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【YAMAHA MT-09 SP ABS】トリプルパワーを飼い慣らせ! 新型MT-09の進化度を見る。

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  • 2021.08.20

今回は​「YAMAHA MT-09 SP ABS」をご紹介します!

直列3気筒エンジンが持つ独特の音、トップエンドまでトルク感とパワー感が伸び上が

るような特性。この形式でしか味わえない世界を持たせた個性。新型MT-09 / 09 SPはその濃度を増して登場した。

  • 進化した様々なポイント

マスター・オブ・トルク──その頭文字をとって「MT」と名付けたシリーズが始まったのは、2005年発売のMT-01からだった。


クルーザー、スターシリーズ用の空冷Vツイン1700㏄の巨大なユニットを搭載したネイキッドバイクは、2本の極太サイレンサーがあたかもリアフレームを兼ねるようなインパクトある車体デザインで注目を集めた。


翌年にはMT-03という660㏄単気筒を搭載したモデルがデビュー。


名の由来から想起されるとおり、トルクを前面に打ち出した個性と走りが売り物だった。


しかしヤマハはMT新時代に照準を合わせた直列3気筒エンジンを心臓にもつ新たなMTシリーズを送り出す。2014年のことだ。


その後、MTシリーズは10、07、03、25と、直列エンジンと排気量を軸に進化をしてゆく。



トルク&アジャイルを標榜するコンセプトを持つ新種のロードバイクであり、MT-09はその後、2017年にマイナーチェンジを行い、そして今回、フレーム、エンジンを一新しフルモデルチェンジした。



ここに紹介するのは、フロントにDLCコートを施したインナーチューブを持つKYB製のフォーク、リアにオーリンズ製ユニットを奢った他、装備でも上級さを付加したSP仕様である。


新型MT-09シリーズの開発の方向性は、これまでの延長線上にあるものだ。


トルク&アジャイルを拡大する意味で、モア・トルク&アジャイル+フィールと位置づけ、丹精込めて開発が行われた。


環境規制ユーロ5に切り替わるタイミングでのフルモデルチェンジだけに、その規制に対応しつつ、音、パワー、ハンドリング、所有感など全ての視点で進化を遂げている。


改良ポイントを紹介すると、車体周りでは、4㎏の軽量化がされた。アルミ鋳造された外観パーツとしても機能するフレームから贅肉が省かれた。


中でもホイールはリムの部分の鋳造された箇所をさらにローラーで挟み込み組織を密に、強度を上げる新製法により、肉厚を3mmから1mm薄くされている。


回転中心のハブから遠い部分がより軽く強くなったことで、回転慣性モーメントが低減。アジャイルなハンドリングにも寄与している。

エンジン周りでは、従来モデルが845㏄だったのに対し、排気量を888㏄へと拡大。78mmのボアはそのままにストロークを59mmから3mm伸ばし62mmへとしたことで達成している。


スペック的にも85kW/11000rpm、87N・m /8500rpmだった先代モデルに対し、88kW/10000rpm、93N・m/7000rpmへとともに数値をアップさせ、発生回転数を下げている。


また、ストロークを伸ばしつつも、内部の回転慣性マスは300g軽くされたのも特徴だ。


パワーカーブを見ても、ピークトルクの7000rpmから9000rpmあたりまでをフラットな出力特性カーブを描いているのも特徴で、先代が5500rpmからピーク域の8500rpmに向け上り詰めるような出力特性だったものとは異なるもの。乗りやすさを直感させる仕上げだ。刺激が足りなくなったのか?


答えはノー。人機官能を是とするヤマハは、2000rpmから5000rpmあたりの排気音でトルク感を、5000回転からトップエンドまでの吸気音でパワー感を新型MT-09からしっかりと受け取れるようサウンドチューニングにも抜かりがなく整えている。


