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【新型TEST&RIDE】ホンダ・モンキー125(JB02)インプレッション!

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  • 2019.03.12

高性能を予感させるロードゴーイングレーサーがCBR1000RRやCRF450Lならば、モンキーのルーツは多摩テックという遊園地の遊具から誕生した本当にホンモノ、遊びのための乗り物なのだ。初代から続いた50㏄の時代にピリオドを打ち、遊びはもちろん、日常性もしっかり向上させた125モンキーの遊びの真髄とは。

ホンダが誇るレジャーバイク。

125にシフトして継続された熱意と思いを感じ取る。

  • モンキーの魅力は健在

寸詰まりのボディーに小さなタイヤ。エンジンも燃料タンクもシートを押し込み、ヘッドライトやウインカーといった灯火類もちゃんと入っている。オートバイの最大公約数のようなモンキー。そのスタイルはデビュー当時から今も変わらない。今回紹介するモンキー125は、そのサイズこそ大きくなったが、現行モデルでもそのスタイルは健在。見ただけでウキウキさせる遊び心にあふれている。そこにあるだけで楽しくなるバイク、それがモンキーの真骨頂だ。



 ホンダのなかでもこのモンキー、実は相当な歴史を持つ。海外向けに市販されたのが1964年だから、今年でモデル系譜は55年目に入ったことになる。その初期型はスーパーカブC100用のOHV50㏄エンジンを搭載し、最小限の長さにしたフレームの前後に5インチという小径タイヤを履いていた。前後にサスペンションはなく子供用自転車に燃料タンクを付け、エンジンをのせたようなスタイルだった。


 その起源には諸説あるようだが、その原型ができあがったのは1959年だったという。発売間もないスーパーカブの大ヒットで拡大しつつあった会社の規模、次なる製品のアイディアの種を探して、そのエンジンを使い自由な発想での物作りをしてみなさい、本田宗一郎さんとともに会社を成長させた藤沢武夫さんからそんな提案があったという。その中からできあがったのがモンキーの原型たる「ミニバイク」と命名されたケーススタディーだった。手元にあるモンキーの書籍によれば、当時、世界グランプリを戦っていたメカニックが来日し、その試作車を見て「モンキー・バイク!」とたいそう気に入り、パドックの移動用に持ち帰ったという。



翌年、アルミタンクを載せた試作二号機ができあがり、そして'61年9月ホンダの社内運動会でデモランをしたモデルには「モンキー・オートバイ」という名前がついていたという。


 その年にオープンしたホンダのモーター遊園地とも言うべきテーマパーク、多摩テックに子供用の乗り物として登場するのが'62年からだったから、その前からずいぶん煮詰められていたのだ。'64年、イギリス、ドイツ、フランスから広まったモンキー熱はその後アメリカにも渡り、世界を虜にしたのだ。

5.6リッターを飲み込むタンク。いろいろな時代のモンキーを思い起こさせるカタチ、カラーリングが印象的だ

燃料ゲージと速度計というシンプルな丸形メーター。ツイントリップも装備するなど使い勝手も配慮したものだ。

  • サイズアップとなったモンキー125

その最新型、モンキー125はどうだ。50時代、モンキー最大の特徴はクルマのトランクなどに入れて運べるよう折りたたみ式になったハンドルがあったが、このモデルには採用はされていない。そう、大きいのだ。50を愛するマニアには驚きのサイズアップになるだろう。エンジンだって2.5倍になったわけだ。そしてドラム式だった前後ブレーキは前後ディスクブレーキになり、ABSまで備える。安全と環境性能はいまや必須。その要件を満たしてモンキーらしい遊び心をしっかり封入したところに125の魅力がある。



 キックスタートオンリーだった始動方式はスターターモーターとFIによる電子制御により冷間時でもイッパツ始動。アップマフラーからこぼれる排気音はさすが125。パパパとしっかりとした粒感がある。少しアクセルを開けると、そのレスポンスはいかにもモンキーらしい適度な粘りを感じさせるもの。そしてシートを通じて感じるエンジンの鼓動がすごい。単気筒らしい鼓動だ。排気量の拡大を実感。たっぷりしたフォームを持つシートが適度に鼓動を緩和してくれるが、歴代モンキーと異なる別種の生命感なのだ。



