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【遠藤イヅルの名車カタログ】第1回 BMW R100RS (1977年)
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- 2016.03.30
イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。栄えある第1回目の名車に選ばれたのは「BMW・R100RS」です。高い高速巡行性能をもち、今なおコアなファンが多いモデルです。
BMWのもうひとつの顔に、オートバイがある。
BMWのモーターサイクル部門は「BMWモトラッド」といい、
同社が製造する高級・高性能・上質なオートバイには多くのファンがいる。
BMWのオートバイを印象づけるものに、
「水平対抗2気筒エンジン」(以下フラットツイン)がある。
エンジン本体から突き出たシリンダー内のピストンが
ボクシングのボクサーが繰り出すパンチのような動きをすることから
「ボクサーエンジン」として親しまれている。
同社の歴史は古く、最初のオートバイである「R32」は1923年に登場した。
このときすでにフラットツインエンジン+シャフトドライブという
現代のBMWまで続く基本レイアウトが確立されている。
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戦前には多数のモデルを輩出、
戦中にはBMWの代名詞ともいえるサイドカーを軍用化したR75が活躍した。
戦後は1949年から製造を開始、
剛性の高いシャーシに黒いエナメル塗装に白の子持ちラインの入った美しい車体、
アールズフォークなどの特徴を備えた数々の名オートバイを生み出している。
この旧世代BMWオートバイの最高峰「R69S」では、
600ccのフラットツインエンジンは実に42psを発生した。
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1970年を境にBMWのオートバイは基本設計を同じ年ながらも
各部をブラッシュアップして一新されていく。
その中でも名車の誉れ高いのが「R100RS」である。
車名の通りエンジンは1000cc。
70psのパワーとボディをすっぽりと覆うフルカウルによって、
最高速度は実に200km/hに達した。
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だが、BMWの良さは長距離のライディングでも疲れない高い巡航性能にあり、
ハイスピードでも乗員は快適だった。
本場欧州では国をまたいで数千キロの長旅も平気でこなす
コンチネンタルツアラーとしても名を馳せた。
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我が国でも熱烈なファンが多く、
1992年に生産が終わった現在も多くのR100RSの姿をハイウェイで見ることが出来る。
R100RSは1977年に登場後いったん1984年に生産が終わっている。
これはRシリーズの後継として開発された
直列エンジン搭載のKシリーズ登場によるものだったが、
1986年に生産が復活。R100RSの人気を不動のものとしている。