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【新型TEST&RIDE】 BMW S1000RR インプレッション!

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  • 2019.04.29

BMWのスーパーバイク、S1000RRがフルモデルチェンジを果たした。速く走るモデルの基本、軽量化、高出力化、そして乗りやすさに真正面から取り組み、最新の電子制御技術を盛り込む。また、高性能四輪モデルのアイコンでもある「M」の名を新たに冠したモデルも用意するなど、その期待度は高まるばかりだ。

さらに速く、さらに軽く、そして楽しく。

S1000RRから始まるMにも期待度が集まる。


■試乗 : 松井 勉

■協力 : BMW Japan - Motorrad http://www.bmw-motorrad.jp/

  • 新型S1000RRのコンセプトは、軽く、ライバルよりも速く、そして乗りやすく‥

昨年秋に発表された新型S1000RRをテストするチャンスに恵まれた。テストトラックとして選ばれたのはポルトガル、リスボン郊外にあるエストリルサーキット。かつてF1やMotoGPも行われたコースだ。



 走り出す前にまず新型S1000RRの概要を紹介しよう。2015年から開発に着手したという新型の開発コンセプトは明快。軽く、ライバルよりも速く、そして乗りやすく、というもの。2010年シーズンから市販が開始された初代S1000RRはおよそ2年おきにマイナーモデルチェンジ(中身の進化は少なくなかった)を行い、パワフルで親しみやすいハンドリング、そして電子制御の使いこなし方などで、多くのスポーツバイクファンを魅了してきた。


鈴鹿8時間耐久に参戦したライダーのコメントでは、ノーマルベースのエンジンなのに、直線ではワークス勢にひけを取らない高性能ぶり、と耳にしたことがある。「電子制御の関係でイグニッションキーがそのまま付いたノーマルベースのレースバイクが、ですよ!」と。逆にワークスチームのライダーが「それ、どんなチューニングしているの?」と聞きにきたこともあると。


バイエルンのエンジン屋を意味するBMWらしいエピソードだろうが、車体などの改造具合、スペシャルなタイヤなどでラップタイムが変わるレースの世界。様々な事情やメーカーの意地が絡まないノーマルをそのままレース仕様にしたスーパーストッククラスではS1000RRが強かった、という話はおなじみである。

左のスイッチは他のモデルと共通した最新BMW流のもの。DTCスイッチが独立しトラコンの介入度を走りながらライダーが操作可能。

複数のパネルデザインで表示される6.5インチTFTカラーモニターに。エンジン温が適正になると本来のレッドゾーン表示になる。

  • 気になる「Mパッケージ」の概要は?

出来映えが良く、長く最前線にとどまったS1000RRだが、新作もそのDNAを引き継ぐべくしっかりとパッケージを見つめ直している。また、これまでハイ・パフォーマンスを意味したHPの名を冠してスペシャルモデルの展開をしてきたBMWモトラッドは、四輪のスペシャル仕様の呼称に合わせ、このS1000RRから「M」の名を使うという。


 エンジンはRシリーズに搭載して好評となった可変バルブタイミングシステム、B M W ShiftCam(以下シフトカム)を搭載。吸気カムに二つのプロファイルのカムを装備することで、回転数に合わせてベストなトルク特性を生み出すほか、徹底した軽量化を施し、エンジン単体で4キロを減量した。



 シャーシ周りでも軽量化は徹底された。どこかを大きく削る、というよりどのパーツもグラム単位で見直したという。ABSユニットの小型軽量化など必須アイテムの小型化もある。製法の進化もあったという。もろもろ合算して先代よりも11キロ、前後にカーボンホイールを履き、リチウムイオンバッテリーを搭載するMパッケージに及んでは、14.5キロの軽量化。まさに軽くなった。

気になる「M」ではあるが、現状、ホイール、バッテリーなどに軽量化パーツを使い、シートやカラーリングが専用となるにとどまっている。四輪でも318iのMパッケージと、M3では意味合いが違うのはご存じの通り。ファクトリーチューニングとも言えるM3 と、「M」のスポーティーネスを盛り込んだMパッケージという違いだが、今回のS1000RRはエンジン、サスペンションなどチューニングは同様ながら、パーツ使いで差異を付けている。



今後、2016年に登場したフルカーボンフレーム搭載のHP4レースに比肩するようなMモデルが登場するのか、という質問には「ノーコメント」だったが、小声で「Mパッケージはたくさん出るぞ」と関係者の一人は教えてくれた。つまり、Mパッケージが他のモデルにも波及する、という印象を深くしたわけだ。


