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【新型TEST&RIDE】SUZUKI KATANA 試乗インプレッション

  • 最新ニュース
  • 2019.11.26

ファン待望の復活を遂げた新KATANA。各仕様のレビューや注目の試乗インプレッションです!

新時代に生まれ変わった“名刀”

活かすも殺すもライダー次第


2000年に限定発売されたGSX1100Sファイナルエディションを最後に消えていたカタナがGSX-S1000 ABSをベースにして復活した。熱狂的なファンが多く、一般的にも知名度が高い、スズキにとって重要かつ大切なブランド。注目を集める新KATANAは、どう作り込まれ、乗るとどんな走りなのかをレポートする。


  • スタイル優先による苦労の跡

イタリアの二輪専門誌の企画で製作され、2017年のEICMA(ミラノショー)に展示されたKATANA 3.0 CONCEPTに対して国内外から想像以上の大きな反響があったことが新しいKATANAが誕生するきっかけだった。3 . 0CONCEPTのスタイリングを維持することを最優先にして開発は進んだ。コンセプトモデル自体がGSX-S1000 ABSをベースにしていたこともあり、そのままGSX-Sを下敷きにしている。考えてみれば、1981年に発売された初代のカタナも同じ流れだ。当時すでに市販されていたGSX1100Eをベースにして海外のデザイン会社によるスタイリングで誕生したものだった。


スタイル優先による苦労の跡は、レイアウトに見られる。アルミツインスパーフレームや4気筒エンジン、前後の足周りはGSX-S1000 ABSのままだが、収まりきらない燃料タンクはシート下まで伸ばされた。そうしてもGSX-S1000 ABSの17Lに比べ12Lと容量は小さい。行き場を失ったバッテリーはシート後席の下へ移設されている。アップハンドルはストリートファイター的なポジションを目指し設定されたもの。


それでもディテールはスズキの手により少し変わっている。コンセプトモデルよりフロントエンドは尖った形状で伸ばされ、ヘッドライトはファーストカタナを連想させるスクエア形状に近いものを採用してよりシャープな顔つきになった。コンセプトモデルにもあったファーストカタナのチンンスポイラーをオマージュした黒いウイング部分にはLEDポジションランプを入れた。

コンセプトモデルからノーズが伸ばされ、よりカタナらしい形をしたヘッドランプに変更された。

アップハンドルはテーパーバー。ハンドルクランプのトップにはKATANAを主張するレリーフ。

  • スタイルだけではない。乗り心地も抜群!

シート座面はGSX-S1000 ABSより15mm高い825mm。身長170cmで69kgが跨ると両足では足指の付け根くらいまで接地する。思いっきり一番前に座るより、私の体格だと手のひらが入るくらいの隙間を開け後ろに座った方が、足がまっすぐ地面に伸びやすい。後方に向けて上がるシート形状により座る位置が気持ち高くなるけれど、その方が足つきは良く、直立を保ちやすい。気持ちよく内ももがフィットしニーグリップしやすい座る位置でもある。


ハンドルグリップは肩幅よりこぶし約1個半外側。狙いだったストリートファイター的なハンドルポジションは、腕の短い私にとって肘が曲がる分前後の長さが稼げないので、遠く感じるのではないかと心に引っかかっていたけれど、乗ってみると思ったより肘が出ない自然なポジションだった。贅沢を言わせてもらえば、もう1~2度くらい手前に絞ってくれると、もっと楽に感じると思う。ちなみにハンドル切れ角は左右30度と初代のGSX1100Sと同じ。空冷時代より車体が小さく軽いとはいえ、もう少し欲しいところ。


スズキイージースタートシステムは、4輪車のようにエンジンスタートボタンを部屋の電灯スイッチのように一度押すだけで、押し続けなくてもセがエンジン始動まで回る。排気音は耳障りにならない程度の音量ながら太い音でワイルドだ。扱いやすさに定評があった2005年から2008年までのスーパースポーツGSX-R1000に積まれていたのを下敷きにしたロングストロークの水冷4気筒998ccエンジンの厚みのある低回転トルクが魅力。3速のまま、スロットルから手を完全に離して回転数がほぼアイドリング位置まで下がっても、エンストすることなく20km/hくらいの速度を維持しながらグイグイ進む。流行りの電子制御スロットルではないけれど、その領域で力強いトルクが過度な特性がなく滑らかに仕立てられている。エンジン回転数、ギアポジション、スロットル開度、クラッチスイッチなどから判断して制御するローRPMアシストが機能している。

ツートーンの表皮と、後席3本線は、初代カタナをオマージュしたデザイン。シート高は825mm。

アルミツインスパーフレームは、スーパースポーツモデルのGSX-R1000をベースにしたもの。

  • 街中、高速、ワインディング…どんなシーンでもコンパクト

その極低回転から淀みなく高回転まで繋がっていく。最高出力109kW〈148PS〉/10,000rpm、最大トルク1 0 7 N・m〈1 0 . 9 k g f・m 〉/9,500rpmは流石に速い。一気に速度が伸びる。どの回転数からでもスロットルをあけるだけでスムーズに加速。豊かなトルクのおかげで、高めのギアを選択したままでも右手だけで速度変化をつけられるズボラな運転もできる。ちなみにトップ6速での100km/hは4千回転ちょっとだった。


GSX-S1000 ABSより前に座るライディングポジションにより、少なくなったリア荷重に対し、より柔らかくして対処したというリアサスペンションは、スッと入り込み奥で粘る。スーパースポーツのようなクイックさとは違い、フットワークが軽いながらいい意味で穏やか。速度を上げても公道で可能な速度域でトリッキーなそぶりはまったくない。両輪は常に路面に接地しているフィーリングを伝えてきて、路面が荒れた狭いつづら折りでもイージーかつハイペースで流していける。リア荷重減少によるトラクションの不足は感じられなかった。街中、高速、ワインディングと、どんなシーンでもコンパクトに感じ、全体の動きに角がない。そしてスロットルを開けたら十分なほど速く、しっかり止まれる。これなら、ビギナーであってもとっつきやすいだろう。


流行のネオレトロとも言われる懐古主義的なものにせず、実用的で性能の高いモダンな構成と走りのまま新しいカタナを作ったところを評価したい。価値観は人それぞれながら、ライバルとなるZ900RSより少し高く、CB1000Rより少し安い価格設定は、カタナブランドと装備を考えるとお得感すらある。

エンジンはG S X - S 1 0 0 0A B Sと同じ。K 5~K 8 型GSX-R1000のエンジンをベースにしている。

現行G S X - R 1 0 0 0 R Rをベースにしたメーターだが、オープニングアニメで「刀」の文字が出てくる。


■SUZUKI KATANA(2BL-GT79B)主要諸元

●全長×全幅×全高:2,130×825×1,110mm、ホイールベース:1,460mm、シート高:825mm、装備重量:215kg●エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ、排気量:998cm3、最高出力:109kW(148 PS )/ 1 0 , 0 0 0 r p m 、最大トルク:1 0 7 N・m(10.9kgf-m)/9,500rpm、燃費消費率:23.8km/L(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)、19.1km/L(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)、燃料タンク容量:12リットル、タイヤ:前・120/70ZR17 M/C(58W)、後・190/50ZR17 M/C(73W)●メーカー希望小売価格:1,512,000円(消費税8%込み)


■試乗・文 : 濱矢文夫 ■撮影:松川 忍


■協力 : SUZUKI http://www1.suzuki.co.jp/motor/

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