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ホンダ 新型 PCX シリーズ 報道撮影・試乗取材会 (試乗&インタビュー編)

  • 最新ニュース
  • 2020.12.30

2020年12月11日(金)に神奈川県横浜市で行われた「ホンダ 新型 PCX シリーズ 報道撮影・試乗取材会」のレポートです!今回は試乗&インタビュー編です。

2020年12月11日(金)に神奈川県横浜市で行われた「ホンダ 新型 PCX シリーズ 報道撮影・試乗取材会」に参加しました。


この日は、12月8日のニュースリリースで2021年1月28日(木)に発売がアナウンスされた新型PCXシリーズを展示し、各メディアにPCX、PCX160の試乗時間が設定されました。


ニュースリリース

https://www.honda.co.jp/news/2020/2201208-pcx.html


スタイリッシュな外観と環境性能に優れたエンジンなどが好評の原付二種・軽二輪スクーターであるPCXシリーズを発売に先駆けて撮影と試乗、開発者インタビューが出来ましたのでレポートします。


Part1 ラインナップ&カラーリング紹介と技術解説。

https://www.moto-auc.com/report/news/pcx-2


Part2は、PCX & PCX160 試乗と開発者インタビューです!

  • 試乗スタート!

PCXは開発キーワードを「パーソナル コンフォート サルーン」とし、「高級感のあるスタイリング」、「快適で上質な走り」、「優れた環境性能」を高い次元で具現化するスクーターとして、2010年の初代発売以来、進化をしながら魅力を高めてきました。


新型は「更なる進化」として「ワンランク上の上質さを感じる外観、走行性能」、「全域で力強い動力性能」、「日々の快適性と利便性。安心感を高める先進の魅力装備の採用」を開発の目標としています。


この日は最高気温15℃で曇り空ながら風がないので屋外でもそれほど寒くない一日ながら、走行の際はしっかり冬用の防寒装備をして走ります。


最初の試乗車はPCXのパールジャスミンホワイト。125ccなので一般道での試乗です。


今回の発着地は横浜市の「みなとみらい」エリアにある「日本丸メモリアルパーク」。帆船「日本丸」と「横浜ランドマークタワー」を背景にしてスタート。


シートの高さは従来モデルと同数値(764mm)ながら、シート前方の足が当たる部分の幅を狭めていますので、足付きが良くなっています(身長176cm。体重68kg。)


試乗では特に動力性能と走行性能の進化を確認しました。


みなとみらいエリアは横浜を代表する観光地ですので、道路の舗装がたいへん行き届いています。ここではパワーユニットのフィーリングに注目しましたが、走り出しからフリクションを低減したエンジンの回転が全域で「なめらか」になっているのが印象的でした。


東神奈川へ通じる地下トンネルでは制限速度域で巡行してみましたが、振動は走行中ほとんど気にならないレベルに仕上がっていて、長時間の移動で身体の負担が軽そうです。


開発陣が推奨する試乗コース「港の見える丘公園」に至る急な坂道も、4バルブ機構、高圧縮比化等を採用した新開発エンジンは出力が向上し、ストレスなくグイグイ上ります!


元町エリアは、タイル敷きの道路が一部にありますが、新採用の「Honda セレクタブル トルク コントロール (HSTC)」により、スリップしやすい状況でも前後の車輪速センサーにより後輪のスリップ率を検知し、後輪のスリップを抑制しますので、安心感が高まりました(ON/OFF選択可能)。