シフトタッチはかっちりとしいる。4速ミッションであることに変わりなく、軽い力で握れるクラッチレバーをつなぐとモンキーは大きな車体や80キロを超す体重の私などまったく意に介さずトルクフルに動き出した。50時代、クラッチを離すと同時に吹けきってるのか、というぐらい1速がローギアードだったが、125モンキーでは1速からをしっかりと使いこなすかのように速度も伸びる。トルク感、パワー感もアクセルに合わせてついてくる感じは排気量のなせる技。ギアリングも一人乗りではベストに違いない、と思うほどしっかりと各ギアの守備範囲がある。



 高原へとモンキーを走らせた。標高は高くアップダウンが多いルートだ。以前、箱根駅伝ルートを50㏄モンキーで走った経験がある。箱根の上り、いわゆる往路の5区で小田原から芦ノ湖までの上り区間で50モンキーはあえぎ、1速まで駆使するほど速度が落ちた。20キロほどのこの区間で、今「山の神」が現れたらモンキーは追い抜かれるのではないか、と思ったほど。


 しかし、125のモンキーは易々と高原ルートを行くクルマを追走できる。あのとき、難所としておなじみの大平台駅先のヘアピンで道の左端を上りながら、思わず足で地面を蹴りたくなった……、なんてことはこの新型では絶対におこらない。別次元の乗り物だ。

グロムと同型のエンジン。管長を伸ばしエンジン下をまわるエキパイは目線位置から見えない秀逸なデザイン処理だ。

ゆったりふんわりしたシート。サイズアップした車体に会わせた大きさで、そのスタイルは長年見慣れたカタチだ。

  • 千里浜を目指すあのイベントだって楽々?

8インチから12インチと大径化されたタイヤの恩恵で、コーナリングもじっくりと寝かす印象に。乗り心地は全体にふわっとしたモンキーらしさを残しながら、リバウンドがしっかりと抑えられた大人びた走りに。シートの恩恵で走るのが楽しい。大きくなってもモンキーらしさが残っている。どこまでも青空を追いかけたい、そんな気分にしてくれる。



 ブレーキは前後ディスクとまるでカスタムしたモンキーのようでかっこいい。その効き味はカチっとしたタッチと握る力で減速力が簡単に調整できるタイプ。ジワっと握るのが好きな人にはレバータッチが硬い、と感じるかもしれないが、指に入れた力に沿うように調整できる減速力はなかなか。バイクを走らせる楽しさを盛り上げる。全体としてバイクとしての面白さが上がっている。歴代モンキーと125モンキーはやっぱりつながっていると感じる場面だった。



短い車体に大きな人間が乗り、まっすぐ走るコトにも注意しながら走るかつてのモンキーのキャラクターも魅力だが、しっかりとした安定感と楽しさのさじ加減がほどよい125の魅力は侮れない。50時代、スイングアームを伸ばしたり、ブレーキをディスクプレーキに変えたりするハイスペック化カスタムも、いわば乗り味の安定化をめざしたものだろう。その点でいえば、ライダーが本能で欲しいと思うものすべてが新型モンキーには備わっている。



 大手町の新聞社前から芦ノ湖まで、そして再び大手町へ、あの日、50のモンキーで走った箱根駅伝の道は長く遠かった。都心から川崎、横浜、とクルマに追い立てられるスリルや、バス停に止まっていたバスが発車し、追い越し切れず、追い抜かれるなんてこともあった。向かい風に押し戻された湘南では全開の連続だった。こんな思いは125ならしないはず。日の出とともに走り出し、千里浜を目指すあのイベントだって楽々走破してくれそうだ。つまり遊び心の守備範囲が拡大したわけだ。新たなモンキーの時代に試されるのは、こちらの遊び心なのかもしれない。負けてられないのだ。

テールエンドに装備された丸形テールLEDランプ。フェンダーは短く見せるため後部の存在感を抑える仕上げだ。

マフラーはしっかりと容量を稼いだ角形でその排気口はライダーの耳元に近く、いい音を届けてくれる。


■Honda MONKEY125(2BJ-JB02)主要諸元

●全長×全幅×全高:1,710×755×1,030mm、ホイールベース:1,155mm、シート高:775mm、最低地上高:600mm●エンジン種類:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ、排気量:124cm3、ボア×ストローク:52.4×57.9mm、最高出力:6.9kW(9.4PS)/7,000rpm、最大トルク:11N・m(1.1kgf-m)/5,250rpm、燃料供給装置:電子制御燃料噴射(PGM-FI)、燃費消費率:71.0km/L(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 1名乗車時)、67.1㎞/L(WMTCモード値 クラス1 1名乗車時)タイヤサイズ前:120/80-12 65J、後:130/80-12 69J●メーカー希望小売価格:399,600円、ABS仕様は432,000円


■試乗:松井 勉 ■撮影:松川 忍

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