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【速報】ホンダ PCX ハイブリッド 報道向け試乗会レポート!

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  • 2018.08.18

8月8日(水)に、Honda PCX HYBRIDの報道向け試乗会が開催されました。新型PCX ハイブリッドの技術説明と、試乗インプレッションをお伝えします!

PCXハイブリッドのコンセプトは「お客様にもっと“走る喜び”を」


3代目PCXは、2018年4月に125/150ccの2機種を発売。7月に「HYBRID(ハイブリッド)」を追加発表しました。(発売日は9月14日)初代PCXのコンセプト「Personal Comfort saloon(パーソナル・コンフォート・サルーン)」を継承し、クラスを超えた走りと使い勝手、上質感を備えています。


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今回のハイブリッドでは、「上質な走りの向上、お客様にもっと “走る喜び”を」をコンセプトに、「2輪車で世界初のハイブリッドシステム」追加による技術の「挑戦」で、その想いを具現化しています。

  • 世界初の「2輪車ハイブリッドシステム」の詳細は?

ハイブリッドシステムの構成は、125ccエンジンにプラスして、PCXで始動/発電を担っていたACGスターターにモーターによる駆動アシスト機能を追加。



アシストトルクはPCXのエンジントルクに対して4000rpmで約33%、5000rpmで約22%向上しています。エンジンへのモーターによるアシストは、スロットル操作に伴うアシスト開始から約4秒作動(約3秒継続+約1秒で除減)します。ハイブリッドシステムの効果が一番分かりやすいのは発進時ですが、走行中の加速でもスロットル開度に合わせてアシストが行われます。



モーターアシスト出力のエネルギー源として、48V高出力リチウムイオンバッテリーを追加。(写真右上)ACGスターターに駆動アシスト機能を追加することで、トルクフルな動力性能を獲得。(写真左下)PDU(パワードライブユニット)は、1つのユニットでエンジンとモーターを制御(PCXのものと大きさは同じでも、ハイブリッドでは右側のカプラが2つになっています。)(写真右下)その他の追加パーツも小型のものなので、全体的に非常にコンパクトなシステムです。

実際、会場に並べられたパーツ群を見ると非常にシンプルで拍子抜けするくらいでした。そのため、実車でのハイブリッドシステム追加による目に見える違いといえるのは、シート下ラゲッジボックス内の後方に収まるリチウムイオンバッテリーの膨らみくらいです(バッテリーは、カバーがあって直接は見られません)。


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ちなみに既存の12Vバッテリーは、リチウムイオンバッテリーのトラブル時に備えて、エンジン始動/発電のバックアップのために装備しています。


ハイブリッドはアイドリングストップ開始までの時間がPCXの3秒から0.5秒に短縮し、停止時の静粛性や燃費向上に寄与しています。さらにPCXに比べスタート時のクラッチ接続時間の短縮により、低回転で高トルクを発揮するモーターの特性を活かしてアイドリングストップ時からエンジン始動までのリニアなレスポンスを実現しています。


ハイブリッドシステムは、モーターアシスト特性の切り替えが可能です。モード切り替えスイッチは左グリップ前方にあります。


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■Dモード : 適度なアシスト力により、リラックスした快適な走り(走りやすさと燃費の両立)

■Sモード : アシスト力を強め、よりトルクフルな走り(ダイレクトな出力特性を実現)

■アイドリングモード : アイドリングストップを使用しない(アシストはDモードと同じ)


尚、PCXハイブリッドは「低電圧電気取扱特別教育」修了者が在籍する「Honda二輪EV取扱店」のみでの販売になります。今後、ホンダのサイトで取扱店舗が検索出来ます。

PCXハイブリッドはPCXの上質感を保ちつつ、モーターアシストによる機敏なスロットルレスポンスや、ワンクラス上の高い動力性能を実現。走りの楽しさ、面白さを新しい価値として提案しています。

  • 装備や外観でのPCXとの違いは?

