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【速報】 ホンダ CBR1000RR-R 報道撮影会レポート!(技術解説編)
- 最新ニュース
- 2019.12.17
鈴鹿サーキットで行われた「Honda CBR1000RR-R 報道撮影会」のレポート!今回は技術解説編です。
鈴鹿サーキットにおいて「Honda CBR1000RR-R 報道撮影会」が行われましたので参加しました。
この日は新型車の各タイプとCBR歴代車が撮影用に用意され、さらに個別に開発者にお話しを聞く時間がありました。
今回のレポートでは、新型車の写真で「技術解説」をします!
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レーストラックに走りのフィールドを移したCBR1000RR-R
1992年のスーパースポーツモデルCBR900RR が掲げた「Total Control 操る楽しみの最大化」をテーマに、歴代のCBRシリーズは「ワインディングでのファンライディング」を追求し、多くのライダーを魅了してきました。
11月のミラノショー2019でワールドプレミアされた新型 CBR1000RR-R (アールアールアール)は、従来モデルから進化した性能を存分に引き出すべく、走りのフィールドを「レーストラック」に移して開発が行われました。
新型車は開発のねらいを「"Total Control" for the Track トラックで本領を発揮するマシン」とし、さらに進化した性能をレーストラックで存分に引き出すための新たな価値を提供。
MotoGPワークスマシンのRC213Vで培われた技術を取り込んだCBR1000RR-Rは、プロダクションレースのベースマシンとしての使用を前提に、様々なレギュレーションに対応しています。
撮影用に用意された車両を紹介します!(全て「欧州仕様」です)
Honda CBR1000RR-R FIREBLADE SP (以下、SP)。グランプリレッド(トリコロール)。
RR-RのカラーリングのひとつにはHondaワークスマシンの基本カラーであるトリコロールを採用。
Honda CBR1000RR-R FIREBLADE (以下、スタンダード(STD))
今回からSTDもSPと同様のカラーリングに。SPとのカラーの違いは、フロントサスペンションのアッパー部がゴールドからブラックに。
さらに、SPのみに貼られたアッパーカウルの「車名ロゴ」がSTDとの違いです。
STDともに精悍な印象の「マットパールモリオンブラック(ブラック)」を用意。
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デザイン、多彩な装備にも注目!
デザインで目立つのが、カウリング左右の「ウイングレット」!トラックでの速度域において効果的なダウンフォースを発生し、加速時のフロントリフト抑制とブレーキング時の車体姿勢の安定化に大きく寄与しています。
また、アッパーカウル先端に「ラムエアダクト」を設け、安定した高いラム圧を得られるシステムを実現。
多彩な装備にも要注目です!
(右上から時計回りに)
・スロットルバイワイヤ採用でリニアな出力特性と「ライディングモード」が搭載可能に。
・チタン製マフラーはAKRAPOVIC(アクラポヴィッチ)と共同開発。従来モデル比で軽量化と38%の容量削減をし、マス集中化に寄与。
・タイヤはブリヂストンとピレリのいずれかを装着(写真はピレリ)。
・SPはクイックシフター標準装備。
SPとSTDの主な違いは「サスペンションとブレーキ」。
(右上から時計回りに)
・SPはフロントにオーリンズ製サスペンションとブレンボ製ブレーキを採用。
・STDはショーワ製サスペンションとニッシン製ブレーキ。
・リヤブレーキはSP、STDともにブレンボ製。
・SPは、オーリンズ製リアサスペンション(STDはショーワ製)。リアサスペンション上側はブラケットを介してエンジンブロック後部に締結。
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一番の注目点は「パワーユニット」!
そして、CBR1000RR-Rの一番の注目点は「パワーユニット」!
この日は新設計の水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒999ccエンジンと吸排気システムのカットモデルを展示して各部をアピール!
パワーユニットのねらいは「最高出力160kW/14,500rpm」と「完成車パッケージへの寄与」。
最高出力は「160kW=217.5ps」を実現!
(右上から時計回りに)
・フィンガーフォロワーロッカーアームを採用し、従来モデル比で約75%のバルブ系慣性重量に低減し高回転化に寄与。カム/タペットシムはDLC(Diamond-like Carbon)コーティング処理でブラックになっています。
・ピストンのボア×ストロークはMotoGPマシンのRC213Vと共通に。軽量なチタンコンロッド採用。
・エンジン始動はクラッチメインシャフト駆動により、コンパクトな配置に。
・カムチェーン式をベースにしたセミカムギアトレインシステム。カムチェーン長を短縮し高回転化と高カムリフト化。
この日はエンジン始動のみが可能でしたが、アクセルを軽くあおると鋭いレスポンスと素晴らしい排気音により、気分がかなり盛り上がりました!
次回は電子制御関係の説明と、開発者インタビューをレポートします!
EICMA 2019 (ミラノショー)出展概要 ニュースリリース
(取材協力)
本田技研工業株式会社
株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
(写真・文)
森井智之