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【速報】電動バイクホンダ PCX エレクトリック試乗会レポート!
- 最新ニュース
- 2018.12.06
人気のPCXにモーターで駆動する ”エレクトリック” を追加!11月27日(火)にHonda PCX ELECTRICのメディア プレビューが行われました。現在のHondaの電動二輪車の取り組みの理解を深める機会となったイベントをレポートします。
Hondaの電動二輪車は、1994年のCUV-ES(ニッカドバッテリー)に始まり、2010年のEV-neo(リチウムイオン)までは「原付一種」で展開していました。
今回発表されたPCX エレクトリックは初めて「原付二種」で開発し、電動二輪車の体験を「世界」へと拡大しました。
PCX エレクトリックは、開発コンセプトの「EV体験を広げる e-Comfort Saloon」を実現するために下記の目標を設定しました。
・日本や東南アジアなどの交通/使用環境に適した性能を持つこと
・Hondaの代表的スクーターとして成長したPCXの魅力を受け継ぐこと
電動パワーユニットはPCXの車体サイズに収まるコンパクトなシステムと、2種類の充電方法を可能とした「ホンダ モバイル パワー パック」で構成し、公道での走行に過不足のない性能を実現。
PCXの上質な走りと扱いやすい車体サイズを受け継いだPCX エレクトリックの技術解説と走りの実力を検証します。
スタイリングはPCXを踏襲しながらも、専用カラーリングのパールグレアホワイトを採用とともに各部にブルーを配置したアクセントにより、特別感を演出しています。
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コンパクトなEVシステムを効率的に配置し、PCXの使い勝手の良さをキープ!
外観でPCXとの一番大きな違いは、後輪を駆動する最大4.2kWモーター内蔵のパワーユニットまわりの造形で、モーターカバーに「丸型」を使い存在を強調しています。
シート下にモバイルパワーパック2個を内蔵し、リアタイヤの可動スペース確保を両立するためにフレームに「パワーユニットハンガー」を新設し、ホイールベースを65mm延長。
尚、従来の燃料タンクの位置にはパワーコントロールユニット(PCU)、ジャンクションボックス、車載充電器を格納しています。
後輪位置の移動により、従来のリアフェンダーを廃止しエレクトリック専用の「ハガータイプ」リアフェンダーを新設(取付部品はアルミ製)。
このフェンダーとリアクッション全長を伸ばした後部の造形は、既存のPCXユーザーはかなり気になるところではないでしょうか(笑)
着脱可能なバッテリー採用により、2種類の充電が可能!
(右上より時計回り)
・従来のシート下ラゲッジボックス部分に、48Vリチウムイオンバッテリーの「モバイルパワーパック」2個を収納。2つを直列接続した「96V系EVシステム」を採用。小物スペースも確保。
一充電あたりの走行距離は41km(60km/h定値走行テスト値)を実現。
・モバイルパワーパックは「ロックプレート」を倒せば、あとは引き出すだけなので、簡単に着脱可能。重量は1個あたり約10kg。
・PCXのフューエルリッド位置の下には約2mのコードを持つ充電プラグを内蔵。コンセントから充電時はPCUが2個のバッテリーを並列に接続して放電状態により個別に充電。ゼロから満充電までは約6時間で完了。
写真のコード中央にあるコンセント状のくぼみは現状では機能していないそうですが、将来的にはスマホ等の充電が出来る「給電機能」の追加を期待してしまいます。
・モバイルパワーパック(上)を専用充電器(下)により充電中のところ。1個のモバイルパワーパックをゼロから満充電までは約4時間。
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エレクトリック専用装備の数々を写真で紹介!
反転液晶のメーターは専用デザイン採用。バッテリー残量は中央の横バーと右下の数値で表示。中央の大きな「リング」は、システム作動後に点灯。
(右上より時計回り)
・中央に「キャンディーブルー」を配した専用LEDヘッドライト。消灯時には上部の内部がブルーに見えます。
・ストップランプのインナーレンズもブルーを採用(写真はブレーキランプ点灯時)。
・走行時のメーターを再現。右側にパワー供給を示す「矢印」を表示。
・専用エンブレムは、「EV」であることが一目で分かるデザイン。
(右上より時計回り)
・マフラーがなく、スッキリした右側後部のスタイリング。こちら側からも独特なリヤフェンダーが目を引きます。タイヤはミシュラン製。
・スマートキーシステム部。左側のグローブボックスにはアクセサリーソケット内蔵。
・赤いキルスイッチ下部を長押しでシステムが作動。
・スマートキー操作部。アンサーバック、セキュリティー(ハンドルロックON/OFF)、イグニッションON/OFFが操作可能。裏はブルーのカバー付き。
写真はありませんが純正アクセサリーで、ボディマウントシールド、トップボックス、グリップヒーターを用意していますので、実用性もバッチリです!。
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PCX エレクトリック試乗インプレッション!
今年3度目の「PCX」シリーズ(125/150、ハイブリッド)の試乗は、東京タワーを間近に望む東京プリンスホテル ガーデンアイランドを拠点に行われました。天気は快晴で過ごしやすい陽気でした。
実車を前に製品説明で聞いた「システム電圧96V」で駆動するモーターのパワーに期待が高まります。
システム起動と操作のレクチャーを受けて、まずは敷地内の特設コースを走行。スラロームと短い直線を行き来して低速での扱いを確認しましたが、発進から力強いモーターのスムーズな出足は快適で、狭いながらもついついペースが上がります(笑)
今回は試乗時間が各社15分と短めなので、スラロームは早めに切り上げて公道に出ました。
午後の都心は多少交通量が多めながら、主要道路では発進加速や中間加速での感触を試しつつ、法定速度まで加速。路地裏で低速での使い勝手を確認しました。
試乗後の感触は、全てのシーンでEVを意識しない自然な走り、と言えると思います。原付二種登録は、一種の制限速度等の法規の問題を気にせず走れるで違いは大きいです。公道走行も周囲の流れに乗って、ストレスなく走れました。ぜひ機会があれば、この感触を確かめていただきたいと思います。
最後に、HondaがPCXエレクトリックを今回リリースした目的は利便性の検証と、活用状況の「情報収集」にあり、ユーザー対象としては法人企業、個人事業主、官公庁に限定した「リース専用車」になります。
リース費用に関してはリース会社と個別に設定した金額になります。
そんなPCXエレクトリックですが、メーカーサイトでモニター募集があります。エントリー期間は、東京都、神奈川県の方を対象にした今冬の第1期。大阪府、兵庫県が来春の第2期です。詳細は下記のサイトからご確認下さい。
PCX エレクトリック モニター募集のページ
https://www.honda.co.jp/moto-monitor/PCXELECTRIC/
さらに今後、首都圏でのシェアリングや観光地でのレンタルもスタートするとのことですので発表されるインフォメーションに要注目ですね!
PCX エレクトリックのページ
https://www.honda.co.jp/PCXELECTRIC/
取材協力
本田技研工業株式会社
株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
(写真・文) 森井智之