ハイブリッドでは、PCXとは外装パーツや機能で多数の違いがあります。


■専用カラーリング設定(パールダークナイトブルー)

■専用ヘッドライト、テールランプ(ブルーシグネチャー入り)



■HYBRIDエンブレム(4輪車と共通デザイン)

■専用スピードメーター(平均燃費表示、アシストレベル、チャージレベル、リチウムイオンバッテリー残量等を表示)



■シートは、ブルーステッチのツートーン仕様

■スマートキーは、ブルーのカバーを採用

■フロントスクリーンのロゴが立体式

■エンジンカバーがグレーに


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■ABSを標準装備

■キルスイッチを装備


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  • PCX ハイブリッド試乗インプレッション!

試乗日は、残念ながら台風の影響を受け荒れた天気となりました。(苦笑)しかし、「世界初のハイブリッドシステム搭載」をいち早く試乗出来るとあって、気分は盛り上がっています(笑)。試乗は、神宮外苑周辺の一般道です。



4輪車では多数のハイブリッド車運転を経験しています。その時の経験で言えば、初めて乗る車種の運転開始直後は、明らかにガソリン車とは違う「スロットル操作」を無意識にしていることに気が付きます。「ハイブリッドシステム」という「飛び道具」がどのような作動をするか、いろいろなスロットルの開閉を試してモーターの状況を確認しようとしてみます。メーター内のインジケーターをチラ見して、同様に確認してしまいます。今回も走り始めてすぐにPCXの時とは違うスロットル操作を始めていました(笑)


最初に、PCXハイブリッドは走行時にエンジンが常に掛かっていて、モーターが加速を短時間アシストする仕組み、というのを頭に入れて試乗を開始。



まずはエンジン始動後の規定である「Dモード(アイドリングストップあり)」で走り始めました。125ccクラスで元気よくスタートする場合、スロットルを「ガバッ」と開けることが多くなると思いますが、PCXハイブリッドの場合、そのような操作を抑えた感じで大丈夫な印象です。アイドリングストップが働くゼロ発進ではモーターのトルクに乗って加速する感じもありますが、Dモードは穏やかな制御ですので普段はハイブリッドシステムをあまり意識しない、余裕のあるジェントルな気分で走れると思います。


メーター内のインジケーターでアシスト/チャージのレベルをチラ見でチェックするのも楽しいですね。アクセルの開け方次第で変わるハイブリッドシステムの作動状況を意識した走りをすると、都市部でのゴーストップが多い状況では燃費にかなり差が出ると思います。


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「Sモード」に切り替えると、Dモードと同じアクセル開度ではスタートから「ドンッ」と加速して、速度に乗るので分かりやすい違いが感じられます。スロットルを開けた時の加速は低中速でかなり活発な印象に変わります。PCXのエンジンは、元々スムーズな回転ですのでモーターでアシストする際の加速は振動が少ない中で加速する感じで、PCX150とも異なった雰囲気でスピードに乗るのは新鮮な印象でした。購入したら、当面は楽しくてSモードばかりで走りそうな感じです(笑)。ただし、メーター内に「平均燃費計」がありますので、冷静さを取り戻すとDモードに戻りそうですが・・。


アイドリングモードは、Dモードの「アイドリングストップなし」。試乗直後はSモードにもアイドリングストップなしを設定して欲しかったなあと思いました。ただ、ハイブリッドのアイドリングストップは作動が停止後0.5秒と早く、発進はモーターの力を借りますし、クラッチ接続も早いのでエンジン再始動をほとんど意識しないで走れました。アイドリングモードを選ぶのは、道路状況や「慣れの問題」のような感じです。


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PCXハイブリッドは、ハイブリッドシステムが加わっても使い勝手や車重もPCXとほとんど変わらないので特別意識することなく扱えます。ABSが付いて安心感が高まりました。雨の中を走っても安定した走りで楽しかったです。発売はもうちょっと先ですが、発売後には試乗車のあるお店を検索して実車に触れることをオススメします。ぜひ、2輪車初のハイブリッドシステムを自身で感じてみて下さい!。



■Honda PCX HYBRIDニュースリリースのページ

https://www.honda.co.jp/news/2018/2180706-pcx.html


■Honda PCX のページ

http://www.honda.co.jp/PCX/


<取材協力>

 (株)ホンダモーターサイクルジャパン


(写真・文)森井智之

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