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【ミシュランタイヤ MICHELIN ROAD 6】ロングランナーに朗報! さらに距離を伸ばし、安定性も向上したミシュラン「ロード6」

  • 最新ニュース
  • 2022.03.09

ミシュランタイヤのスポーツツーリングタイヤブランドとして2002年からスタートした「ロード」シリーズ。2011年に初めて「サイプ」が採用され話題になったが、進化を続けてついに6世代目が登場。更なるロングライフとウェット性能向上を果たしている。

15%、10%、5%……向上!?

 

最初に数字を並べておこう。2018年に登場した「ロード5」比で、新型「ロード6」はウェットグリップを15%、耐久性を10%、高速安定性を5%それぞれ向上させたのがメイントピックである。ツーリングシーンをメインとするタイヤとしてまさに正常進化と言えるもので、ハンドリング及びドライグリップを損なうことなくこれらの性能向上を果たしているという。

 

 ツーリングメイン、特にロングツーリングメインで使うユーザーにとってはこのいずれの数値も嬉しいもの。加えて今回のモデルチェンジで、先代にはあったアドベンチャー向け「TRAIL」がなくなった代わりに、より重量車に向けた「GT」スペックが追加されたため、ヘビーウェイトツアラーに荷物満載で長距離を走るといった使い方にも対応。スズキGSX-S1000GTやホンダNT1100といったツアラーモデルが再びラインナップされてきていることを思えばピッタリのタイミングである。なおアドベンチャー向けの専用チューニングが施されたTRAILスペックがなくなったとはいえ、スタンダードスペックでアドベンチャー向けサイズは引き続きラインナップしているから安心であり、また110幅のフロント、140/150幅のリアも用意しているためライトウェイトクラスにも対応している。

 

【目次】

1.より「ツーリング」へとシフト

2.ウェット性能とライフの向上

3.「ロード6」と「パワー5」

 

  • より「ツーリング」へとシフト

ウェットグリップや耐久性を伸ばしつつ、ドライグリップやハンドリングを犠牲にしないというのはなかなか難しいこと。ましてや10%・15%の伸び率となると、ドライグリップ、ハンドリング共に、何かしら影響を受けるのが自然である。実際にロード5の方と直接乗り比べると、ロード6はこれら性能を「犠牲に」したとは思わないが、タイヤそのものの性格はいくらか変わっている印象がある。

 

先代のロード5はスポーツツーリングタイヤとしてはなかなかスポーティというか、速度に関わらず軽いハンドリングと確かなグリップ力を持ち、ワインディングロードで安心感とスポーツマインド両方を持って楽しむことができた。しかし今度のロード6はより安定方向へと舵を切ったように感じる。ロード5のような軽やかなバンキングは影を潜め、しっとりドッシリと安定感や安心感を伴ってバンクしていくイメージだろうか。ロード5では積極的にパワーバンドを使ってスポーティに走らせたくなるのに対し、新作ロード6は高いギアのまま、安心してコーナーのアールをなぞっていくような走り方が合っているように思う。

 

速度域を上げていくとなお顕著で、速度が上がるほどに路面に吸い付いている印象が強くなる。ビタリと安定しているその様は「高速安定性5%向上」を確かに感じさせるのだが、一方で高い速度域から俊敏に向き変えしようとすると、ロード5のようにススッ!とはいかず、より意識して体重移動やハンドル入力が必要となるイメージだった。それだけ外乱に強いということであり、長距離ツーリングではこの性格が味方となるだろう。

 

  • ウェット性能とライフの向上

シュランタイヤのテストでは必ずウェット路面も用意されているのだが、いくら「ウェット性能向上」と言われても借り物の試乗車を転ばすわけにはいかないため、限界性能を試すことは難しい。先代のロード5でもこのウェット路面でのブレーキング及びスラロームでも好印象を得ていたため、ロード6に乗り換えても15%までの向上を即座に体感できるかと言えば、難しいかもしれない。しかし15%とは大きな向上幅、この数値が心理的に効いてくるということもある。そもそもウェット路面で無理はしないだろうが、いざという時「既に高いレベルにあったロード5よりもさらに15%も向上してるんだから」という安心感はありがたい。

 

 ライフの向上は特に長距離ライダーにとってありがたい話。一割も伸びたのだからその分遠くまで行けるというものだし、ミシュランは摩耗した状態でも大幅な性能低下を抑制する技術が豊富。一見偏摩耗しているように見えていてもハンドリングがあまり変わらないタイヤを作ることが多いため、ゴムが長持ちするというだけでなく、気持ち良く安全に走れる時間が長くなっているということである。またミシュラン関係者は「昨今の世の中ではより長く使える商品はサスティナブルという観点からも大切だと考えています」と話してくれた。

 

  • 「ロード6」と「パワー5」

先代「ロード5」に対して、ツーリングタイヤとしての性格を強めたと感じた新作「ロード6」。その背景にはもう一つスポーティなカテゴリーに位置する「パワー5」の存在があるように思う。パワー5はカテゴリー的にワンランク上のスポーティさをもつわけだが、同時にウェット性能や耐摩耗性も高い次元で両立する魅力的なタイヤ。このタイヤがあるおかげで、「ロード」シリーズは本来の得意分野であるツーリングシーンにおける安定感やドッシリ感、そしてさらなるウェット性能や耐摩耗性向上にフォーカスできたのだろう。

 特に長距離を走りたいツーリングライダーにとって魅力的な新作「ロード6」。加えてたまにはサーキット走行会なども楽しんでみたいという人は、「パワー5」の存在もお忘れなく!

 

先行発売されている「パワー5」にも似た、新設計グルーブデザインとなった新作「ロード6」。3Dサイプテクノロジーと組み合わせウェットグリップ向上と均一摩耗の両立を狙っている。なお新たなグルーブデザインはタイヤ進行方向に対して角度を浅くすることで、バンク中により安心してパワーをかけていけることを追求、横方向のグリップ力を向上させている。

 

「ミシュラン・ウォーター・エバーグリップ・テクノロジー」により、サイプの中は三角形状に広がる設計。先代から引き継ぐ技術だが、摩耗時には溝が広がっていく作りで、排水性を維持してくれるのだ。なおサイプが表面と接するエッジ部はあらかじめ面取りされているため、悪条件下でも異常摩耗を抑制している。

 

2CT+とシリカコンパウンド

「2CT+」とは、サイド部にのみ、ベースのハードラバーコンパウンドの上にソフトラバーコンパウンドを重ねる技術。これによりコーナリング時の最適な剛性を確保し、安定性向上を狙う。先代ロード5ではリアのみに使われたが、新型ロード6ではフロントにも新採用した。コンパウンドはセンター部に耐久性に優れたものを、ショルダー部にはウェットグリップに優れたものを採用。コンパウンドは100%シリカとし、ウェット性能および耐摩耗性を向上させている。なおミシュランのシリカテクノロジーは低温の濡れた路面での高いグリップ性も謳う。

 

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