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ホンダ VFR750R (RC30) リフレッシュプラン説明会レポート!

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  • 2020.07.09

2020年6月30日(火)に開催されたホンダ VFR750R (RC30) リフレッシュプラン説明会のレポートです!

2020年6月30日(火)に本田技研工業株式会社 青山本社 ホンダホールにおいて、ホンダの二輪製品をベストなコンディションに維持するプログラム「リフレッシュプラン」の説明会が開催されました。


当日は、VFR750R (RC30) を対象にした詳細が紹介されましたのでレポートします!

  • 「リフレッシュプラン」とは?


ホンダ VFR750R (RC30) は、1987年に限定販売された高性能スーパースポーツモデル。


市販車を使用するレースに出場をするための「ホモロゲーション(認証)モデル」としての成り立ちを持ちます。


日本国内での販売台数は1000台(3,000台以上の注文が入り抽選販売に。)で、海外を含めた総生産台数は4,885台となりました。


発売からすでに30年以上が経ちますがレースでの輝かしい実績もあり、今も多くのファンが存在する特別なモデルです。


この日は、ホンダコレクションホール所蔵の車両を展示。


このバイクは「車名(VFR750R)」より、「型式 (RC30 : アールシーサンマル)」で呼ばれることのほうが多いですよね。


1986年の鈴鹿8耐優勝のワークスマシンRVF750をベースにした車体構成とデザイン。

各部に特別な素材を使い軽量化を実施して、レース出場が可能な装備と性能が、今も語り継がれています。


「リフレッシュプラン」は「整備と部品販売」が一体となったプロジェクト。


リフレッシュプランは「基本メニュー、プランメニュー(エンジン系、車体系)、オプションメニュー」の3つからなり、オーナーの要望に応じた各種の整備プランの多彩な内容を用意。整備過程でオーナー自らが現地を見学することも可能にする予定。


7月28日(火)から全国のHonda Dream 7店舗「リフレッシュプラン受付店」で相談、申し込みを開始、8月上旬に熊本製作所内に開設する「モーターサイクル リフレッシュセンター」で要望に応じた整備プランが行われます。


整備プランや車両の受入条件等は多岐にわたりますので、詳細は下記のサイトから!

https://www.honda.co.jp/motorcycle-refresh-plan/

  • 「再販売する部品の数だけ物語がある」

「VFR750R(RC30)リフレッシュプラン」プロジェクトリーダーの並木敏夫氏(右から3人目)が今回のプロジェクトのエピソードを披露。


ほとんどの部品が販売終了のなか、手書きの図面から金型を作ったり、部品の製造メーカーとの交渉の苦労を披露し、「再販売する部品の数だけ物語がある」と語りました。


会場に並べられた再販売される純正部品。


「VFR750R(RC30)純正部品再販売プロジェクト担当の大久保尚紀氏(上の写真 右)は、Honda 旧車部品再販売の取り組みを説明。


RC30オーナーからの「純正部品が欲しい」との要望にこたえ、部品単体での販売も実現。必要な部品 約150点の再販売を実施し、まずは34点を6月30日(火)から販売開始と発表しました。


純正部品の再販売は、経年劣化が見込まれるパーツや定期交換部品などに加え、オーナーや販売店からの要望を踏まえた部品を厳選して、取引先や車内の協力のもと、順次生産を開始する予定。


RC30特有の片持ち式スイングアームにおいて使われる「ベアリングホルダー」は、「足まわりの”しっかり感”を蘇らせる」パーツ。特別な構造によりリヤタイヤまわりを支える要の部品です。


新車時のシフトフィーリングを蘇らせるための「クラッチASSY.」では、左のクラッチアウターは金型から作り直して製造。クラッチディスクは、オリジナル仕様から最新式同サイズ量産品の組み合わせに変更し、長期にわたる性能維持を確保。

  • 「FRP製」フェアリングにした理由

外装ではFRP製フェアリングを再生産。この日はオリジナルと並べて展示。


フェアリングはオリジナルの「木型」がなく、コレクションホール所蔵車から型を取り、10回の修正を経ての製品化。

(フューエルタンクは再塗装の整備メニューあり。)


並木氏はフェアリングの再生産では現代の素材を使うので当時と製法が異なっていると説明しましたが、さらに詳細を知りたかったので、その後に二輪事業本部 ものづくりセンターの木原照雄氏(左)から個別にお話しを聞けました。


そもそも、なんでフェアリングを量産車では珍しい「FRP製」にしたかというと「転倒して破損しても容易に修理が可能」との理由があったから、とのことです。


当時のガラス繊維は分厚くて均一に貼るのが大変だったそうですし、最後は「型」にはめて圧縮成型が必要と「職人技」で生産していたとのこと。現在は薄いシート状のもので品質が高く、最後の工程が不要になったとのことです。


オリジナルのフェアリング。内側の黒い部分の表面で素材がFRPであることが分かります。


こちらは再生産フェアリング。 たぶん組んでしまうとどちらか分からないと思いますが、新旧ともに「純正」なので、いずれも「価値ある一品」であることは間違いないところです。


この日の最後は「Honda二輪の生き字引」と言われる二輪広報課の高山正之氏がこの7月で65歳で定年退職となり、挨拶しました。この日の説明会が私には最後のご縁となりました。ホンダの様々なイベントで大変お世話になった方です。


この年代の方たちはいわゆる「HY戦争」と言われたバイク販売が一番盛り上がった時代に関わった世代ですので、もっといろいろなお話しを聞きたかったです。ありがとうございました!

(取材協力) 本田技研工業株式会社


(写真・文) 森井智之

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