車両重量が136kgと軽量のため、近所の買物に気軽に行けるのも、このクラスのスクーターの良いところ。


荒れた路面でもサスの動きがよく、ゆったりした乗り心地による「ワンランク上の上質さ」が実感出来て身体的なストレスが少ないです。


遠方から「横浜でガンダム!」と思える行動も出来そうです(後日撮影)。


試乗の割り当て時間内に撮影もしなくてはいけなかったので途中で切り上げて戻ろうと思っていたのですが、走りが楽しくて各所を巡ってしまいました(笑)。


発着地に戻ってキャンディラスターレッドのPCX160にチェンジ。

この色は光沢と深みが分かりやすく、他のカラーバリエーションとは一味違った個性が目を引きます。


PCX160は、ETC2.0車載器を搭載していましたので首都高速に乗り入れてみました。


横浜ベイブリッジを渡って大黒パーキングへ。高架路の繋ぎ目での突き上げもサスペンションがうまく吸収して、安心感が高かったです。


高速道路を使えると、東京湾アクアラインを通って対岸の千葉県木更津市へ、という使い方も出来ますね。


PCX160は、従来モデルのPCX150よりエンジンの出力及びトルクのカーブがフラットになり、扱いやすさが増しました。

  • 開発者インタビュー

ここからは開発者インタビュー!


PCX開発責任者 大森順平氏(左から4人目)

テスト領域責任者 半田悦美氏

スタイリングデザイン 加藤貴晶氏

エンジン設計 武市廣人氏

車体設計 前田匡雅氏

(以上、本田技研工業株式会社 二輪事業本部 ものつくりセンター)


古賀耕治氏 (左から3人目)

(株式会社ホンダモーターサイクルジャパン 営業本部 企画部 商品企画課)

にお話しを伺いました。


PCXは従来モデルの発売が2018年3月。新型は2021年1月発売ですから3年弱という短期間で新型に切り替わります。


その理由が2020年から欧州で導入された新排ガス規制「EURO5」への対応によるエンジンの新設計にあり、同時に車体も一新する方向になったとのことです。


エンジンは4バルブ化等で出力を増し、競争力をアップ。加速をリニアにして理想的な特性としコンフォート性能を上昇。


新型の車体は水平基調とし、初代をイメージしたデザインにチェンジ。


新設計のフレームは解析技術向上の結果、従来モデルよりシンプルなパイプ構成になり、軽量化と溶接部の減少が出来ました。


フロントまわりは「PCXらしさ」に戻したデザインに。

灯火器の光り方は新型を見分ける大きなポイントですが、試乗中の停車時、対向車線のスクーターの方が気付いたようでした!


2輪車では珍しい造形のテールランプがサイドまで回り込んだ「立体的な形状」のデザインも、注目ポイントとしてあがりました。


撮影時に聞いたのが、矢印のラインのエッジを立てることでライダーに当たる走行風を弱め、疲労を軽減する形状にしたという話し。直接聞かないと分からない工夫が盛り込まれています!


新型は「乗り心地向上」を改善ポイントとし、優れた快適性を目指しました。


スクーターは足を置く場所が通常(写真)の場合、体荷重が「足と尻」に分かれ、路面からのショックが分散されますが、足を投げ出すかたちの「シットインポジション」の場合、荷重が「尻」に集中しますので、乗り心地がライダーの疲労に大きく影響します。


乗り心地向上のため、シート高を上げずにリアサスペンションのストロークを伸ばすことを、リアタイヤの「インチダウン」により実現したとのこと。


同時にエンジン前方のリンクとサスペンション取り付け角度を最適化。結果として従来モデルに対してストロークが「10mm」増加し95mmとなり、路面からの突き上げをしなやかに吸収することが可能になりました。


さらにタイヤを太くすることにより、タイヤ内の空気量(エアボリューム)を増やして乗り心地向上に寄与。


マフラーの形状は楕円形にして、幅の増加を抑えています。


スリップしやすい路面での安心感を高めるHSTCの採用は、石畳の路面があるヨーロッパや、日本では濡れたマンホール等で効果を発揮するケースを想定。


PCXユーザーはビギナーや女性ライダーが多数いますので、大森氏が必要な装備として要望し採用されました。


大森氏は、新型はエンジン、車体を新設計して快適性と利便性が向上し「楽しさがアップ!」というのを「お気に入りポイント」として挙げました。


ベテランライダーから1台目のバイクとして買うユーザーまでをカバーする仕上がりになっています。ぜひ、試乗して体感してください!


次回は、純正アクセサリーとカスタマイズパーツを紹介します。


ホンダ PCX

https://www.honda.co.jp/PCX/

(取材協力)

本田技研工業株式会社

株式会社ホンダモーターサイクルジャパン


(写真・文)

森井智之

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