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【新型TEST&RIDE】 Kawasaki W800 STREET/CAFÉ インプレッション!

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  • 2019.06.03

カタログ落ちしていたカワサキのW800がフルモデルチェンジ。味のあるバーチカルツインの鼓動はそのままに、現代版クラッシックバイクとして仕上がっています。

変わらないことがNew“W”の変更点!

“W”らしさ、さらに上質に向上


二輪車排出ガスの平成28年規制の施行でカタログ落ちしていたW800が帰って来た。New W800は、そのパッケージを大きく変えず、部分的にリニューアル。今や世界的に数少ない空冷バーチカルツインの大らかな乗り味はそのままに細かいところの完成度を上げてきた! これぞWの真骨頂!


■試乗・文 : 中村浩史

■撮影 : 赤松 孝、南 孝幸

  • 流行の「ネオクラッシック」ではなく「リアルクラッシック」

 Z900RSの大ヒット、XSR700や900、それにニューKATANAが登場間近なことなどでも分かるように、いまバイク界は「ネオクラシック」が、ヒットモデルの大きなキーワードになっている。高性能に疲れてしまったか、スーパースポーツは自分にはとても扱いきれないと思ったか、古き佳きバイクらしさ、ホッとするスタイリングや存在感が、今また評価され始めているのだ。



 スタイリングは新しすぎず、オートバイらしいルックスで、中身は最新メカニズムを、もっとフレンドリーにリファイン。それがネオクラシック。けれど、カワサキW800は、それらの「ネオクラシック」とは一線を画す。それは、乗ってみればわかる、ディテールを眺めていればわかる、W800が「リアルクラシック」だからだ。

 今どき空冷エンジン、今どきパイプフレーム、今どきリアツインショックに正立フォーク、そしてワイヤースポークホイール̶̶。それぞれのディテールは取り立てて珍しくはないけれど、揃っているのはW 8 0 0のほか、ヤマハS RやホンダCB1100、ハーレーダビッドソンなど数少なく、世界中からどんどん少なくなっている。



 そのW800、今回のマイナーチェンジ内容は、単に排出ガス新規制をパスするだけではなく、これまでの“W”シリーズ変遷の歴史よりも大掛かりなものとなっている。何より大きなものは、ノンカウルネイキッドモデルのW800 STREETと、ビキニカウル付きローハンドル仕様のW800 CAFEの2本立てとしたことだろう。これは、最初からメーカーカスタムを提示することで、手軽にW800の、ふたつに魅力を味わってもらおう、というものだ。



 その他のマイナーチェンジ内容は、フロントホイール径の小径化やリアのディスクブレーキ化、ABSの標準装備と多岐にわたる。さらにフレームのリニューアルやフロントフォークの手直しで、車体剛性も高めた。カワサキは「やや高剛性の方向に振った」と説明しているが、それを感じられる場面はそう多くはなかった。



 つまり「あまり変わっていない」のだ。普通の工業製品ならば、マイナーチェンジであまり変わらないとなると、ちょっとがっかりもするものだけれど、W800についてはそれは当てはまらない。変わらなくてよかった̶̶それが偽らざる心境だ。


カフェには、先代のファイナルエディションの時にオプション設定されたようなビキニカウルが標準装備される。

カフェはこのスワロー形ハンドルで低いライディングポジションに。カフェのみグリップヒーターを標準装備する。


カフェ専用デザインのシート。タンデムステップ標準装備なので、2人乗りももちろん可能。表皮も専用品だ。



  • 磨きが掛かった”バーチカルツイン”エンジン

 エンジンに大きな変更はなく、あのアイドリングすぐ上からのスムーズなトルクは健在。800cc(正確には773cc)もの排気量ともなれば、それは立派なビッグバイクなんだけれど、W800にそんな押し出しは感じない。クラッチをラフにつないでも「ドン」と来るような乱暴な力ではなく、スーッと車速を乗せるスムーズなトルクがあるのだ。



