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大阪で滑る?滑らさない?ツーリングスポット
- バイクのツーリング記事
- 2024.02.27
【迷走ライダーSHINの行き当たりバッ旅】Vol.124。今回は、大阪「亀の背エリア」のツーリングスポットをご紹介いただきました!

今回ご紹介したいツーリングスポットは、あまり知られていない、いわゆる「知る人ぞ知る」エリアになります。
実際に半世紀以上、大阪に住んでいる私もこのエリアの存在を知ったのはここ1年です。
アクセスも非常に良いエリアなので、この機会に是非とも知っていただけたら幸いです。
もう滑らさない「亀の背エリア」とは
大阪と奈良を結ぶルートは基本的に生駒山や金剛山を越えるための峠道やトンネルルートになるのですが、全くの平坦ルートがあります。
国道25号線です。
この国道25号線は、生駒山地とその南側の金剛山地のスキマを通る国道になります。
そのスキマエリア、大阪府柏原市の「亀の瀬」エリアへのツーリングです。
(画像:日本遺産ポータルサイトより)
この「亀の瀬」4万年前から地すべりが繰り返されてきた難所であり、古代より都の西の玄関口として交通・経済・治水を支えてきました。
奈良の都の発展、それは、「亀の瀬」の地滑りとの戦いでもありました。
ここがその地滑りエリアです。
国道25号線のすぐ脇に広がります。このエリアの土砂が地滑りで崩れ落ち、あらゆるものを飲み込んでいったのですね。
想像しただけでも恐ろしいですよね。
地滑りとの戦い
現在もその地滑りとの戦いは続いており、最新の土木技術を投じてこの要地を守っています。
内容としては、峠地区を中心に6つの排水トンネル、26基の集水井および多数の排水口による表面排水路・暗渠排水路が整備され、粘土層の含水量を抑制する対策が行われました。
また、約300本にのぼる鋼管杭の設置などが行われ、地すべり滑動を抑制する対策が行われました。
(画像:大和川河川事務所より)
2008年11月に地すべり対策工事による排水トンネル掘削作業中に、かつて全て崩壊したとされていた「旧大阪鉄道亀背隧道」の一部が80年の時を超えて原型をとどめた状態で発見されました。
今回はこの、発見された「幻のトンネル」の見学及び、そのトンネルで行われているプロジェクトマッピングを楽しむツーリングです。
橋が橋を支える!?特異構造の「第四大和川橋梁」
国道25号線を大阪から奈良方面に走らせます。
亀の瀬に近づくと、ここで珍しい鉄橋が見えてきます。
トラス橋を土台にして電車が走っています。
鉄橋の上に鉄橋が載る二重構造の鉄道橋。
1931年~1932年にかけての地すべりによって崩壊した亀の瀬トンネルの代替えとして、1932年7月に架橋工事が開始され、同年12月に完成しました。
工期わずか半年と、短い期間で急遽架けられたことからこのような構造になったとのことです。
ちなみに、このトラス橋を渡ることはできません。
見渡すとそこは斜面の「亀の背」
この鉄橋を越えたら、直ぐに「亀の瀬エリア」です。
地崩れした斜面も見上げると今は綺麗に整地されています。
この斜面の中に幾つもの地滑り対策が施されていると思うと感慨深いものがありますね。
駐車場にバイクを止めて、徒歩で受付場所に向かいます。
受付は「亀の瀬地すべり資料室」で行っています。
トンネル見学までの時間を利用して資料室の展示を見ます。
過去から現在かけての地滑りとの壮絶な戦いを知ることができます。
まさか大阪でこのようなことが起きていたとは想像すらしていませんでした。
幻の「亀の背トンネル」
さて、時間となりましたので、「亀の瀬トンネル」に向かいます。
100年前に作られ、80年前に崩壊した「幻のトンネル」です。
亀の瀬トンネル内の煉瓦は、耐久性に優れたイギリス積みで施工されていました。
イギリス積みとは、明治に日本へ伝わってきた技術で、レンガの長手だけの段と小口だけの段を交互に積み上げる方式です。この強度の高さが、トンネルの崩壊を最小限に食い止めたとも言えますね。
最奥の崩壊場所です。発見された当時のまま残されています。
さてプロジェクトマッピングの開始です。
トンネル内に映し出されるその映像はまさにイリュージョン。
写真でお伝えするのは限界があります。動画も撮影しているのでぜひともそちらを見ていただきたいです。
一番のおすすめは、実際に現地で見ていただきたい!
ちなみに、この催しは参加無料ですが事前予約制となっています。
以下のサイトから予約できます。
今回は大阪府内のツーリングスポットとして「亀の瀬エリア」を紹介させていただきました。
関西方面にツーリングに来られる際には是非とも立ち寄っていただけたらと思います。
動画も作成しています。
是非とも動いているプロジェクトマッピングを見ていただけたらと思います。