他カテゴリ記事を絞り込んで探す
【BENELI TNT249S】イタリアが作ると250ccネイキッドはこうなる
- 最新ニュース
- 2021.07.09
ベネリは約110年前に誕生したイタリアメーカーの中でも指折りの古く歴史を重ねてきたブランド。
一時期日本の市場から姿を消していたけれど、2020年の秋に正規輸入が発表され、我々の前に姿を現して。
現在手に入るラインナップの中でもっともスポーティーなモデルなのが、このTNT249S。
水冷4ストロークパラツインエンジンを積んでモダンなスタイルをしたネイキッドモデル。
-
2021年に正規輸入が復活!
TNT249Sを目の前にして最初に感じた印象は、250ccクラスの車輌としては、堂々としたサイズだというところ。
実際にスペックとして、ホイールベースは1410mm。これはホンダのCB400 SUPER FOURやカワサキのNinja650/Z650と同じになる。
これで大きさをイメージしやすいと思う。それでも排気量に対して大きすぎる印象はまったくない。
シートに腰をおろしてハンドルグリップに手を伸ばすと、車体は細身で、有機的な膨らみのある燃料タンクはライダーに向かった絞られた形状で体にフィットして一体感がある。
ペグの位置は低すぎず高すぎず、身長170cmの私では膝のが曲がりに余裕があって、やや前傾する上半身と合わせて自由度が大きく窮屈な感じがまったくない。
カラー液晶を使ったメーターやテーパーハンドルバーなどの装備も含めてオートバイとしての見劣りしないプレゼンスもあり、“ちょうどいい”と感じられるサイズ。それでいてシート高は795mmと、私の身長ではもう少しで両足のかかとまで届く良好と言える足着き。
-
試乗インプレッション
フューエルインジェクションのパラツインエンジンは61.0×42.7mmとショートストロークのDOHCで各気筒4バルブ。
並んだ2つのピストンが同時に上下する360度クランクというのがおもしろいところ。走らせてみると、同排気量クラスのパラツインエンジンと違った低音が下から響くビートのきいた排気音が特徴で、最高出力が出る1万1000回転までスムーズに回り、気になる振動がほとんど感じられないところが古の360度クランクパラツインエンジンと違うところ。
低回転域からちゃんとトルクがあって、トルクの出方はあくまでもフラット。高回転に入ると加速が増していくけれど、唐突なところがまったくなくなだらかにつながっていく。
鋭いレスポンスでトルクがついてくるというより、角がなくスムーズに転がるように加速する。これは悪いところではなく、幅広いレベルのライダーが違和感なく乗りやすいと感じられるもの。
高いギアを選択して、低い回転数で流して走滑るように進んで、右手の動きに対してセンシティブなところが出てこない。
アグレッシブな見た目とは裏腹に乗り味はとても優しい。
トルクの味付けと良い意味でのゆるさのおかげで、市街地や、タイトなワインディングなど加減速が多くなる場面やUターンなどでも神経質にならなくていい。
それでいて回すと適度にスポーティーだ。ベテランライダーなら、回転を落としすぎない速度の高いラインを選んで走ると楽しいと思う。
260mmのペータルディスクをダブルで使っているフロントブレーキは効きもタッチもスポーツバイクと呼べる水準のもので、トレリスフレームに倒立フォークとリンクレスシングルショックのクッションユニットを使ったハンドリングは、ネガティブなところが見当たらない。
120/70ZR17、160/60ZR17サイズの前後タイヤと路面とのコンタクトを常に感じられて、スピードをのせたコーナーリングもしっかりこなせる。
動きにクセがなく深いリーンアングルに持ち込んでも安心している。各部がきっちり働いてトリッキーなところもない。よくいわれるエンジンパワーに対してシャシーが勝っているパターンだ。
その車格ゆえに車両整備重量204kgで軽い方ではないのは確かだが、走っている限りコントローラブルでそれを強く意識させる場面は少なかった。
250ccはそれを超える排気量クラスよりお手軽に乗れることでエントリーユーザーやリターンライダーが多い。そういったライダーにもベネリTNT249Sは抵抗感なく乗れてオススメできる。個性がありながら強すぎない。
-
装備・車両詳細
φ260mmのペータルディスクをダブルで使ったフロントブレーキのキャリパーには“Benelli”の文字が入っている。
ABSは標準。倒立フロントフォークのインナーチューブ径はφ41mm。17インチ外径のキャストホイールはスポークが細い今風のデザインだ。ホイールトラベルは135mm。
パイプを2本曲げてへの字にしているスイングアームとトレリスフレーム、リアサスペンションのレイアウトは、少し前のカワサキにあったモデルを彷彿とさせる。
リアブレーキもペータルディスクで外径はφ240mm。ショートマフラーやシンプルなテールなど最近のトレンド。
360度クランクの自社製水冷DOHC8バルブパラツインエンジン。最高出力は1万1000回転で22kw(約30PS)を発揮。最大トルクは9000 回転で21.0Nm。電子制御燃料噴射装置を装備する。点火方式はトランジスタ(TLI)。変速は6段。ヘッドライトにはLEDを採用。トレリスフレームはスリム。燃料タンク容量は16L。燃費(WMTCモード)=30.3km/Lのスペックを考慮すると距離を走るツーリングでも困ることはないだろう。
■試乗・文:濱矢文夫 ■写真:渕本智信

