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全てのベテランへ、 そして大型初心者の良き道案内人として。【カワサキ Z900】

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  • 2021.06.09

今回はカワサキのダークホース、「Z900」をご紹介します!

Z1000があるのに、なぜわざわざ900を? という気持ちがみんなにあるのか、どうせなら1000でしょう! となるのか……どうにもこうにも国内では目立たない存在のZ900。


もともとはZ1000の弟分的にボアダウンした750、後にボアアップした800、そして今回またストロークアップした900と進化してきたモデルで、欧州などでは「使えるスポーツバイク」として根強い人気に支えられてきた。


900になり初めて国内正規販売がされるようになったが、やはり兄弟モデルのZ1000やZ900RSに少し隠れてしまった存在であることには変わりないように感じる。


 スペックを見ると1000に対して16馬力少なく、7kg軽く、シートは15mm低く、ホイールベースは逆に15mm長い。キャスター・トレールといった数値もいくらか安定方向で、こういった数値を見るだけでとっつきやすそうな性格が連想でき、さらに価格は7万1500円安いため、そこでもハードルの低さがある。


 しかしこういったバイクを購入するとなると「どうせなら1000にしちゃおう」となる気持ちも重々わかってしまう差、とも言えるだろう。これだけよく似た2台をラインナップする意味とは!? ところが乗ってみると納得することも多いのだから面白い。
  • 1000でもRSでもない、カワサキもう一つの大型Z

1000では跨っただけでコンセプトにもある「凄み」が伝わってくるが、900はそうでもない。


非常に楽チンなポジションにあるハンドルや、かなり低いと感じられるシート高によるところなのだろう、とてもコンパクトでミドルクラスモデルに感じられるサイズ感にすぐに自信が持てる。

クラッチを繋ぐとさらに優しさを感じられる。レスポンスがとても従順で、ライダーの意志以上にドンと飛び出すようなことが皆無。


駆動がしっかりかかってからは逆にキビキビと加速してくれるため、街中や細かいワインディングでもその加速力を引き出すのに怖さがなく、アクセスのしやすい高性能が感じられる。

特に兄弟モデルでもあるZ900RSに比べると、ファイナルがショートなことやエンジンがより高回転設定であることなどからかなり活発な印象があるのだが、125馬力もあるにもかかわらずどんどん高回転域を楽しみたくなるような優しさや包容力の併せ持ち、自信をもたせてくれるからさらに元気に走らせたくなってくる。


パワーバンドに入ってからの加速力は相当なもので、ちょっと路面が濡れていれば直線でもすぐにトラコンのランプが光るほど。

確かに1000に比べればわずかに出力は落ちるものの、直感的な「速さ」に全く不足はなく、むしろロングストロークゆえか、それとも車体とのマッチングなのか、その速さへのアクセスのしやすさという意味では1000以上のものを持っているとさえ感じる。

  • 職人的実力をもつカワサキのダークホース

車体の方だか、こちらはZ1000のアルミに対してスチールフレームというのが特徴だろう。


今やスーパーチャージャー仕様のモデルもスチールフレームを採用しているためカワサキとしてはかなり自信があるはず。

Z900でもエンジン含めたトータルの優しさはこのフレームによるところも大きいと思う。速度域が低くてもしなやかに感じられるし、ペースを上げても車体からの反応が豊かで今何が起きているのかを直感的に理解しやすい。またサスペンションやブレーキといった装備はZ1000やZ900RSよりもワンランクベーシックなものを採用しているのだが、これもまた何も不足はなく機能をしっかりと果たしていると感じられた。


装備的・数値的な部分では750から続いてきた「実用車的スポーツバイク感」は引き継いでいると感じさせる部分もあるため、「どうだ凄いだろう!」といった気持ちを満足させる能力は、確かにZ1000やZ900RSとは比べられない領域かもしれない。

