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【SUZUKI V-STROM650XT ABS】大きすぎない強すぎない 手の中に納まるアドベンチャー
- 最新ニュース
- 2021.07.06
今回は「SUZUKI V-STROM650XT ABS」をご紹介します!
BMWのR1250GSをはじめ、ホンダ・アフリカツイン、ヤマハ・テネレ700と、ここ数年「旅するバイク」ことアドベンチャーがグッと身近になってきている。
このカテゴリー、スズキの看板モデルと言えば、Vストローム1050。けれど、お勧めしたいのは、同じVストロームでも1000ccより早く日本市場に登場した650の方。兄貴分の1050やGS、アフリカツインでは決して味わえない「ミドルクラスアドベンチャー」の魅力にあふれているモデルだ。
Vストローム1050にあって650にないもの――それは大排気量ゆえの高速クルージングでの余裕と、どっしりとした安定感。けれど、Vストローム650にあって1050にないものは、コンパクトなサイズ、手の中に納まるような扱いやすいパワー特性、そして長距離だけではなく、ちょっと近所のコンビニでも、という用途にも乗り出せる気軽さだ。
事情が許して「150km/hでずっと走り続けられる」ならば1050の方がいい。けれど、街中を走ることが多く、高速道路に乗り入れても最高120km/h巡行という日本の使い方ならば650の方がいい、と感じる人が多いのだと思う。
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どんな回転域、どんなスピード域でも快適さと余裕を感じさせる懐の深いバイク
アドベンチャーといえば、やはり気になるのはボディサイズ。下に書き出してみると
●BMW R1250GS車両重量:256kg/シート高:850mm
●ホンダアフリカツイン車両重量:226kg/シート高:810mm
●スズキVストローム1050車両重量:236kg/シート高:855mm
これに対してVストローム650は車両重量:212kg/シート高:835mm
Vストローム1050よりも、24kg軽く、シート高は20mm低い。けれど、実際にまたがって走り出すと、数字以上に軽く、小さい。ひと回り、いやふた回りほどコンパクトに感じられるのだ。たまにしか乗らない、それも長距離のみという使い方よりも、近距離中距離にも使うとなると、やはりミドルクラスのメリットをありがたく感じることになる。
エンジンは、スズキミドルクラスの名機と呼ばれるVツインで、1999年にヨーロッパデビューを果たしたSV650系の水冷Vツインがルーツ。走り出すと、大きさ、パワー、取り回しやハンドリングとも、どんなシチュエーションでもストレスを感じない万能ランナーということがよくわかる。大きすぎない、力が強すぎない、それでいて走っていて不満を感じることが少ない。
エンジンのフィーリングはあくまでもマイルド。低回転からトルクがドカン、とくるタイプではなく、超フラットトルクなところが、長時間乗っても疲れないよさにつながっているのだろう。
ちょっと意地悪して高いギア、低い回転域で街を流しても、6速2000rpmなんて場面でも粘ってくれる。ただし、5~6速のギアレシオがオーバードライブ設定になっていて、6速は高速クルージング専用に使ってもいい。40~50km/hならば5速2000rpm、そこからグンとアクセルを開けると10000rpmまでトルクの落ち込みなく軽々と回ろうとする。
高速クルージングでは、トップ6速で80km/hは3700rpm、100km/hは4600rpm、120km/hは5500rpmくらい。テストコースで乗る機会もあったけれど、150km/h巡航でもびくともしない車体の安定性も印象的だった。ちなみにこの取材時の実測燃費は23~28km/L。69psを発揮する650ccとしてはいい部類に入るのではないか。
つまりVストローム650は、どんな回転域、どんなスピード域でも快適さと余裕を感じさせる懐の深いバイクなんだということ。悪く言えば優等生、特別ところがない。けれどそれは、長く乗れる、飽きずに愛車としてずっと付き合っていけることにつながっていくと思うのだ。
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装備・車両詳細
Φ310mmダブルディスクと片押し2ピストンキャリパーの組み合わせ。Vストローム650はキャスト、650XTはワイヤースポークホイールで、いずれもチューブレースタイヤ。
ヨーロッパでの評価が高い名機。国内モデルではSV650系と同系のツインプラグ式。トラクションコントロール、発進時に回転落ち込みを防ぐローrpmアシストを装備。
全長600mmという長めのアルミスイングアーム。タイヤはブリヂストン・アドベンチャーA40で、モデル特性によく合っている。2次減速比はSV650よりもショート=加速型だ。
リアサスペンションは伸び側の減衰力調整が可能なモノショックで、マフラーがある右サイドにタンデムや荷物を満載した時に便利なダイヤル式プリロードアジャスターを装備。
先代モデルでは横2灯だったヘッドライトは、現行モデルで旧1000と同じイメージの縦2灯に。ヘッドライト、ウィンカーはバルブタイプ、テールランプはLEDを採用している。
Vストローム650の美点のひとつ、硬すぎず柔らかすぎない前後一体式のダブルシート。タンデム座面も広めで、±20mmのローorハイシートもオプション設定されている。
ハンドル位置、スクリーン高さともベストな位置。スクリーンは取り付け位置を3段階に調整可能。メーターパネル左には12V電源供給のシガーソケットを装備している。
アナログタコと液晶を組みあわせるメーター。オド&ツイントリップ、瞬間&平均燃費、残ガス走行可能距離、電圧などを表示する。トラクションコントロールはOFF/1/2切り替え。
■試乗・文:中村浩史 ■写真:依田 麗

