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スズキ歴史館 展示車両レポート Part2!

  • 最新ニュース
  • 2020.02.28

静岡県浜松市のスズキ本社に隣接する「スズキ歴史館」展示車両のレポート Part2です!

静岡県浜松市のスズキ株式会社 本社に隣接する「スズキ歴史館」は、スズキが1901年に創業、1920年に織機メーカーとして設立以来、「価値ある製品を」の言葉のもとに情熱を注いだ多くの製品が展示された施設です(入館無料)。


二輪車、四輪車、船外機など様々な製品を国内、国外で生産・販売する今日でも「ものづくり」にかける変わらぬ情熱の歴史を見ることが出来る展示群の中で、二輪車を中心に紹介したいと思います。(※ 取材は2019年12月に行いました)


前回のPart1はこちらから!

https://www.moto-auc.com/report/news/part1-1


「バイクの窓口」では、一年ちょっと前に同じ施設の記事を掲載しています。今回のレポートは出来るだけ重複しないように内容を選んであります。


過去の記事はこちらから!

静岡のスズキ歴史館に行ってみた【Part①】二輪車1952~1976年(14台)

https://www.moto-auc.com/report/else/part1952197614


静岡のスズキ歴史館に行ってみた【Part②】二輪車1970~2000年(20台)

https://www.moto-auc.com/report/else/part1970200020


静岡のスズキ歴史館に行ってみた【番外編】

https://www.moto-auc.com/report/else/1935


今回は、3階の展示を紹介します!

  • 「開拓・勤勉(1946~1963)」エリア・「実行(1964~1977)」エリア

3階は、創業以来の多数の製品を展示しています。


階段を上がったところのフロア中央奥付近の様子。このフロアの展示は、横長の建物内に2本の通路を作り、その両側に2輪車、4輪車を「混合展示」しているのが特徴です。


充実した展示を見る際の、施設が推奨する見学の所要時間は約1時間30分ですが、じっくり見ると入館時間によっては時間が足りません!(※閉館時間 午後4時30分)


同じ通路を建物突き当りから見た写真。奥の方は霞んでいます(笑)。



ここからは展示の内容を紹介です。


現在の展示車両は、下記のページから見られます。

https://www.suzuki-rekishikan.jp/facility/


3階は「ものつくりの歴史~お客様と歩んだ歴史~」として、「創意(1909~1945)」は、「創業から約40年間の鈴木式織機の歴史」について紹介するコーナーからスタート。


その先に初期の車両が並んでいます。展示の車両は「現存するものがほとんどない貴重な車を新車さながらに復元して展示」しています。


「開拓・勤勉(1946~1963)」エリア。

ここの2輪車は、1952年から1963年のモデルを展示。「戦後の復興期、織機産業で培った技術をもとに自動車産業へと進出していく様子」を映像等でも紹介。


・コレダ ST-6A (1959).

「ジェットラインと呼ばれたオリジナルデザインで、当時高い評価を獲得」。現在に続く社章の「S」マークを、初めてフューエルタンクに飾ったモデルです。


「実行(1964~1977)」エリア。

「高度成長期、マイカー時代の訪れとともに多様化した需要に応えて生み出された多種多様な四輪車と「二輪のスズキ」と言われるほど高い技術力を発揮した往年の名車」を展示。


・RM62 #2 (1962)。

マン島TTレース 50ccクラスでエルンスト・デグナーが優勝したマシンで、スズキの国際大会での初優勝という快挙を達成。この年、スズキはライダー・メーカー両タイトルを獲得。


ところで「デグナー」と聞いて、鈴鹿サーキットの「デグナーカーブ」を思い浮かべる人も多いと思います。この名称は、1962年11月に行われた鈴鹿サーキットのオープニングレース「第1回全日本選手権ロードレース」でトップを独走中にデグナーが転倒したのがこのコーナーだったことから付いたのが由来とされています。当時「名手」と言われたトップライダーの転倒が多くの人に相当なインパクトを残したことが、この命名から想像出来ますね。

(左のトランクは、チームの7名がマン島TTレースに持参した当時のもの。)


・バンクル(1975)。

「オートバイ開発技術が生み出した三輪自転車「スズキ リンクル」に次ぐオリジナルモデルとして発売」。サイクルモトクロスやサイクルトライアルなどが出来る「本格的なスポーツサイクル」として人気を得た自転車。

独特なフォルムに加え、各部のディティールが興味深いモデルです!

