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【今週のレア車】Vol.185 ヤマハ DT250
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- 2019.11.15
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は、古き良きビンテージモトクロスの面影を残すヤマハ DT250です。
1960年代、アメリカの西海岸では、広大な荒野をバイクで奔りまわることを楽しむ「オフロードラン」が流行しはじめていました。
他のエリアの山岳地帯でも同じような楽しみ方をする若者が増えており、オンロードだけでなくオフロードを走れるトレールモデルが注目を集めるようになっていたのです。
アメリカでのこういった動きを受けて、ヤマハは当時の日本にはまだ浸透していなかった「トレール」というカテゴリーのバイクの開発に着手することとなりました。
このカテゴリーには軽い車重、スリムなボディとトルクのあるエンジンが不可欠という方針のもと、試行錯誤を繰り返して開発されたバイクは「DT-1」と名付けられ1967年、日本に先行してアメリカで販売されました。
高めに設定された販売目標を大きく上回るほどの人気を得たDT-1はアメリカの販売に遅れること約半年、国産初のオフロード専用設計市販車として国内発売されました。
しかし当時トレールというカテゴリー自体が育っていなかった日本では、正直に言ってそれほどの期待はかけられていませんでした。
ところが登場と共に新しいジャンルのバイクとして注目され、大ヒットモデルとなったのです。
それに合わせるようにヤマハは、各地で「トレール教室」なるものを開催、オフロードを走る楽しさを全国に広げていきました。
このようにヤマハはDT-1の発売を機にオフロードカテゴリーでの地位を確固たるものにしていったのです。
(DT-1のご紹介が長くなってしまいましたが、日本に「トレールバイク」という新しいカテゴリーを広めたモデルの事をお伝えしておきたかったのです(^_^;)
今回のレア車、DT250は1970年にDT-1のマイナーチェンジ版として登場しました。
出力アップやハンドル形状の変更、センターアップマフラーの採用など数回のマイナーチェンジを繰り返し、1979年のカラーリング変更を施したモデルが最終としてその役目を終えました。
その後発売された「DT」シリーズに比べて、古き良きトレール色の濃いDT250は昨今人気のある「ビンテージモトクロス」のカスタムベースとしてもいまだに人気があります。
お洒落なファッションに身を包み、荒地ならぬ街中を走り抜けるのも似合うのではないでしょうか?セリの結果に注目です♪