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【Kawasaki MEGURO K3】名門ブランドの復活だけじゃない、 MEGURO K3の面白さ。

  • 最新ニュース
  • 2021.06.10

今回は​カワサキW800をベースにした「MEGURO K3」をご紹介します!

カワサキW800をベースにしたMEGURO K3で伝説のメグロブランドが復活した。そう言われても若いライダーはピンとこないかも。目黒製作所というバイクメーカーが56年前まであった。それがなぜ、カワサキから? カワサキ(当時は川崎航空機工業)と目黒製作所は1960年に提携を結んで、1964年にカワサキがメグロを吸収してブランドは消滅している。だが、メグロの精神は完全に消えたのではなくカワサキと混ざりあった。

  • 試乗インプレッション

メグロKスタミナを改良したカワサキ500メグロK2を基にして初代W、650W1が誕生している。メグロをベースにカワサキWが生まれ、そして今、カワサキWをベースにメグロが誕生したのである。MEGURO K3の名になったのはカワサキ500メグロK2に続くメグロだからだ。車体の構成はW800と同じ、いわゆるバッジエンジニアリングだけど、ふたつのメーカーの縁を思うと、そう簡単に片付けられないおごそかさがある。


幅の広いハンドルバーにつかまる腕は、大木に抱きついているみたいな格好。風に向かって両手を開く腕の間から、カワサキ得意の銀鏡塗装をほどこした燃料タンクが光を反射している。クラシックテイストだけど、単純なリバイバルではないおもしろさ。昔のOHVではなくベベルギアを使ってカムシャフトを駆動する見た目にもこだわった空冷SOHC4バルブバーチカルツインエンジンは、低回転トルクがしっかりあって、トップ5速に入れたままアイドル付近の回転数でも息切れをおこさずゆっくりでも走れてしまう。


そこからスロットルを開けてもゆるやかながら加速。4速、5速の許容範囲が広いので、渋滞がないかぎりこの2つのギアで足りてしまう。3千回転以上になると、不快とまでならいけれど体に伝わる振動が確実に大きくなるから3千回転以下の世界で走るほうが心地よい。というか急加速が必要な場面以外は3千回転以上にしなくていいくらいだ。急く気持ちはなえ、ゆったりとしたクルージング。いつもより周りの景色が目に飛び込んで、走り抜ける魅力の根源を再確認させてくれる。


白いパイピングが施されたシートは、前席と後席の間に段があり、座る場所のめあすになる。身長170cmの私の好みは、段差にお尻が当たって少しだけ前に出た位置で、コーナーリングしやすく、ハンドルを目一杯切るのもさしつかえがない。その時の膝は90°より少し角度がついたくらいだから窮屈さはない。19インチの前輪は低速でもハンドルの切れ込みは強くなく、速度に見合ったセルフステアが入るクセのない素直なフィーリング。


前後のサスペンションがちゃんと機能して、高性能ではないながら走りに古くさいところなどない。本質はモダンだ。フロントタイヤの仕事と、リアタイヤの仕事のバランスが良く誰もが制御しやすく感じられる乗り味。それほど深くないバンク角をフルに使わなくても程よくスポーティーで、端切れの良い排気音に包まれながら連続するカーブを走り抜けていくと心が躍った。


オートバイは移動をする手段なだけでなく、その間に2輪で路面をとらえて進むのを操る醍醐味が楽しい乗り物。加えて重要なのが、自分のライフスタイルを表現するモノであること。バックグラウンドにある歴史、漆黒と光で構成された各部の重厚で繊細な質感からなる本物感がそこを満たしてくれるだろう。昔と今とのバランスが見事で所有欲をそそる。似たようなモデルはありそうで、実はない。昔からカワサキはこういうところが上手い。

ライダーの身長は170cm。

  • 装備・車両詳細

60年代のメグロK2スタミナも空冷バーチカルツインだったが、OHVで、プッシュロッドはシリンダーの中を通っていた。1998年に登場したカワサキW650、そしてW800は、クランクからバーチカルシャフトを回し、ベベルギアを使いカムシャフトを回すSOHC。W800シリーズとの違いは、カバーの朱色の丸いリング。アシスト&スリッパークラッチを採用することによって、クラッチレバー操作がとても軽い。


W800 STREETやCAFEで採用された18インチ外径ではなく、19インチのワイヤースポークのアルミリムホイール。ABSが装備されたフロントブレーキはφ320mmローターにトキコ製のピンスライド2ピストンキャリパーを組み合わせたシングルディスク。純正タイヤはダンロップK300GP。蛇腹ブーツに隠れたインナーチューブ径はφ41mm。補助ステーがついたクラシックスタイルの金属フェンダーを装着。


