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ホンダ 世界耐久選手権 F.C.C. TSR Honda France 取材会 レポート!
- 最新ニュース
- 2020.12.01
2020年11月7日(土)に、Honda 青山本社ビルで行われた「ホンダ 世界耐久選手権 F.C.C. TSR Honda France」の取材会レポートです!
2020年11月7日(土)に、Honda 青山本社ビルで行われた世界耐久選手権(EWC)参戦チーム「F.C.C. TSR Honda France (以下、TSR)」の 取材会。
2019-2020 FIM EWC 第3戦ル・マン24時間で2度目の優勝を果たし、今シーズンの参戦を終えたTSRの藤井正和監督が、メディア向けに今期の様子を語りました。
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史上初の無観客レースを振り返る
EWC 2019-2020 シーズンは、2019年9月のボルドール24時間耐久レース(フランス)で開幕。12月の第2戦 セパン8時間耐久レース(マレーシア)まで従来モデルのCBR1000RRで戦いました。
ボルドールはエンジブローでリタイヤ、セパンは残り1時間で転倒し、その後の追い上げで13位でフィニッシュという結果。この時点でのチームポイントランキングは12位となりました。
年が明けて第3戦のル・マン24時間耐久レースは当初、2020年4月開催の予定でした。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、第3戦ル・マン24時間耐久レースは、4月から8月に延期して開催。このレースは史上初の無観客で、藤井監督はレースが出来た喜びと感動とともに、歓声がないさみしさを感じましたと語りました。
チームは、このレースからマシンを新型CBR1000RR-R FIREBLADE SPにチェンジする決断をしています。
シーズン途中での変更には実績のないバイクに対する懸念もあったそうですが、パワーがあるエンジンと制御系アップデートのアドバンテージにより新型を選択したと説明。
今シーズンのEWCは、ここまで降雨の影響で荒れたレースになり、ル・マンも同様の展開となりましたが、チームはトラブルを乗り切り、トップでフィニッシュ!
新型CBR1000RR-R FIREBLADE SPの世界選手権での初優勝を達成し、チームランキングは2位に浮上。
今シーズンもEWCのレースをBS日テレがダイジェスト版で放映しましたので視聴した方も多いと思いますが、耐久レースの醍醐味はスプリントレースと違い、転倒が多発し修理のためにピットインして多くが復帰するという、スリリングな展開が毎回、興味深いです。
チームはル・マンで2回目の優勝。その栄誉がトロフィーに刻印されました。
最終戦のエストリル12時間レースが9月に開催。ル・マン後にエンジン交換の影響もあり準備が進まないなか、ここで2位に入り総合ランキング3位でシーズンを終えました。
例年であれば7月に行われる鈴鹿8時間耐久レースが最終戦になりますが、コロナ禍の影響で中止となりました。
藤井監督は今年、日本とスペインのバルセロナにあるチーム拠点を行き来して見てきた、ヨーロッパの状況を語りました。レース開催を行った現地の厳しい様子を伝えつつ、今シーズンの特異な状況を踏まえても鈴鹿でのレースは開催して欲しかったと訴え、現場の声を代弁。来季のレースがどうなるか予断を許さない状況ではありますが、どのような形でもよいので開催する可能性に期待したいと語りました。
ところで会見で来シーズンの話題が出たところで会見場に、先程まで全日本ロードレース選手権ST1000クラスに参戦しチャンピオンを獲得した高橋裕紀選手が登場!
全日本ロードレース選手権ST1000クラス取材会。
https://www.moto-auc.com/report/news/st1000
今回はTSRのチームシャツを着替えて藤井監督の隣に立ち、この場で来季はTSRに加入してEWCに参戦すると発表されました!
高橋選手は、これまで参戦した様々な世界選手権のジャンルを問わず、世界チャンピオンの称号を獲得したいと思ってきたと語り、このチームにはその可能性があると感じていると抱負を述べました。
全日本ロードレース選手権はどうなるか?との質問が飛び、急遽、日本郵便 Honda Dream TP」の手島雄介監督も登場。来季レースカレンダーの関係で明言はしませんでしたが、ダブルエントリーへの期待が高まります!
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Honda CBR1000RR-R FIREBLADE SP
ホンダ CB1000RR-R FIREBLADE SP EWC仕様。
外観はベースモデルから逸脱出来ませんが、サスペンション、スイングアーム、ブレーキ、ラジエーター、エキゾースト等は改良が可能。
この日はカウルのみが実際のレースで使用したもので、その他はレース車と同じ仕様で組んだ車両を展示。
今シーズンは新型のバイクを使用するに当たり、新型コロナウイルス感染症の影響もあって開幕前にテストが出来ない状況が続きました。
テストが出来ないなか、国内開発のサスペンションやブレーキは、全日本ロードレース選手権でTSRのパーツを使用するチームが多いことから、そのデータを活用出来ました。
ゼッケンは、今年のランキングが3位だったことから、来期は「3」の選択も可能なところですが、最近の世界選手権は固定ナンバーを使用する傾向もあり、要望により来期も「5」を使用。
全日本ロードレース選手権 ST1000クラス仕様車と各部の違いが興味深いです。
耐久仕様ならではの「クイックタイヤ交換システム」を装着。
エンジンパフォーマンスの向上も可能。
来季ライダーは高橋選手と、ジョシュ・フック選手とマイク・ディ・メリオ選手の2人が継続して参戦。
Honda CBR1000RR-R FIREBLADE SP
(取材協力)
本田技研工業株式会社
(写真・文)
森井智之