荷物の多さと連続走行距離の影響ですかね。特にリアは、交換した方が安心して帰れる状態です」まじか~!手痛い出費ですが、ダメになっていたら出先でもバンバン消耗品を替えるのが僕のバイク流儀。「もし在庫があれば、交換しちゃってください」
ウエマツ東京本社時代から、カズ兄のZ2をよくメンテナンスしてくれていた岩田メカニック。さすが!というか、あっという間にタイヤ交換を終えてしまいました。「丁度在庫があってよかったですよ。ついでにチェーンの弛み量も点検しておきました」感謝感激!
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旧車やレトロ系バイクの世界では、スタンダード的な位置づけにあるダンロップTT100GP。もっとハイグリップなタイヤはありますが、僕は高校時代から愛用しているTT100GPを気に入っています。ドライではコントロールしやすく、ウエットでは安心感のあるグリップ力。とはいえ、昔のTT100GPより今の方が、よりコントロールしやすくなっているように思います。コンパウンドとカーカスの構造が進化しているのかもしれません。また、耐摩耗性も向上しているように思います。
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効率性・使いやすさにこだわった用品
大阪MCショーの会場で購入、シュアラスター・ループパワーショットです。いわゆるガソリン添加剤で、燃費が良くなるのは過去に確認済みです。帰り道は必然的にロングドライブになるから、現時点における性能を試すのに好機。道中の4回給油中、効果を体感できたのは2回目の給油以降で、徐々にですが確実に燃費向上。最大でリッター2kmの向上は、さすが!の一言に尽きます。
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大阪MCショーで発表された南海部品の新製品、BA-510ライディングヒップバッグとSDG‐7055パンチングメッシュレザーグローブです。何を隠そう僕も南海部品のサポートライダーですが、ちょっと使用しただけでは性能や機能を知りえません。おおよそ3ヶ月に渡り、じっくりと試させていただきました。まずライディングヒップバッグは、ショルダーバッグやミニリュックバックとしても使える3WAY仕様。容量は7.8Lと大容量で、とにかくポケットが多い。大小合わせて9個装備しています。以前僕が使用してたBA-500ウエストバッグより大きく、スマホなど何かと手荷物の多い現代人にピッタリというところでしょう。昔懐かしのコインケースも標準装備していますが、ETC全盛の現代では活躍の場になかなか遭遇しません。とはいえ、小休止のドリンクタイムでは、財布を出さずに済みますから、意外に便利かもしれませんね。防水仕様ではないですが、専用レインカバーでしのげるでしょう。次にパンチングメッシュレザーグローブですが、とにかく装着しやすい。ナックルプロテクターの標準装備は今や当たり前だと思いますが、掌底パッドのクッションフィーリングが絶妙で、ロングドライブでも疲れにくいと思います。また、旧車やネオクラシックバイクに合うタンカラーに好印象。あまりにも気に入りすぎて、上半期はこればかり使っているように思います。
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現代技術が生んだ高品位バイクコーティング
2022年秋頃より本格稼働となる伊伝バイクコーティング事業部。伊伝鈑金部と併設、隣には伊伝日石車検センター(民間車検場)という、まさにカーケア&バイクメンテナンスにピッタリの環境でスタートすることになりました。現在は研究開発および本格稼働の準備期間となっており、僕はCeramic Pro for Motorcycle(Ceramic Pro Japan)の認定施工者として従事しています。
7年前に製作したカズ兄のZ2。完成当時は黒光りしていたエンジンも、すっかり色落ちしてしまいました。一般的に塗り直しをするには、エンジンを脱着しなければならないですが、今回は実験を兼ねてエンジンを載せたまま塗り直し。さらにセラミックプロ9Hの4層コーティングを計画しました。
エンジンの塗りたい部分を残して、それ以外はマスキング処理。鈑金部の塗装技術を用いて、耐熱ブラック塗装を施します。プロの塗装技術に感心しきりですが、乾燥工程の早さにも驚きました。
耐熱ブラック塗装の仕上がりを確認して、セラミックプロ9Hの4層コーティング施工に入ります。通常は手塗りの作業となりますが、今回はフィンの内側までコーティングしたかったので、専用のスプレーガンを併用しました。仕上がりはご覧の通りで、ウェッティで艶々のブラックエンジンとなりました。
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実験ですから、塗装してコーティングで終了…とはいきません。ロングドライブで性能検証します。某月某日、CeramicPro日本総代理店でありCeramicProJapan認定機関でもある大阪・堺のカーメイクアートプロに表敬訪問。高品位コーティングやレザーリペア、車内インテリアのリメイクなど、車の美にこだわる総合カーディティール店でもあります。カズ兄のZ2に施工したセラミックプロ9Hと耐熱ブラック塗装のエンジンをチェックしてもらいましたが、これは見事な仕上がり!と合格印をいただきました。その足で、僕がジャーナリストとして駆け出しの頃からお世話になっている大阪・貝塚のツキギレーシングへ表敬訪問。「嘘やん!エンジン下ろさずにここまで塗れるの?」と、月木社長にお褒めの言葉をいただきました。
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締め
昭和生まれの僕としては、今回のエンジン塗装術に驚き、自身も施工に携わったセラミックプロ9Hの艶と輝き、撥水効果に満足のいく仕上がりとなりました。また、同じく認定施工者でエンジン塗装を担当した勝又氏も、「耐熱耐久性の確認もできたし、これで伊伝バイクコーティング事業部を本格稼働しても大丈夫ですね」と納得の様子。ちなみに、Z2の外装は特に手直しせず、一緒に過ごしてきた7年間の思い出の証である退色もそのままに、セラミックプロ9Hの10層コーティングを施工。艶・輝き・撥水性能を高めているだけでなく、耐スクラッチ性能(塗装仕上げの金属製燃料タンクに有効)も与えてあります。現代技術が生んだ高品位バイクコーティング、購入したばかりの愛車を大切にしたい人はもちろん、愛車と共に歩んできた時の流れによる「ヤレ感」を保護したい人にも向いているように思います。
■ライター:KAZU中西
フリーランスのモータージャーナリスト。通称カズ兄さん。イベントMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)などタレント業でも活躍。
観察分析力に定評があり、開発に携わったバイク用品やカスタムパーツも多数。
一方では、二輪車の事故防止&安全利用の最前線に立つ『Mr.事故ゼロ』とも呼ばれている。愛車はスペシャルメイドのZ2他。趣味はプレジャーボートのクルージング