しかし機械としてみた時の全体のバランスの良さ、とっつきやすさ、そしてワンステップ上のスポーツ領域へと導いてくれる、頼れる感覚はむしろこれら兄弟モデルよりも上と感じさせてくれた。これならば日常的にもより接しやすいし、週末には何にも一歩も引けを取らないライディングプレジャーと満足いく速さを提供してくれるだろう。


敢えてコレを選ぶライダーは「わかってる感」が非常に高く、同時にまだ大型バイク歴の浅いライダーにとっても大排気量ワールドへの良き案内人になってくれるはず。

見た目こそストリートファイター然としているが、これぞスタンダードスポーツモデルだな、とすっかり気に入ってしまった。

ホンダの400スーパーフォアのような、誰でも気軽に楽しめて同時に実力も高い大型バイクはないものか、と探していた人に薦めたいオールラウンダーだ。
  • 装備・車両詳細

フロント周り

倒立フォークは片側にしか調整機能がないため、その分いくらかコストカットしているようなイメージにもなるが、作動性は申し分なく初期設定もとてもナチュラル。ブレーキはラジアルマウントタイプの兄弟車にたいしてこちらはコンベンショナルなタイプ。ただ効きそのものについてはやはり文句なし。


エンジン

車名こそ900だが排気量は948cc。先代の800からストロークアップして得た排気量のため、初代のZ750と同じようなロングストロークらしいフィーリングとなっている。スチールフレームはグリーンに塗られて個性を主張。しなやかな操作フィールもZ1000とはかなり違うところだ。


リア周り

シンプルなスイングアームにニンジャシリーズなどでも広く採用されている、水平に近く寝かされたリンク式モノショックを採用。ブレーキディスクはペタルタイプ、スプロケは兄弟車のZ900RSに対して2丁ショートの設定。


マフラー

右一本出しのマフラーはエキパイ部にバイパスパイプを設けてトルクを稼いだおかげか、腹下のタイコ部分がかなりコンパクト。サイレンサーはZ900RSに比べるとかなり消音効果が高いようで、音が大きめなバイクが多い昨今、かなり静かな部類だろう。


LEDとなった灯火類はZ1000ほどの「SUGOMI」はないかもしれないが、Zシリーズに共通するファイター的デザイン。かなりスラントしている印象はあるものの、ハンドルが手前に引かれているおかげか、一般的なストリートファイター系に比べると走行風は木にならなかった。アクセサリーの「ラージメーターカバー」を装着すればツーリングも楽々だろう。


シート

幅広いシートは適度なコシがあり、尻をずらすようなスポーツライディングにも対応。対するタンデムシートはミニマムでタンデムや荷物の積載は、荷掛けフックを備えるものの少し難しそう。シート下には別体ETCの本体がちょうど収まる程度のスペースを確保。


メーター

今回パワーモードが設定され、メーターもカラー液晶を採用。パワーモードはトラコンの設定などとも連動する一般的なものだが、メーターはスマートフォンとの連携もできるという先進的なもの。


タンク

タンク容量は17L。スリムな形状はニーグリップしやすく、ここでもまたコンパクトなバイクに感じさせてくれ自信につながる。


スイッチ類

スイッチ類はシンプルで操作性良好。最初はモード切り替えなどわからないところもあったが、長押しがなんとなく感覚として持っている長押し+0.7秒ぐらいを要する長めの長押しであることが分かってからは複雑なことは一切なく、直感的に使いやすかった。


ヘルメットホルダー

車体左側にはヘルメットホルダーがつき、タンデムステップの所には荷掛けフックも。カワサキは一貫してこれら装備を省略することなく装備し続けてきた。


ポジションキャプション

上半身は少し前傾となるが、窮屈さや不自然さがどこにもない。直感的にバイクが扱える姿勢となる。※ライダーの身長は185cm。

■試乗・文:ノア セレン ■撮影:富樫秀明 


■協力:KAWASAKI

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