  • 「革新・貢献(1978~1985)」エリア

「革新・貢献(1978~1985)」エリア。

多くの個性的なモデルを発売した時代。(主に1978~1989までを展示)。手前のセピアは1989。


・スージー(1980)。

「当時のファミリーバイクシリーズ(6車種29タイプ)のなかで、最も軽くて安かった」モデル(67,000円)。40年前の50ccクラスの異常な状況が分かりますね。


1980年代のバイクが並ぶエリア。ただし、カタナはファイナルエディション(2000)。

ここを見ると、この頃は華やかなモデルが多いと感じます。


斬新で個性的なコンセプトのバイクが多くて、目を楽しませます。


・(手前)GSX400FW(1983)。

「スズキ初の水冷4気筒エンジン」を搭載。翌年には「GSX-R」を発売。


・GS650G(1980)。

同年発表のGSX1100Sカタナと同じ、ハンス・ムートのデザイン。シャフトドライブ式を採用。「各所にオレンジを使ったデザイン」で、今年の東京オートサロン2020に出展したKATANAはこのモデルへのオマージュだったのでは?(下記のページに写真があります)

https://www.moto-auc.com/report/news/2020-1


・RG400γ(1985)。

「4気筒を正方形に配置するスクエア4で、ロータリーディスクバルブ式」の2サイクルエンジンを搭載。車体構成が前回紹介したワークスレーサーの「RGγ」そのものというすごいモデル。RG500γのスケールダウン版ながら、日本向けに中型免許で乗れるモデルを用意したところに(いい意味で)時代を感じます。


GSX400X インパルス(1986)。

カタナと同じハンス・ムートのデザイン。「日本の若者のライフスタイルをイメージした斬新なスタイリングを採用」し、GSX-Rと同じ、水冷シリンダー、空冷シリンダーブロック、油冷ピストンという3つの冷却方式を採用したエンジンを搭載。

・(奥)ハスラー50(1986)。2サイクル50cc、6速ミッション。

  • 「挑戦(1986~)」エリア

「挑戦(1986~)」エリア。

1988~2012のバイクを展示。


・DR800S(1991)。

ラリーレース車「DR-S」をモデルに設計され、大排気量エンジンから「DR-BIG」と呼ばれたバイク。2014年発売のVストローム1000を始め、V-Stromシリーズは、このモデルのデザインコンセプトを元にしています。


・SW-1(1991)。

曲面基調のフルカバードボディをベージュでカラーリングした外観が特徴。説明文に「後にプレミアを呼んだレアなマシン」の文言が書いてあります(笑)。超個性的なこのバイクも発売から30年近くが経つんですね。


最後に、スズキ歴史館と以前レポートしたヤマハ「コミュニケーションプラザ」(静岡県磐田市)は、バイクでは一般道で40分くらい(約22キロ)の距離です。


ヤマハ コミュニケーションプラザのレポート

https://www.moto-auc.com/report/news/part1

https://www.moto-auc.com/report/news/part2


ヤマハ コミュニケーションプラザ

https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/cp/


スズキ歴史館の予約が午後になった場合、午前にコミュニケーションプラザに行って(ここは団体以外は予約不要ですが、開館スケジュールは要確認)、昼食は(寄り道して)浜名湖で養殖が盛んな「うなぎ」を食べて(磐田市や浜松市に多数のお店があります。)、その後、近くの農産物直売所(周辺は果物栽培が盛んです)に寄ってお土産を買ってからでも、距離が近いので十分に間に合いますのでオススメです。(実際、今回はそうしました。うな重、美味しかった(笑)。)

スズキ歴史館

https://www.suzuki-rekishikan.jp/


(取材協力)

スズキ株式会社


(写真・文)

森井智之

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