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【Bimota KB4】カワサキモータースジャパンが、Bimota KB4の日本総輸入元に。

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  • 2022.01.17

今回は「Bimota KB4」をご紹介します!

EICMA=ミラノショーに登場して話題となったbimota KB4が日本国内でも発売されることになった。

 

カワサキモータースグループがbimotaへの出資を発表したのは2019年で、協力が具体的にカタチとなったのは昨年お目見えしたTESI H2が最初だった。

 

このKB4は、その次となる機種だ。bimotaの歴史の中でカワサキエンジンのオリジナルマシンでは4機種目。kawasaki・bimota・4番目を略してKB4。

  • キーワードは独創的・上質・究極の機能性

Z1から発展したZ900、Z1000の空冷直列4気筒2バルブエンジンを使ったKB1。Z500やZ400GPといったミドルクラスの空冷直列4気筒エンジンのKB2。そして、Z1000Jのエンジンを搭載したKB3。ここまでは70年代後半から80年代前半に発売されたものだから、かなり久しぶりに登場した続きナンバーとなる。これらは独立したシリーズなのでKBシリーズに入っていない。

 

開発のキワードは3つ。

 

1つ目は“Exclusive(独創的)”──他にはない独創的な外観を持ちながら、ひと目で「Bimota」と、「KB4」と分かるルックス。デザインからスタートしたのではなく、目標としたテクニカルなところから始め、パッケージングをして、最後にデザインを決めたそうだ。

 

2つ目は“High Quality(上質)”──KB4は細部に至るまで徹底して品質にこだわった。手作業での塗装、アルミ削り出しやカーボ ンファイバー製の部品、本革シートなど、高品質を追求。

 

そして3つ目が“Extreme Function(追求した性能)”──非常に軽快なハンドリングにするため、実質的な軽量化だけでなく、質量を感じさせない車体の作り込みをした。結果、コンパクトでKB4独自の俊敏なハンドリングを実現。

 

 

搭載されるエンジンは、Ninja1000SXのカワサキ製1043cc水冷4ストローク並列4気筒。bimota独自の仕様ではなく、エキゾーストマフラーも含めてスタンダードから変更はない。

 

6軸IMU(慣性計測装置)を使った高度な電子制御関連もそのまま。そのエンジンを強度メンバーとして積極的に使い、フロントの足周りは、簡単なトレリスフレームに取り付けられ、スイングアームピボットは、エンジン後端に取り付けられたアルミ製サブフレームが担当する。

 

ホイールベースを短縮することと、ねらった重量配分にする目的で、ラジエターをテールの下側に設置したことが興味深いところだ。

 

フロント左右にある開口部から空気を取り入れ、外装と一体になったダクトを通して、後方ラジエターに冷却風を導く仕組みで、そのカーボンでできた外装がシートレールの役割も担う。

 

 

過去のKBシリーズをオマージュしたようなレトロな雰囲気も持つ斬新なスタイリングと機構からは、いかにもbimotaらしいおもしろさを感じさせる。ホイールベースは1390mm。

 

現在、bimotaのCOO(最高執行責任者)はテージの生みの親、ピエルルイジ・マルコーニ氏。彼がKB4で目指したのは、車体をできるかぎりコンパクトにして1000ccのパワーがありながら600cc並の操作フィーリング。

  • 国内販売はいつか?

