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【新型TEST&RIDE】ホンダ・CB1300 SUPER FOUR SP

  • 最新ニュース
  • 2019.02.18

15年目突入のロングセラーCB1300に新たな魅力を追加したSP。 ハイグレードパーツを装備し、走りを一新した「特別なCB」。CBオーナーはとても気になる1台ではないでしょうか。

 1998年誕生のCB1300スーパーフォアは、2003年にフルモデルチェンジを受けてこのモデルに。それからなんと15年!初代CBナナハンもCB750Fもなしえなかった驚くべきロングセラーとなり、さらにまた魅力が加わったのが「SP」だ。

  • ホンダスポーツバイクのど真ん中、王道を往くモデル

 15年といえば、ひと昔どころかそれ以上。工業製品やオートバイにとっての15年とは、とっくに新鮮味も薄れて、いくら高性能といっても慣れっこになってしまうほどの長期間だ。


 なのに、CB1300スーパーフォア/スーパーボルドールは、いつ乗っても、その新鮮味がまるで薄れない不思議なモデル。もちろん、数年おきに細かくマイナーチェンジを施したり、当初はネイキッドスタイルのスーパーフォアだけだったラインアップに、カウル付きのスーパーボルドールやスーパーツーリングなどをタイプ追加したりと「テコ入れ」は施されているけれど、やはり「15年」という長期間にわたって人気モデルであり続けているのはすごいこと。文句なく、ホンダスポーツバイクのど真ん中、王道を往くモデルなのだ。 



 そのスーパーフォア/スーパーボルドールに新たにタイプ追加されたのがSP仕様。前後にオーリンズ製サスペンションと、ブレンボ製フロントブレーキキャリパーを標準装備した「特別なCB」で、CB1300シリーズに初めて追加された、ハイパフォーマンス仕様と言っていい。

 もちろん、前後オーリンズやブレンボを装備することは、CB1300シリーズに限らず、いわば定番のカスタム。しかし、ホンダ市販車に純正で標準装備されたことで、もちろんパーツをただ取り付けただけでなく、専用セッティングが施されているし、しかもパーツ単体での購入は不可能(もちろんSP車のオーナーの修理交換は可能)だから、従来のC B 1 3 0 0シリーズのオーナーがパーツを取り寄せてSPのサスペンションやキャリパーを組み付けることはできない。それだけ「特別なCB」なのだ。


 さらにSPのメリットはもうひとつ。オーリンズ製フロントトフォークとリアサス、それにブレンボキャリパーをパーツとして購入すると、そのパーツ代は簡単に計算して、約5 5 万円以上。それをショップで組み付けてもらう工賃や、セットアップも含めると、60万円、70万円コースのカスタムなんだけれど、それがそのまま市販されると、併売されるスタンダードとの価格差は約36万円でしかない!そんなバーゲンプライスなのだ。

LEDを採用し、いま風のスッキリ感に仕上げたヘッドライトは、夜間の明るさに感動。ウィンカーもLED。

CB750FCを思わせる白×青カラーはSP専用色。燃料タンクは大容量21Lでフルタンク300kmをクリア。

  • 車体パフォーマンスが上がり、価格アップも充分納得!

 もちろん、その特別さは車両価格にも言えることで、スーパーフォアSPは185万1120円、スーパーボルドールSPは195万9120円と、新車乗り出し価格は200万円コースになってしまうけれど、充分にその価値はあるモデルなのだ。 そしてその価値は、もう乗り出した瞬間にハッキリと体感することができる。出荷状態のまま乗り始めた瞬間、フワッと発進するスーパーフォアSP。街乗りを始めてものの5分で、ハイグレードサスペンションの恩恵は体感できる。


 もう少し詳しく言えば、バイクが良く動くが、動きすぎることはない。特に車体の上下方向に良く動き、フラフラしない。軽快でありながらハネない、節度が生まれるような感覚。これがハイグレードサスペンションの醍醐味だ。


 ブレーキは、まずタッチが軽くなり、レバー入力に応じてじわーっとディスクローターを締め付けていく感覚がわかりやすくなる。もちろん、絶対ブレーキ効力は、スタンダードと大差ないのだろうけれど、コントロール性が格段に良くなる̶̶それがハイグレードキャリパー。もちろん、サスペンションの動きがよくなったことで、その相乗効果でブレーキのフィーリングは向上するものだ。


 コーナリングと呼べないほどの交差点や曲がり角でも、スタンダードに比べてフットワークは軽い。スーパーフォアがひと回り小さく、軽くなっている錯覚にとらわれるほどだ。


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 これは少しずつペースを上げると、さらにハッキリと体感できるようになる。街乗りを経て高速道路に踏み入れると、今度は軽快さよりも乗り心地の良さがハッキリとわかる。路面のギャップやうねりが体に伝わることが少ないし、その路面による車体と体の上下運動(サスペンションストロークとピッチングモーション)がソフト。たとえば10のスピードで沈むけれど、その戻りは10のスピードでは戻らない。感覚的にシュッと沈んで、ジワーッと戻る、ダンピングが効いた状態̶̶これがSP最大のメリットなのだ。

オーソドックスなアナログ2眼メーター間に液晶表示を配置。ギアポジションや走行燃費も表示する。

シート下スペースは広く、ETC車載器も標準装備。左右独立グラブレール、ヘルメットホルダーも装備。

  • 足回りのグレードアップがSPの魅力

 ワインディングを走ると、一般道で感じた動きの軽快さと、高速道路で感じた乗り心地のソフトさを実に良く感じられる。ワインディングを走るというのは、アクセルのオンオフ、ブレーキ入力と開放を一般道よりもメリハリよく繰り返すことなので、そのアクションに対する車体の動きが節度良く、ソフトだということ。


 減速すると、フロントが下がってリアが上がる。するとハンドルが自然に切れてバイクがバンクして、小さくくるっと、自然にコーナリングしていく。この動きは、スタンダードよりも軽快でメリハリが効いて、なによりスポーツランが楽しくなる。そう、これがSPの最大の魅力なのだ。



 さらにサスペンションに限って言えば、調整機構がスタンダードよりも充実していることで、自分スペシャルのCB1300をビルドアップすることもできる。前後とも「プリロード/伸び側&圧側減衰力」を調整できることで、ライダーそれぞれの体格、乗り方に合ったサスペンションの動き方を決められるのだ。


 もちろん、そこまで突き詰めなくても、スタンダードよりも明らかにフットワークが軽く、スポーツランが楽しいSP。15年目のCB1300に今までにない大きな魅力が追加されたことで、CBのロングセラーっぷりもさらに加速していくはずだ。


■CB1300 SUPER FOUR SP <>内はSUPER BOL D'OR SP(2BL-SC54)主要諸元

●全長×全幅×全高:2,200×795×1135<2,200×825×1215>mm●ホイールベース:1,520mm●シート高:790mm●最低地上高:125mm●車両重量:268 <274>kg●エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ●排気量:1,284cm3●ボア×ストローク:78.0×67.2mm●最高出力:81kW(110ps)/7,250rpm●最大トルク:118N・m(12.0kgf-m)/5,500rpm●燃料供給装置:電子制御燃料噴射(PGM-FI)●燃料消費率:26.8km/L(国交省届出値 定地燃費値60km/h 2名乗車時) 16.8km/L(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)●燃料タンク容量:21リットル●変速機形式:常時噛合式6段リターン●タイヤサイズ:前120/70ZR17M/C 58W 後180/55ZR17M/C 73W●フレーム形式:ダブルクレードル●メーカー希望小売価格:1,851,120円<1,959,120円>


■試乗:中村浩史 ■撮影:依田 麗

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