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ありそうでなかった新しいスポーツカテゴリー「aprilia_RS660」

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  • 2021.12.27

今回は「aprilia_RS660」をご紹介します!

最新の1000ccスーパースポーツは200馬力が当たり前。電子制御技術が大幅に進化して、ライダーを助けてくれるようになったとはいえ、一般公道でその大パワーを十分に発揮するのは容易ではない。


1速フルスロットルで簡単に速度制限を超えても誰も珍しがらない。レースで勝つという命題もありメーカーの威信をかけて最新技術を投入して作られた走りは確かに素晴らしいけれど、サーキットで走るなら別だが、あくまでも公道モデルとしては性能を持て余す人は少なくないと思う。


1000ccスーパースポーツまでは必要ないが、最新の運動性能を持つ、もっと使える範囲が広いスポーツモデルを欲しているライダーは多いはず。

  • 最先端のテクノロジーとスタイルを実現!

事実として、昔から、600ccから750ccくらいの排気量モデルのパワーとコンパクトで軽い車体が公道ではちょうどいいと言われてきた。


だから、4気筒より確実に軽い659 cc2気筒エンジンにスーパースポーツらしい成り立ち、スタイル、装備をしたaprilia RS660の登場を「待ってました!」と大きな声で言いたくなる。



使われている4ストローク水冷並列2気筒エンジンは、このレイアウトのトレンドともいえる270°クランクで、apriliaの旗艦スポーツ、RSV4より短い1370mmのホイールベース。乾燥重量169kg、装備重量でも183kg。最高出力は100HPで、最大トルクは67.0 Nmと、軽くコンパクトでほどよいパワーなのがスペックからも想像がつく。


それでいて、現代の1000ccスーパースポーツと近いレベルの電子制御技術も使われていても139万7千円のプライスタグだ。1000ccスーパースポーツだと250万円オーバーが当たり前になっているけれど、RS660はその半額に近い。


無理なく届くハンドルグリップ位置は一般的なスーパースポーツほど低くはない。近年主流の楽に乗れるアップハンドルのネオレトロモデルに慣れていたら、そこそこな前傾姿勢だと最初は思うかも。されどすぐに慣れてしまうレベル。


ステップ位置がそれほど後退してなくて、身長170cmで膝の曲がりはだいたい90°くらいだから窮屈な感想にはならない。ちょっと腕を伸ばして状態を起こせば楽な姿勢がとれるし、気合を入れて上体をふせたスポーティーな姿勢も無理なくできる。820mmのシート高は両足先の力が入れられるところまで届いた。

  • 試乗インプレッション


走り出してすぐにコンパクトさと軽さを実感できた。ステップワークに機敏に反応して動く。自由自在に動く軽快性がおもしろくて顔がにやけてしまった。


ブレーキから、コーナーリング、加速といろんなところで軽さのメリットを感じられる。前後のクッションユニットは最高グレードではないけれど(車両価格を考えれば当然だ)、バイクの軽さもあって足まわりは十分に機能して、フットワークはなんともクイック。


乗り心地もスパルタンな見た目からイメージするより良いと言える。


フロントタイヤがどうグリップしているかがわかりやすく、動作にメリハリがあって、スパッとリーンして素早く向きが変わるハンドリングは、スポーツライディング好きの心を射止めるだろう。


うれしいクイックシフト(AQS)もある。


5種類あるライディングモードの内訳は、ストリート用に3モード、サーキット用に2モード。ストリート用はコミュート、ダイナミックとユーザー設定ができるインディビデュアル。6軸IMUを使ったAPRC(Aprilia Peformance Ride Control)を装備して、ライディングモードにより、エンジン特性だけでなく、トラコンやABSも変わってくる。


決められた試乗時間内で試したのはコミュートとダイナミック。コミュートモードでは低回転域からビート感とともに押し出すようなトルクを、それもギクシャクさせることなく使えるのがいい。


スロットル操作に対する反応に角がなくて使いやすい。高回転域まで回してもおののくことはない。


思い切って強いブレーキを使うとABSは早めに介入するが邪魔をするようなものではなく、それはトラクションコントロールも同じこと。このモードだとビギナーやそれに近い人でも問題なくRS660の切れ味のある走りを楽しめる。


ダイナミックモードにすると、明らかにシャキシャキとしたリニアなレスポンスで元気さが増して、高回転での加速の伸びが気持ちいい。


やっぱり100HPのパワーが絶妙で、もどかしくない速さながら、スロットルを大きく開けて使うことを躊躇させない。乗る前からこれはきっとご機嫌な走りを味わえると踏んでいた予想は間違いじゃなかった。


この手の内に収まる感じ、コントロールしている痛快さがたまらない。場所も時間も限定的なこの試乗では深く知るには物足りなかった。もっと長時間付き合って深く掘り下げ、ポテンシャルを試してみたいという好奇心がおさまらず。


ヤマハからMT-07の689cc並列2気筒を使ったスーパースポーツ、YZF-R7が欧州で発売されたが、まさにこのRS660と同じコンセプトである。


この、ありそうでなかった新しいスポーツカテゴリーは、盛り上がりそうな予感がする。いや、盛り上がって欲しい。

  • 装備・車両詳細


倒立フロントフォークはインナーチューブ径41mmのKYB製。リバウンド減衰とプリロードの調整が可能となっている。


前輪のホイールトラベルは120mm。フロントブレーキは320mmのローターを2枚使ったダブルディスクで、4ポッドブレンボキャリパー(ピストン径32mm)をラジアルマウントして組み合わせている。


アルミのキャストホイールは3.5J✕17。コーナーリングABSは、横方向の加速度、フロントブレーキレバーにかかる圧力、リーンアングル、ピッチとヨーといった車体の動きをセンサリングして独自のアルゴリズムにより、コーナリング時のブレーキとABSの介入を最適化する。



270度クランクの水冷4ストローク並列2気筒DOHC 4バルブ659 ccエンジンは、前後長が短くとてもコンパクトだ。φ48 mm ツインスロットルボディをライドバイワイヤで制御する。


エアクリーナーはエンジンヘッドの上にある。6段変速で、湿式多板クラッチは機械式スリッパ―システム付。


APRC(Aprilia Peformance Ride Control)には、トラクションコントロール、ウィリーコントロール、クルーズコントロール、クイックシフト、エンジンブレーキ制御、エンジン出力の特性を変更できるエンジンマップといった機能が含まれる。


リアホイールのサイズは5.5J✕17。三角形の中からパイプが出るおもしろい造形をしたマフラーを避けるように、への字形状をしたスイングアームはアルミ製。リアのホイールトラベルは130mm。リアサスペンションはモノショックをレイダウン装着したリンクレス。


リバウンド減衰、プリロード調整ができる。リアブレーキは220mm径ディスク+ブレンボ製 34 mm 2 ピストンキャリパー。

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