 

気になるのは、いったいどこでいつ買えるのかということ。国内導入の発表と同時に、このKB4から、カワサキ車の国内販売を担当しているカワサキモータースジャパンがbimotaの日本総輸入元になったと知らされた。それでKB4は、カワサキの正規ディーラーであるプラザ店で買えるのである。bimota正規取扱店となったプラザ店は49店舗。これまでbimotaの正規輸入をしていたモトコルセも取扱店に加わり、国内では合計50店舗で。販売台数は200台で、車両価格は税込みで437万8000円だ。

 

 

 現在、新型コロナウイルス感染症の影響でサプライヤーからの部品調達が厳しく、生産が遅れており200台がまとめて日本に入ってくることはないそうだ。最初は2022年の3月の入荷予定で台数は限られる。そこで初期入荷分に関しては商談する権利は抽選となった。

 

購入までの流れは、入荷数に応じて抽選に参加し、当選して商談権を得た人が正規取扱店から購入できるチャンスが得られ、商談成立すればその手にやってくる。カワサキモータースジャパンを通じて車両を買えるメリットは、2年のメーカー保証がつくこと。純正部品もある程度ストックすると聞いた。このお墨付きがあると安心できて、購入したい気持ちの後押しになる。

 

 

 

カワサキと親密な関係になったbimotaだが、カワサキは完成エンジンを出荷するだけで、このKB4開発にカワサキスタッフはいっさいタッチしていない。日本でお披露目された車両を目にすると、いったいどういう走りをするのか、どういうライディング体験させてくれるのかと想像して期待は膨らむ。

 

 

 

  • 装備・車両詳細

 

 

エンジンを強度メンバーとして積極的に使う。フロント足周りなどを懸架するのは、エンジン上部にセットしたクロムモリブデン鋼(25CrMo4)を使ったコンパクトな赤いトレリスフレーム。フレームビルダーから発展したメーカーとして、これまでもシャシーにオリジナリティあふれる多くのトライをしてきたbimotaらしさを感じさせる。

 

 

KB4を個性的にしている大きな要素が、エンジンの前ではなくテールカウル裏側に取り付けられたラジエターだ。フェアリング左右の開口部から空気取り入れ、走行風に圧力をかけながらシート後方のラジエターへと導かれるしくみ。一般的にサイドカバーがある部分は取り込んだ空気が通るダクト形状。フロントからラジエターがなくなることで、エンジン搭載位置の自由度が高まり理想としたフロント53.6%、・リア46.4%の前後重量配分を達成できたと説明された。これと、シャシーを必要最低限にして前後をつめたことにより、ロングスイングアームを採用しながら1390mmの短いホイールベースを実現できたそうだ。

 

エンジンの後端にスイングアームをマウントするアルミ合金(Anticorodal 6082)のシンプルなサブフレームが取り付けられる。スイングアームも同じAnticorodalのアルミ合金製で、美しく削り出された3つのパーツで構成されたもの。その3つのパーツは溶接され、高次元でバランスされたねじれ剛性を実現したという。スイングアームの長さは555mm。ボトムリンク式のリアサスペンションは、ショックユニット上部がフレームと接続しない構造。リアサスペンションのアッパーマウント部(写真左)は偏芯機構になっており、これを調整すれば810mmのシート高から+/−8mmの変更ができるようになっている。

 

 

フォークのアンダーブラケット&トップブリッジはアルミ合金からの削り出し。フルアジャスタブルフロントフォークはオーリンズ製FG R&T 43 NIX30。フロントのホイールトラベルは130mm。リアのホイールトラベルは122mm。フロントブレーキはφ320mmディスクを2枚に、ブレンボ製ラジアルマウントキャリパーをセット。ホイールは鍛造されたOZ製を採用。履いているタイヤはピレリ製スーパーコルサEVO。今回展示された車両にはEKチェーンを使っていた。ドライブ15T、ドリブン41Tのスプロケットで二次減速比は2.733。

 

レトロな雰囲気を作っている丸いヘッドランプとフェアリングの造形。タンに赤ステッチのシート表皮には、“VERA PELLE”とイタリア植物なめし本革組合による品質保証のマークが入る。シート高は810mmとそれほど高くない。シングルシートの中にはラジエターがあり中央にラジエターキャップが水平にある。別体のシートレールはなく、外装、ダクトを兼ねたカーボン構造体がその役割をする。

■解説:濱矢文夫 

 

■写真提供:カワサキモータースジャパン

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