Ninja H2に使われて大きな話題となった銀鏡塗装を採用して、光を反射しながらクロームメッキとは違う深い質感。半世紀前に存在した昔のメグロはクロームメッキとブラックが多かったが、新たに誕生するメグロとして、デザイナーは予定調和を嫌いあえてそうせず、あえてコストと手間がかかる新しい方法を持ち込んだ。燃料タンクの容量は15L。ニーグリップしたときのホールド感がいいニーパッドは標準装備。


 ヘッドライトはブラックのボディにクロームメッキのリングという古めかしいコンビネーション。それでもヘッドライトは現代的なLEDで、明るさまでクラシックじゃない。フォークとことんブラック。ハンドルバーは広くても、適度なタレと、手前へのシボリがしっかりあって操作しやすい。色や形状はW800 STREETに採用されていたものと似ている。 ETCのアンテナがヘッドライト上の目立つところにあるのがスタイル的に残念だが安全にゲートを通るには致し方ないのか。


逆おむすび型をしたテールランプは、ご先祖様である往年のW1SAや650RSを連想させる形状だ。リアショック上部にブラックのカバーがついているところがW800と違うところ。カワサキを大きく主張するのはこのシートエンドのkawasaki文字のみ。タンクのエンブレムはもとより、メーター内、サイドカバーにはカタカナで“メグロ”と入り、kawasakiではない。写真ではわかりにくいけれど、後席の後端が少し反り上がっていて、後ろに座る人のホールド性に一役買っている。


リアホイールの外径は18インチ。クロームメッキされた2本出しのキャブトンタイプマフラーからは往年のWシリーズを思い出させる音を奏でる。ただ昔と違うのは音量が控えめになっているところ。2019年に復活した新生W800からリアブレーキがディスクになったのでそれも譲り受ける。ちなみにWシリーズ史上初となるリアディスクブレーキだ。ディスクローター径はφ270mm。リアショックはプリロード調節機能がある。センタースタンドは標準装備。


メグロエンブレムをい忠実に再現。昔のメグロは釉薬を入れて焼いたエナメルの質感が独特の七宝焼で作られていたけれど、新生MEGUROのエンブレムは七宝焼ではない。けれど、これも制作には手間がかかっている。アルミで本体のベースを作って、その中に注射器で塗料を入れて、最後にタンクの形状にあわせたラウンド形状にプレスしたもの。MW=メグロワークス。前モデルと言って良いのか、カワサキ500メグロK2のときは、中央は“MW”ではなく、カワサキのリバーマークになっていた。


左右のグラブバーに1箇所ずつ。リアショックトップ付近のフレームを補強している部分に左右1箇所、合計4箇所の荷掛けフックが付いているのは、ご存知の人は多いと思うがカワサキ伝統のこだわり。ちゃんとフックが外れにくいよう返しがあるのは嬉しい。独立したキーロック式ヘルメットホルダーも装備している。シート表皮はシボの質感にもこだわったそうだ。


基本はW800と同じメーターだけど、MEGURO用に独自のデザインが施されている。黒色酸化皮膜処理で通常された外側のリングはクロームメッキよりダークな雰囲気。スピードメーター内にある小さい液晶ウィンドウに表示されるのはオドメーター、トリップメーター、時計。切り替えながらどれか1項目を表示。タコメーター内のインジケーターランプは、ETC、FI警告、デュアルターンシグナル、燃料残量、ハイビーム、ニュートラル、油圧。液晶ウインドウの下に赤く“メグロ”と入っている。

●MEGURO K3 主要諸元

■型式:2BL-EJ800B ■エンジン種類:空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ ■総排気量:773cm3 ■ボア×ストローク:77.0×83.0mm ■圧縮比:8.1 ■最高出力:38kw(52PS)/6,500rpm ■最大トルク:62N・m(6.3kgf・m)/4,800rpm ■全長×全幅×全高:2,190×925×1,130mm ■ホイールベース:1,465mm ■最低地上高:125mm ■シート高:790mm ■車両重量:227kg ■燃料タンク容量:15L ■変速機形式:常時噛合式5段リターン■タイヤ(前・後):100/90-19M/C 57H・130/80-18M/C 66H ■ブレーキ(前/後):油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク ■懸架方式(前・後):テレスコピック式・スイングアーム式 ■車体色:ミラーコートブラック×エボニー ■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):1,160,000円


■試乗・文:濱矢文夫 ■写真:渕本智信

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