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未来のライダー&ドライバーに通じるイベント「TOYOTA GAZOO RACING FESTIVAL 2019」
- おすすめコラム
- 2020.01.17
KAZU中西の鋼騎馬ラプソディVol71。今回は、富士スピードウェイで行われた「TOYOTA GAZOO RACING FESTIVAL 2019」のレポートです。
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もはやモータースポーツのファン感謝祭
2019年12月15日、富士スピードウェイにて、TOYOTA GAZOO RACING FESTIVAL 2019が開催されました。
トヨタガズーレーシングとは、トヨタのモータースポーツ活動を推進する社内カンパニーで、TOYOTA GAZOO RACING(以下TGRと略) FESTIVALは文字通りTGRのファン感謝祭として企画されています。
当日は2019年シーズンに活躍したヤリスWRCやレクサスLC500などのデモ走行だけでなく、かつてルマン24hで活躍したTOYOTA TS010とMAZDA787Bのランデブー走行あり、伝説のレーシングカーTOYOTA7の展示走行あり、トヨタ86&BRZとマツダロードスターのアマチュアレースありと内容盛りだくさん。トヨタの…というより、すべてのモータースポーツファンに贈るALLジャパンなファン感謝デーでした。
国際レーシングコースはデモ走行で賑わい、イベント広場はレーシングドライバーのトークショーで盛り上がるという、まさにいたるところでお祭り騒ぎ。新型スープラを始めとするGR車の試乗は、長蛇の列となっていました。
往年の名車トヨタ7が国際レーシングコースを疾走!スーパーGT車やスーパー耐久車、フォーミュラーカーなども、いたるところで展示されていました。いずれも間近に見られる機会は貴重です。その他、レーシングパーツ/カスタムパーツメーカーやケミカルメーカー、タイヤメーカーの出展ブースあり。オートバイでは、ヤマハがブース出展していました。
イベント広場に設けられた特設会場にて、親子バイク教室(ヤマハ)も実施されていました。未就学児は2ストのPW50、小学生はTTR50を使用。
父兄が子供たちのサポートをしながら、自走できるようになるまで丁寧に講習。当日がまさに初体験だという子供も多数でしたが、運転技術はみるみる身に付き、終盤には20~30m間を自走できるようになっていました。僕は、単に指導者任せとするのではなく、親子が一緒に取り組むスタイルに感心。これは、子育て全般や人生論にも通じると思いました。
関連リンク
TOYOTA GAZOO RACING FESTIVAL 2019
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現役高校生がチャレンジするモータースポーツ
イベント広場にてブース出展していたAQMカンパニー。2020年シーズンより本格参戦する競争女子のレーシングカー=Vita01と共に、伊豆総合高校・原動機研究部に所属するモータースポーツ有志が参戦したCUBカップ用のレース車両が展示されていました。この展示内容は、AQMカンパニーの矢崎代表のご厚意によるもので、3ない運動に起因する「バイク禁止」の校則に縛られ、モータースポーツ活動すらままならない彼らを支援する一環として実現しました。
富士スピードウェイで開催されているスーパーカブの耐久レース「CUBカップ」に参戦している伊豆総合高校・原動機研究部モータースポーツ有志。参戦車両は、破格で譲ってもらった中古のスーパーカブ。彼ら自身の手で整備され、彼らを応援する人々の支援も受けてレーシングモディファイされたもの。現時点で2戦出場、2戦とも完走しています。
伊豆総合高校・原動機研究部モータースポーツ有志は、AQMカンパニーの競争女子車両=Vita01のメンテナンスメカニックとしてレースに参戦。彼らの活動がいかに多くの支持を集めているか、地元企業や団体等のステッカーが物語っています。
レジェンドレーシングドライバー・関谷正徳さんも、健全に取り組む彼らを応援。また、若者のクルマ離れ、バイク離れに少しでも貢献できれば…という思いから、富士市のプリン店=メゾン・ド・リブレも支援参加。実に多くの個人および企業、団体が、モータースポーツに熱意をもって真摯に取り組む彼らを応援しているわけです。
僕(KAZU中西)も、微力ながら彼らを応援。当日はブース内にてトークショーを2回実施、MCを担当させていただきました。
その中で、「原動機研究部なのに、学校側の指導で原動機=内燃機関に触れないのはおかしい。ガソリンエンジンの分解整備を通して構造を学ぶのは学生の本分。伊豆総合高校は3ない運動実施校ですから、現時点においてオートバイの免許取得や公道での乗車を校則で禁止しているのは仕方のないことですが、モータースポーツ専用フィールドで行なうモータースポーツ活動にまで学校側が制限をかけるのは筋違いだと思います」と、語らせていただきました。
彼らも「3ない運動は無い方がいいですけれど、校則を守りつつモータースポーツに取り組むことを理解してもらいたいし、有志ではなく部活として正式に活動したい」と、熱く語っていました。
2019年の競争女子最終戦でAQMカンパニーのVita01をドライブしたプロドライバーの大西恵理さんは、「学生たちが真面目に一生懸命に取り組む姿勢に心打たれましたし、このような経験を若いうちからすることは良いと思います」と、率直な感想を述べていました。
僕は結びの言葉として、次のように述べました。「包丁は美味しい料理を作ることもできれば、人を殺めることもできる。それはオートバイやクルマも同じ。道具は正しく使えば危なくない。何でもかんでもダメだと禁止するよりも、若者に対して正しい使い方を教え正しく導くことが大人の役割だと思います」
■ライター:KAZU中西
文筆業をメインにステージMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)で活躍。
現在Z2(Z750Four=KZ750D)、VMAX(RP22J)、XJR1300(RP17J)を所有
プライベートではTOMCATSというモーターサイクルクラブに所属しツーリングやキャンプを満喫。
オートバイ以外の趣味はモーターボート。
バイクの窓口事務局