 少し意地悪して、回転を上げずにトントンとトップ5速までシフトアップしてみても、空冷バーチカルツインが息つきを起こすことは少ない。5速2000rpmなんて低回転でも、ガクガクギクシャクせずにスーッと低速走行できるのだ。

 

 エンジンの回転フィーリングも、イメージほどズドドドド、というテイストはないが、水冷エンジンの無機質な回転上昇とはわけが違う。空冷らしくゆっくり燃え、トトトトトッと回転が上がっていく様がいい。気分がいいのはやはり、各ギアとも3000~4000rpmといったあたりだ。


 そこからアクセルを開けていくと、フラットなトルクがアッという間にスピードを乗せて、5 速80 k m / hで約2800 r p m 、100km / hで約3500rpmあたりでクルージングできる。この時の振動も少なく、これが現代のバランサーつき空冷SOHCツインなのだな、とわかる。実は今回、テストコースにも持ち込んで走ったのだけれど、180km/hを超える最高速も確認できた。意外と速いのだ、W800は。



カフェにはタンクにニーグリップラバーを標準装備。ファッションではなく、このポジションには有効なパーツだ。

前輪は従来の19インチから18インチへ小径化。ハンドリングへの影響は少なく、やや軽快になったかな、程度。

キャブトン形と呼ばれる「ピーシューター」形サイレンサー。リアブレーキがディスクになったのも大きな変更点。



  • 「リアルクラッシック」と言えど基本性能は現代のバイク

 フレーム剛性を最適化したのも、走りの端々で感じることができる。たとえば高速道路を走っていてのレーンチェンジや、道路のわだちに乗ってしまったとき、Wは従来感じた、ゆったりした「ゆさり」という揺り戻しがなく、前後輪がピシッと一直線になっていて、それが破綻しない印象。



 このフレーム&フロントフォークの剛性バランス変更は、ワインディングをハイペースで走っても垣間見えるくらいで、大きな変化を感じ取れるものではなかった。



 たとえばブレーキングでは、リアブレーキがディスク化されてABSを標準装備したことで、今まで以上に思い切ってブレーキがかけられるし、コーナリングにしても、そもそも標準装備のダンロップK300GPのグリップを超えるほど激しい走りができることなんて少ないのだから、高剛性化が走りのよさを生む̶̶とはいかないのだ。

深いバンク角は、すぐにステップを路面にこすりつけてしまって、W800にこれ以上のハイペースは無用だ、とわからせてくれる。



 ただしそんなW800と言えども、安全性は重要。パニックブレーキで、すぐグリップを失うようなブレーキでは困るし、リアのディスクブレーキは、従来のドラムブレーキよりもノスタルジックさに欠けるかもしれないけれど、少しの入力で減速するし、コントロール性もいい。だからこそ、今回のW800は「小さな変更」なのだと思う。


 バイクよりもオートバイ、オートバイよりも単車と呼びたくなるような存在感。ベテランが、もちろんビギナーも、この1台をずっと乗り続けたいな、と思わせるモデルなのだ。


■Kawasaki W800 CAFE〈STREET〉 主要諸元

●全長×全幅×全高:2,135×825〈925〉×1,135〈1,120〉mm ホイールベース:1,465mm、シート高:790〈770〉mm、●エンジン種類:空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ、排気量:773cm3、ボア×ストローク:77.0×83.0mm、最高出力:38kW(52PS)/6,500rpm、最大トルク:62N・m(6.3kgf-m)/4,800rpm、燃料供給装置:フューエルインジェクション、燃費消費率:30.0km/L(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)、21.1km/L(WMTCモード値 クラス3、サブクラス3-2 1名乗車時)、燃料タンク容量:15リットル、変速機形式:常時噛合式5段リターン●メーカー希望小売価格: 1,112,400円〈993,600円〉

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