 エストリルのピットにずらりと並んだS1000RRはMパッケージ。ミラーとナンバープレートホルダーを外すだけで簡単にトラック仕様に変身するあたりも、ユーザーがトラックデイに参加し、走るまでの時短を図るもの。ライバルたちがあれこれしている間にクールにBMWオーナーは準備完了、という画を描いているのだろう。

Mパッケージ車にカーボン、レースパッケージ車にHP鍛造アルミ、標準車は鋳造アルミホイールを履く。キャリパーはヘイズ製。

Mパッケージには専用ステッチとMマーク入りの専用シートが装備される。シート先端が細く足つき感上々。国内向けは二人乗り可能。

  • 可変バルブタイミングの恩恵で全域トルクフル!

最高出力207馬力。可変バルブタイミングのシフトカムは、アクセルの開け方、あるいは9,000rpmまでにローカム側からハイカム側にシフトする。先代モデルと比較すると、2,000rpm以上ですでに先代を上回り、5,500rpmから14,500rpmまでの広い範囲で100N・m以上のトルクを生み、特に5,000rpmから7,500rpmまでの常用域では、S1000RやS1000XRを上回るトルクフルな特性となっている。



 また、先代S1000RRが11,000rpmを過ぎると減退したトルクカーブが、新型では13,000rpmまでフラットに続く部分も、シフトカムの恩恵だろう。パワーカーブも同様で、5,000rpmあたりから、トップエンドまで一枚上手のパワーと伸びを示している。


 さあ、こんなパワフルなバイクがどんな走りを見せるのか。跨がると全体にコンパクトに見えた外観から想像するより183㎝の私が乗ってもゆとりがある。狭くないのだ。ハンドルの絞り角が緩くなったのが解る。選択したモードによって4種の異なる作画表示をするモニターも見やすい。レーストラックでの試乗だが、Bluetoothでスマホと連動させれば、ナビゲーションや電話、音楽プレーヤーとしても機能する。速いだけではなく、日常性もしっかり盛り込まれている。

集中して走り出す。慣熟走行となる初回、抜群の乗りやすさと、ハンドリングのわかりやすさ。接地感の掴みやすさも加わり、S1000RRの素質をしっかりと確認できる。実は路面は雨上がりのセミウエット。モードはレインでの走行だ。3速以下ではトルクを絞る制御となるレインでは、開け始めこそフルパワーよりマイルドになるそうだが、それを感じさせないトルクの太さで増速感はなかなか。軽い、という強烈な印象よりも、全体がバランスして、とても走りやすいという印象が強く残る。



 Mパッケージに電子制御セミアクティブサス、DDSを搭載していること、カーボンホイールという足周りが軽いこと、それらのコンビネーションだと思うが、路面が滑りやすいにも関わらず、自信をもってコントロールができる。旋回性についてもアプローチからクリッピング、そしてアクセルを開けての立ち上がりなど、セミウエットでもスムーズに駆け抜けることができる。気持ち良いのだ。



 その後、雨雲が活発化しレーシングレインに履き替えての試乗となったが、ストレートエンドでは270キロを軽く超えるパワフルさ、作動にギクシャク感のないトラコン、新採用されたヘイズのブレーキのタッチの良さも含め、S1000RRのパワフルで乗りやすい特性は見事引き継がれている。いや、さらに高い次元にまとまっている。ドライで乗っていないので確定的には言えないが、この素質の良さなら、本当に楽しいに違いない。

ボトムリンクタイプからフルフローター・プロと呼ばれるアッパーリンクとしたリアサスペンション。減衰の応答性をあげている。

シフトアップ、ダウン双方を受け付けるクイックシフターを装備。リンクの取り付け位置を変えれば正から逆チェンジにもなる。



●S1000RR 主要諸元

■全長×全幅×全高:2,073×848×1,151mm、シート高:824mm、車両重量:197kg■エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ、総排気量:999cm3、最高出力:152kw(207PS)/13,500rpm、最大トルク:113N・m/11,000rpm、燃料タンク容量:16.5L■フレーム形式:ブリッジタイプ、タイヤサイズ(前×後):120/70ZR17×190/55ZR17、ブレーキ(前×後):φ320mm油圧式ダブルディスク × φ220mm油圧式シングルディスク、懸架方式(前×後):倒立タイプテレスコピック × スイングアーム(フルフローター)■メーカー希望小売価格:2,277,000円

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