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【今週のレア車】Vol.166 ホンダ パルメットイン
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- 2019.06.14
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は、時代を象徴するスクーター パルメットインです。
1987年4月、本田技研工業は、シートの下にヘルメットが収納できるスペースを設けた新型スクーター「パル」を発売しました。
このパルは同年1月に発売して好調な売れ行きだったメットインスクーター、タクトフルマークに続いて発売した、かわいらしい外観と小柄なボディを特徴とした女性にも乗りやすいメットインスクーターの第2弾でした。
30年以上前のしかも、50ccスクーターということもあり、現存している数自体少ないバイクです。しかし今回レア車に取り上げたのは、その車両というよりこのバイクが発売された背景について書きたかったのが本音です(^_^;)。
その昔、オートバイはヘルメットを被らない、「ノーヘル」が許されていた時代がありました。それこそ大型バイクだろうがなんだろうがヘルメットの着用義務がなかったのです。それが1965年から徐々に義務づけられ1975年からは罰則も設けられるようになり、1978年には全ての道路でヘルメットの着用が義務化されましたが、原付バイクだけは規制の対象からはずれていました。
これを書くと筆者の年がバレますが、私が学生の頃はまだ原付ノーヘルOKの時代でした。それが1986年、ついに全てのバイクにヘルメット着用が義務づけられたのです。
当時まだ原付しか乗っていなかった事もあり当然ヘルメットも持っていませんでした。周りの友達も似たようなもので、「本当にヘルメットをかぶらなきゃ捕まってしまうのか?」とまだ半信半疑。そして規制施行日の朝、買ったばかりの新品のヘルメットを被って外に出た時は、なんだか大げさに感じて照れ臭かったのを思い出します。(すぐに慣れ違和感は無くなりました♪ 今となっては、ノーヘルなんて怖くてできません(・_・;))
実は日本初のヘルメットが積めるスクーターは、1985年に発売されたヤマハの「ボクスン」ですが、当時は「ディバック・スクーター」というふれこみで収納力をアピールしており「メットイン」という言葉を初めて使ったのは前述の1987年発売の「タクトフルマーク」からです。
今回の個体は、1989年(平成元年)に、発進性や登坂能力に優れたSVマチックを搭載するとともに、新たに車体の前後にプロテクションモールを装着するなどしたマイナーチェンジ後のモデルです。
レア車とはちょっと違うかもしれませんが、そんな時代もあったなぁと懐かしく思ったので今回取り上げさせていただきました。