以前4灯だったLEDヘッドライトは、中央に1灯のスタイルに変更され、ノーズの鋭さを増した新型。全体のスタイルは初代から引き継ぐMT-09らしさを持つ。


前作にもあったSPは、YZF-R1SPとの共通項を持たせたようなカラーリングで、ヤマハブルーを印象付け、レースシーンをほのかに香らせる。

電子制御スロットルになったアクセル周り、アシストスリッパークラッチと併せて採用したことで、左右の手の操作感にさらに調和が出てより軽快に。


ボトムトルクはこれまでも充分だったから、大きな違いを感じる場面はないものの、トルクの出方が扱いやすくマイルドな印象に。


これは先代のアクセルリターンスプリングがけっこう重たく、開け口のところでドンと出る印象があった。それだけに市街地レベルでは乗りやすくなったはず。

  • 試乗インプレッション

今回はサーキットにシケインや一時停止を設けた特設コースなので、ついついアクセル全開の場面が多かったものの、とにかく扱いやすさが印象的。


加速力はMT-09らしく、回転上昇とともに前輪がふわっと浮き、それを地上10㎝のところで維持している感じ。


先代だと開けたままだと10㎝が30㎝に、さらに前輪が浮き上がるような加速だったので、思わず右手を戻したが、新型は気分良し。


これは電子制御コントロールもあってとのことで、トルク&アジャイルのエンターテイメント性の優秀さを実感。サスペンションは標準モデルより吸収性が高く乗り心地も上質。


さらにMT-09らしいピッチングを走りのなかでリズムのように取り出せるものの、それが穏やかに起こるためここでも乗りやすい。


タイヤの構造などもブリヂストンと共作した専用チューンのタイヤとのマッチングも上々で、充実感あるコーナリングを楽しめた。長時間MT-09を味わっても疲労しにくい新型。


さらにその時間を上質にするSPモデル。そうしっかりと確認が出来たテストだった。



サーキットでも楽しめるハンドリング。コレクターボックス左右から下向きに排出されるマフラーエンド。


3気筒サウンドは高回転で心を締め付けるほどキュート。他では真似が出来ないもの。

  • 装備・車両詳細


こちらはMT-09のスタンダードモデル。ボディーカラーによってホイールのカラーなども変わる従来通りの攻め方。


フロント周りの印象は最新のMTシリーズと合わせたものに。よりタンクとエンジン周りの凝縮感が強調され、それをヘッドライト周りでも展開している。


リアフェンダーもリアフレームから伸びるかたちになったのも大きな特徴。軽量化になったという。


対するSPモデルは、DLCコーティングをインナーチューブに施したフロントフォーク、オーリンズ製フルアジャスタブルのリアショックユニットを装着することを基本として、スイングアームの色調はアルミ地風に、ホイールはR1SP風に、タンクの一部もアルミ地風塗色を採用。ヤマハのレーシングなスピード感を付与したパッケージになっているのが特徴。


両サイドにDRLを装着し、中央に1灯のLEDライトを備えた新しいMTフェイスを採用する。


LCDモニターを採用する新型。サイズを大型化し、様々な表示、コマンドへのアクセスも良好に。


ハンドル位置を調整出来るのも特徴。標準位置かライダーに9mm寄せ4mm上げられる。


MT-09らしいライダーに広くパッセンジャーに小ぶりなシートというスタイルを踏襲している。


鋳造ホイールのリム部を鍛造製法のようにローラーで圧縮延べ工程を加え強化軽量化したもの。


すべてに進化したエンジン。トルクの取り出し方がよりアジャイル方向になったことも美点。


スイングアームにマウントされたリアフェンダー、テールランプ類がなくなりシンプルになった新型。


各センサーが小型軽量化された他ETC車載器を納めるスペースが出来たシート下スペース。


※諸元

●YAMAHA MT-09 ABS〈MT-09 SP ABS〉 主要諸元

■型式:82BL-RN69J ■エンジン種類:水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ ■総排気量:888cm3 ■ボア×ストローク:78.0×62.0mm ■圧縮比:11.5 ■最高出力:88kW(120PS)/10,000rpm ■最大トルク:93N・m(9.5kgf・m)/7,000rpm ■全長× 全幅× 全高:2,090 × 795 × 1,190mm ■ホイールベース:1,430mm ■シート髙:825mm ■車両重量:189〈190〉kg ■燃料タンク容量:14L ■変速機形式:常時噛合式6段リターン ■タイヤサイズ:120/70ZR17M/C 58W180/55ZR17M/C 73W ■ブレーキ(前/後):油圧式ダブルディスク(ABS)/油圧式シングルディスク(ABS) ■車体色:パステルダークグレー(グレー)、ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)、マットダークグレーメタリック6(マットダークグレー)〈ブラックメタリックX(ブラック)〉 ■メーカー希望小売価格(消費税込み):1,100,000円〈1,265,000円〉

■試乗・文:松井 勉 ■撮影:渕本智信 

■協力:ヤマハ発動機 https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/mt-09/

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