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【バイクライフ】ツーリングペースにドンピシャな新ヘルメット
- おすすめコラム
- 2021.09.03
【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】vol.145。今回はKAZUさんに、新商品のヘルメットをご紹介いただきました!
夏真っ盛りの某日、新しいヘルメットが届きました。その名もアライヘルメット・アストロGX。
ツーリングユースに求められる性能や機能を高めた、オールラウンダーモデルとのことです。となれば、早速試してみたくなるのが人情ってもの。
僕はストリート用フルフェイスヘルメットとして、XDやラパイドネオを愛用していますが、どんな風に進化しているのか?似たようなフィーリングなのか否かも気になるところです。
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新ヘルメットの装備をご紹介
これまでのアストロシリーズと比べて大きく変化したのは、GTスポイラーの採用です。
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ダクトの効果を実感!
先ずはご近所ドライブでチェック。超猛暑日の中、ウチから5分くらいの場所にある修善寺温泉場まで行ってきました。
道中の制限速度は40㎞/hなので、ダクトの効果は感じられないのかな~なんて思っていましたが、なんのなんの!じっとしていても汗が流れ落ちてくる気温と日差しだったので、ヘルメット内は蒸れ蒸れ状態を覚悟していたのですが、ヘルメット内を流れる空気によって汗が気化して快適そのもの。
どのくらい暑い日だったのかは、かき氷を食べる表情から想像してください。
次は、もう少し足を延ばして、ウチから10分くらいの場所にあるお墓やカフェを巡るドライブ。
別の日には、伊豆スカイラインも走ってみました。信号から信号までのスパンが長く、従って走り続ける時間も長くなるから、ダクトの効果を存分に体感できました。
特に効きを確認できたのは、フロントロゴダクトからの導風。おでこが冷える~という感じでしたが、伝わりますか?どのくらい暑い日だったのかは、飲食しているシーンよりご想像ください。
更に距離を伸ばして、ウチから30分圏内をドライブ。地名で言うと、土肥や西浦になります。
同じく猛暑の中を走っているわけですが、涼しさ具合は10分圏内と同様。むしろ、制限速度の高い区間があるから、GフローダクトやGTスポイラーのアウトダクト効果も分かりやすくなったように思いました。
もう暑すぎて、何かを食べるという行為すら面倒くさいと、飲み物だけに頼っているシーンから、過酷であることをお察しください。
もっと距離を伸ばして甲府まで往還、片道3時間くらいのエリアです。途中はド渋滞の市街地あり、クネクネのワインディングあり、高速道路にも乗りました。もう、かき氷とかアイスクリームを補給しなければやってられない!ってくらいの猛暑日。
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高機能なヘルメットに大満足!
可能であれば、猛暑日でも雨の日でもアストロGXを着用、走り回ってみました。
総評としては、謳い文句通りの新ツーリングヘルメットだなと思います。
特に面白かったのは、フロントロゴダクトの効き具合。ダクトの孔が正面を向いてないのに、こんなにも導風するのだなと感心。
アライロゴをダクト化するというアイデアも気に入りました。
市街地の渋滞を抜けて、巡航できるようなシチュエーションになった時は、Gフローダクトが機能し始めます。
負圧によるアウトエアフローは、速度に応じて増加する感じで、雨の日以外は開けっ放しでも良いかな?と思います。
マウスシャッターの効きはXDやラパイドネオ、RX-7Xと同様ですが、グローブを装着したままでも開閉しやすい新形状に好印象です。
実は、ダクト類の機能以上に感心したのが、GX-EPシステム内装とシステムパッドがもたらす好フィッティングです。
脱ぎ被りのしやすさは、ラパイドネオとXDの中間的で、もちろんRX-7Xより断然良いです。ツーリングシーンでは、脱ぎ被りの回数が多めだろうから、ダクト類より体感しやすい効果かもしれません。
おそらくヘルメット下部、開口部の形状を工夫しているのかも。スっと被れますが、システムパッドのおかげで不安無し。ピタッと下支えしてくれる感じです。
その他では、サイド下部にフラットデザインを採用したことで、インカムが装着しやすくなりました。内部のスピーカーホールデザインや配線を収めるポケットの新採用もあって、アライヘルメット史上最高に装着しやすいと断言できます。
ツーリング用としてはパーフェクト!と言える高性能ヘルメットですが、個人的には低速域での導風バランスとヘルメット内のエアフローが気になりました。
XDやラパイドネオよりは、随分と進化しているなと感じるところでもありますが、極低速&中速域以上でのエアフローが良いだけに気になってしまうというレベルの話です。とはいえ、ツーリング時の快適性で言えば、まさにオールランドで高機能。
RX-7Xではオーバースペックだという人にピッタリのツーリングヘルメットかもしれませんね。
ライディングギアは適材適所、ヘルメットと同様にこだわっていきたいです。
サーキット走行ではレーシングスーツが必須、ストリートでは胸部プロテクターの着用をお勧めします。
ちなみに、レーシングスーツならストリートでも最強!なんてセリフを耳にしますが、これまで伊豆スカイラインや西伊豆スカイラインにて、私が立ち会ってきた死亡事故現場では、レーシングスーツのみの着用だった事案が圧倒的に多いです。
レーシングスーツは転倒滑走に強いですが、突起物や構造物への衝突では革ジャンと大して変わらない防護性能です。あえて言うなら、レーシングスーツでも胸部プロテクターやエアバッグの併用が、万が一の時に生存確率を高めます。
むしろ、革ジャンや新素材系ライディングジャケットに、エアバッグを含むプロテクター類を併用した方が安全かもしれません。公道にエスケープゾーンは無いですからね。
ヘルメットは顎ひもしっかり&胸部プロテクター装備で、これからのツーリングシーンを満喫していただきたいと思います。
■ライター:KAZU中西フリーランスのモータージャーナリスト。通称カズ兄さん。
イベントMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)などタレント業でも活躍。
観察分析力に定評があり、開発に携わったバイク用品やカスタムパーツも多数。
一方では、二輪車の事故防止&安全利用の最前線に立つ『Mr.事故ゼロ』とも呼ばれている。
愛車はスペシャルメイドのZ2他。趣味はプレジャーボートのクルージング。